オストロム
エリノア・オストロム - Wikipedia エリノア・オストロム
オストロムは公共財および共有資源(CPR、Common-pool resource)を研究した。公共財やCPRの管理について、それまでの政府か市場が対処するという主張に異議を唱え、資源を管理する効率性は市場でも政府でもなく、コミュニティが補完的役割を果たしたときに最も効果的になることを示した。
政府か市場かは誤った二者択一 / 「大きな政府/小さな政府」は誤った二項対立
オストロムは公共財およびCPRの自主管理(セルフガバナンス)において、長期間持続する制度には、次のような設計原理があると論じた。
境界:CPRから資源を引き出す個人もしくはその家計とCPRの境界が明確である。
地域的条件との調和:専有ルールが供給ルールと調和している。
集合的選択の取り決め:運用ルールの影響を受ける個人の大多数は、運用ルールの修正に参加できる。
監視:CPR条件と専有者を検査する監視者は、専有者に対して責任がある。
段階的制裁:運用ルールを侵害する専有者は制裁を受ける。
紛争解決:専有者間もしくは専有者と当局者の紛争を解決するために、安価な費用の地方領域に接する。
組織化する権利の承認:制度を構築する専有者の権利は、外部の政府当局によって異議を申し立てられない。
組み込まれた事業:より大きな体系の一部であるCPRsに関しては、専有、供給、監視、強制、紛争解決ルールは多層の事業で組織化される。
ロサンゼルスの地下水の自主管理をはじめとするフィールド環境と、ゲーム理論を用いた実験環境において、森や湖などの共有資源(コモンズ)を効率的に管理できることを明らかにした。自主管理の協力行動を繰り返しゲームで説明した研究は、制度の自己組織化とも関連する。
環境省_平成24年版 図で見る環境・循環型社会・生物多様性白書 状況第1部第3章第2節 持続可能な地域社会の実現に向けて
1: コモンズの境界が明らかであること
2: コモンズの利用と維持管理のルールが地域的条件と調和していること
3: 集団の決定に構成員が参加できること
4 ルール遵守についての監視がなされていること
5 違反へのペナルティは段階を持ってなされること
6 紛争解決のメカニズムが備わっていること
7 コモンズを組織する主体に権利が承認されていること
8 コモンズの組織が入れ子状になっていること