「自分の考え」整理法
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「自分の考え」整理法-頭を軽快にする実践哲学講座
鷲田 小彌太
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前書き: 高速時代の高速思考
第一部: 三分割で考える
1.0: なぜ、「三分割で考える」か
思考にも特効薬がある
思考の天才は三分割で考えた
素早く考える
厳密さよりも、間違わないことが重要だ
仕上がりが美しい
他者を説得するための訓練
1.1: 一つのテーマを考えたら、あと二つ考えなければならない
まず、「1」から始めよう
はっきりした「結論」をもつ
主張だけならば、意見にならない
1.1.1: 古代・中世・近代 一時間系列
「古代」とは、いつのことか
「現在」を中心にすると、時代区分は、いつも、三分割
自然感情を無視しない。しかし、その「偏向」を知っておく
「現在」の常識でいうと、「古代」は、
1.1.2: 一等、二等、三等クラス(階級)
戦後民主主義は、等級分けが嫌い
日本では、「一級」が一番つらい
ホームレスに、なぜなるのか?
一番厚い層=「中間」を通過することの重要さ
大衆意識の中の少数意見
1.1.3: 三分割は人間の生理に合っている
一冊書くと、三冊書く羽目になる
人を説得するためには、「これはこうだ」と終わっては駄目
「上手」に終わるためには、酒場を三軒回る必要がある
人生、三部作
1.2: 「正-反-合」にこだわらない
弁証法を難しく考えない
ヘーゲル哲学の明快さ
ヘーゲル哲学の難しさ - 思考は素早く
1.2.1: 起源過程・結末
「end」のある過程、ない過程
「end」は主体が決めるもの
1.2.2: とりあえず、1・2・3
「1」は考え出すのではなく、目の前にある
1.2.3: 一番入りやすいところから入る ― 最初が難しい
最も賢いのは、食べたいもの、食べやすいものから手をつける
長編は、最後をあらかじめ決めないで進む
多数の意見は「中間」に落ち着く。「中間」に立ったら腐敗と思え
1.3: 基本は三分割。柱が三本あれば、家は建つ
自動車は危険ではない
柱の不揃いはどうにでもなる。まず選び出そう
1.3.1: 危なかしければ、補強しよう
補強は手近にあるもので
1.3.2: 補強も三本、三本
1.3.1、1.3.2、1.3.3
1.3.3: 「明晰」であるためには、グレーゾーンが必要だ
「明晰」と「曖昧」を分けると、「明晰」がでてくる
「三分割」は思考の生理に合っている
日本人は進化思想が嫌い
すべての人間が「天才」であるというのが近代社会
弁証法ではなく「三分割」
第二部 実践読書法
2.0: 読書で最も重要なこと
かつて、知識人とは本を読む人のことだった
現在、読書法は生きるための技術である
読書は、人間の生存にとってより高い価値のあるものと考えない方がいい
書物は、知識や情報を蓄積する歴史的な手段の一つである 100
書物は、相変わらず、人間が考える場合の最良の手段である 100
2.1: 読むためには、買わなければならない
図書館はタダで本が読める救助センターではない
本に金を使わない人間は、安っぽくなる
2.1.1: 自前で買い揃える
ある程度買うと、初めて、必要な本が分かる
揃えておく場所が必要だ
本は高い、しかし、安い
2.1.2: 自分の専門のために買う
よい入門書が必要だ
最先端の問題を扱った本に注意を払おう
最初にケチると、後までたたる
2.1.3: 読書のための読書
読書の神髄は、暇つぶしにある
活字とコンピュータを使えなければ、大人にはなれない
楽しみながら普遍世界を生きることができる
時代小説を読もう!司馬遼太郎と藤沢周平
2.2: ノートは取らない
「積ん読」の効用
手元にある本
たくさんのノートは、手間がかかるだけでなく、再読・再利用不能
2.2.1:
キイワードか最小限のメモをする
扉の裏に、メモや参照箇所のページを記す
最小限度の線や印をつける
2.2.2: 本は一人で読め
読書会での「共同」読書は、無益で徒労だ
読書とは、一人だから面白い。一人の観念的作業である
2.2.3: 気に入った人がいたら、まとめて読もう
内容ばかりでなく、重要なのは、思考の生理
その「問題」について、どういっているのかを、常に参照する ―指南役
2.3: 忘れることはいいことだ
忘れることで、人は新しく覚えるものだ
2.3.1: 本を丸ごと理解したり、覚えようとするのは徒労である
どんな本も、要約すると三命題三行になる
余白に書く「うつむき加減」の国
丸暗記の時代は終わった――本のなかった、高かった時代とコンピュータ時代
本は宝ではない。道具である
2.3.2: 必要な箇所を、繰り返し繰り返し参照する
参照のためにも、本は、手元に置こう
キイワード、断片、命題の重要性 一本と著者から独立の、自分のものにする
2.3.3 読書には時期がある 時期が過ぎると、意味を失う読書がある
「青春の書」は目立つところに置きたい
「青春の書」「中年の書」「老年の書」を一冊ずつあげてみよう
第三部「難問」突破法
3.0: 「難問」の突破口は、必ずある
サハラ砂漠でダイヤの指輪を落としたら?
「矛盾」は「進化」の原動力である
解決不能(奇問)は、そっと避けて通ろう
3.1: クリスティが創造した探偵、ミス・マープルとポアロの違いを知っているか
名探偵を創造した推理作家には、ノーベル賞をあげたい
「事件」は大きいが、ヒントは、いつも、身近にある
3.1.1: 「事件」解決の「鍵」は、「習慣」(類似の生活)の中にある
人間のナチュラルな感情と人間関係を起点にする
「カエルが鳴くからカーエロ」を、バカにしない
重要問題のときほど、「常態」を観察する
3.1.2: 「事件」解決の「鍵」は、「脳細胞」(類似の歴史)の中にある
どんな難問でも、解決不能なものはない、と考える
合理的な推理以外は、材料にしない
3.1.3: 「前例」から推理する
フィクションが残る
人は、「成功」 (未解決事件)の例をまねて、犯罪に及ぶ
3.2: 「難問」は、かえって、立ち向かいやすい
「難問」が焦点になるときは、どうにかしなければ、というときだ
3.2.1: 「難問」に立ち向かうのか、目を閉じるのか
どんな「難問」も、最初は、「奇問」の類とみなされる 20
「難問」が焦点になったとき、性急にことを運ぶと、カスをつかむ
3.2.2: 現在の「困難」の原因は、これまでの「成功」の中にある
「難問」解決を妨害する最大のものは、問題自体ではなく、成功した多数者だ
「成功」から衰退への道を断つために
3.2.3: 解決の具体的手段は、限られている
理論的解決と実践的解決の間には、時間差がある
解決は、現にある「手段」(人材、資本、等々)を利用して始めるしかない
3.3 自分の能力を超える問題
他者の力を借りるしかない、それに学ぶしかない
3.3.1: 神は、自ら助けるものを、助ける
人は、自分が解決できる問題しか、解決できない
念ずれば、自ずと道は開ける
3.3.2: 理解不能な問題と解決不能な問題とを分ける
ネッシーは存在するか
O・J・シンプソンは無罪だ
超現象とは、理解不能なものの別名である
3.3.3: 自分に不能な問題を実践しようとするのは、ある種の「犯罪」である
「エリート主義」の悲劇
「殉教者」が「死に神」となる
重要なのは、問題解決のための、意欲と頭脳のパワーアップを図ることだ
「答えが出ない問題」を考える。それが人間の営みだ
文庫版あとがき