Ostromの文脈でのProviderとは?
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短く言うと、Ostromのいう「Provider(供給者)」は、資源や公共サービスを“どう提供するか”を決めて手当てする役です。具体的には、何を・どれだけ提供するかの意思決定、資金調達、(自営か外部委託か等の)生産手配、そして生産のモニタリングを担います。(International Journal of the Commons)
Provision(供給)≠ Production(生産)
Providerは提供の意思決定と財源・契約の手配をする主体、Producerは実際に作る/運営する主体という区別です。
典型例
用水路:水利組合の総会や理事会=Provider、工事班や請負業者=Producer、各戸の農家=Appropriator(資源の取り手)。
漁場:漁協(割当や巡視の枠組みを決め資金を集める)=Provider、ブイ設置・巡視の実働=Producer、漁師=Appropriator。
役割の重なり
自主管理型のコモンズでは、利用者(Appropriator)が組合を通じてProviderを兼ね、時に自前の作業でProducerも兼ねます(行為主体はしばしば重複)。
デザイン原則との関係
Ostromの原則②は「取得(appropriation)ルールと供給(provision)ルールの整合」で、誰がどれだけ利用するかと、誰がどれだけ負担・維持するかを噛み合わせることを求めます。Providerはこの整合を制度として設計・運用する役回りです。(patternsofcommoning.org)
要するに、Provider=“提供を取り仕切る”ガバナンス主体、Producer=“作る・運営する”実働主体、Appropriator=“使う(引き出す)”利用主体、という整理です。(International Journal of the Commons)
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混乱するよね、という話