すべてのものには裂け目がある。そこから光が差し込む
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曲の基本情報
タイトル: “Anthem”
アーティスト: レナード・コーエン(Leonard Cohen)
収録アルバム: The Future(1992年発表、コーエン9作目のスタジオ盤)
制作には10年近くを要し、ベルリンの壁崩壊やロサンゼルス暴動など当時の混乱を背景に書かれたといわれる。
有名な一節
Ring the bells that still can ring
Forget your perfect offering
There is a crack, a crack in everything / That’s how the light gets in
日本語では「すべてのものには裂け目がある。そこから光が差し込む」と訳され、欠陥や不完全さにこそ希望が宿るというメッセージとして広く引用される。
コーエン自身の解説
1992年のラジオ特番でコーエンは次のように語っている。
ここは物事を完璧にする場所ではない。あらゆるものに裂け目がある。そこから再生(light)が入る──破れ目との対峙こそが回復と回帰の入り口だ。
Leonard Cohen's “Anthem”: The story of the line, "There is a crack in everything, that's how the light gets in"
このコメントから、
現実は本質的に不完全であることをまず受け入れる。
その「裂け目」を通してこそ、救い・赦し・新しい始まり(light)がもたらされる。
という二段構えのメッセージが読み取れる。宗教的イメージ(鐘、鳩、光)を用いながらも、ユダヤ教‐仏教‐キリスト教を横断する普遍的な“希望の神学”として機能している点が特徴的だ。
文化的影響と引用例
台湾デジタル担当大臣オードリー・タンが講演で座右の銘として紹介。
9.11後や新型コロナ禍など、危機のたびに新聞・SNSで頻繁にシェアされる。
文学・映画・アートのタイトルやモチーフとして二次利用も多数(例: ドキュメンタリー Hallelujah: Leonard Cohen, A Journey, A Song)。
まとめ
「裂け目=欠陥」は取り除くべき“汚点”ではなく、光を迎え入れる窓である——“Anthem”のこの一節は、完璧主義に陥りがちな私たちへ向けたコーエン流のアンチテーゼであり、危機や不安の時代を生き抜くためのコンパスとして今も響き続けている。
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old title: すべてのものにはヒビがある。そこから光が漏れている。
すべてのものにはヒビがある。そこから光が漏れている。
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o3-mini-high.iconこの言葉は、完璧を求めるのではなく、不完全さや多様性の中にこそ新たな可能性や希望が存在することを示唆しています。
表記揺れ
すべてのものに裂け目がある
すべてのものにはヒビがある
光が漏れている
"how the light gets in"なのに「漏れる」だとgets outっぽいのが気になるnishio.icon