「知識は無料であってはいけない」か?
hottaqu: 私の意見では「知識は無料であってはいけない」というのがあります。この国では「知」を軽視する風潮が強いですが、「知はネットで落ちている無料のもの」という意識が強いのも、理由の1つかなと思います。それは「知」の提供者が気前よく、無料で配ってきたことにも原因があります。 hrjn: 「知」が無料であってはいけない合理的な理由ってあんまりないのよね。困るのは知識で仕事してる人だけだと思う。 けど、それって労働力が単純労働になるにつれて安くなるのと同じ構造なので止めることはできないのよね。
それでも、結局インプリできる人は一握りなので実行フェーズに価値がある。
hrjn: いろいろ教えたところで結局はできないわけなのですよ。大体の人は。 順序よく段階をおいて、必要な投資をして、育ててく必要がある。
hrjn: まぁけど思われてるほどには無料で転がってないとは思うけどね。肝心な「知」は大体知ってる人しか知ってないよ。 nishio: ある人に知識を与えた時に社会的便益が発生するかどうかと、その人が知識に対する支払い能力を持っているかどうかは直交するので「知識は有料であるべき」は社会的便益を損ねる考えだと思う。 特に中高生とかだと専門書に5000円出すことの金銭的負担を社会人より重く感じる
nishio: 社会人から税金をとって、それを中高生が5000円の専門書を500円で買えるようにするとか近くの図書館で借りられるようにするとかに使っても良いと考えている nishio: お金がないと言う理由で近くの図書館にたまたま入ってた10年くらい古い技術書を読んだり、ネットで検索して間違いだらけの個人のブログを読んじゃってる人に4800円のオライリー本とかを届けるブックサンタ事業があるといいと思う hrjn: 農家の人が大根を自分で食べても売ってもあげても良いと思うんだけど、知識もそんなもんじゃないかねって気はするんだけども。 立場によっていろいろ変わるとは思うけど。
hrjn: どんな選択も個人のレベルでは自由であるということを忘れると、バイアスにまみれてしまう気はする。 kuboon: 農家の人がダイコンを売らずに無料で配り始めるとダイコン相場が下がって他のダイコン農家に迷惑をかける、という説があるな nishio: 「相場が下がることを防ぐために示し合わせて値段を決めよう」って方向に進むとカルテルになるなのでは hrjn: とある個人が相場が下がるほどに大根をくばることはサステナブルではなさそうだから、結果的に無害という予感もする。 nishio: あー、なるほど。大根と違って情報は複製コストが安いから誰かが安く配れば相場が下がるわけだな。 一方で「個別具体的な状況に合わせて知識を応用すること」は複製コストが高い。
複製コストが安い知識はどんどん複製したらいいと思うなぁ。
hrjn: ただ、東大ロボの研究によると読解力的な問題が広くありそうなので実はコピーできたところでどうなのかなーという気はする。 Fukuso_Sutaro: 「知識は無料であってはいけない」とかエリートが言うの、その意図がなくとも「金を払えない貧乏人は一生そこで這いつくばっていろ」という意味になっちゃうのでマジで気をつけたほうがいいですよ kaityo256: 「知を安売りしない」のと「知を無料でネットで公開する」のは、相反しない姿勢だと僕は思います。 kaityo256: 「知を無料でネットに公開する」のと、「知は無料でネットに公開されるべきだと考え、公開しろと他人に言う」のは違う、と言い替えてもいい。 kaityo256: 何か作って公開したがる人に、生活に困らないくらいのお金を渡して放っておく、というのは、わりと良い戦略だと思うんだよね…… kaityo256: まぁ、雑にまとめると、「知にはコストがかかっているということをもっとみんなに知って欲しい」という気持ちはすごくわかるけれど、そのために「良質な知を有料化してみんなにコストを意識させよう」とするのは悪手だと思うよ、という話。 tanakahisateru: 知識の原典は無料だけど入門本の誰でもわかる度が高くなるほど(動画付きになってマンツーマンレッスンになって)お金になるの、OSS のソースは無料公開だけど、組み合わせて UI 付けたら価値になって、保守してくれる人が張り付くとすごくかかるのも同じって感じする。コードは知識そのものだなぁ tanakahisateru: 物理の世界だと純度が高いオリジナルほど値打ちがあって、劣化コピーはどんどん値打ちが下がる。この感覚で生きてきた産業の人にとって、ソフトウェアを理解するのは難しい。モノがいくらか、どれだけ量を生産したか、そういう物理時代の人の誤解を何十年も引きずっている気がする