であるの歴史
語誌(1)現代語の「である」の発生については、(イ)中世の「である」は、中世末期には「だ・ぢ(じ)ゃ」と音転化して多用され、それに従って終止形「である」は、近世初頭に消失したが、近世末期に、成立の背景が異なる「である」(オランダ語 zijn の直訳語アルと補格語デとの結合)が長崎通詞によって蘭学書の訳文に用いられ、これが現代語「である」の起源になったという説(山本正秀)と、(ロ)中世の「である」は、近世になると、漢学者の講義物、国学者の口語訳、僧侶の説教類などに多用され、江戸期の教養層の用語として存続し続けたとする説との二つがある。 精選版 日本国語大辞典