Scrapboxで数式とプレゼンの実験
感想
よい: 100% TeX である
筆者は学生時代レポート前にチャットでTeXで数式をやり取りしながら議論していたので、TeXが使えるのは数式を記述する上でかなりスムーズ
PowerPointの数式ツールもTeXを使えるが100%ではない
悪い
WYSIWIGでないのは面倒
PowerPointなら「あっ、この添え字iじゃなくてjだ」と思ったらその添え字をクリックして編集できる。ScrapboxだとクリックしたらTeXに戻るのでもう一度目で追って目的の添え字がどこかを探さなきゃいけない。面倒。
2つのブラウザで開いて並べればよい、という話を聞いたが標準サポートしてくれたらいいのに
プレゼンに限らず複数ページを並べて表示できると便利
数式で始まると自動でノンブルを消されるので消したくない時に不便
文章の主語が変数であるようなケースとか。
PowerPointだとCtrl+Enterでノンブルなし改行をして数式を書き連ねてる
Scrapboxが「ノンブルがつく/つかない」を制御できないのが問題
PowerPointだと普通に( ) で中身の調節をするがこっちは明示的に \left( しないといけない
TeXが悪いんだけど。
分数などのよく使う表現に関してPowerPoint 1/2 TeX 1 \over 2 or \frac{1}{2} で面倒過ぎる
TeXが悪いんだけど。
良い
PowerPointはページが明確なので数式展開が1ページで収まらなかった時に改ページが大変
Scrapboxならスクロールできるからページ単位に切らないでよい
良い
数式展開で「~の定理により」ってのは別ページにくくりだしておくことができる
行にパーマリンクがある
PowerPointで数式を出して議論をした後で「ここの数式展開は~じゃない?」みたいな議論をしたいとき、言及がやりにくい
数式番号を打っておくか、「何ページの何行目」って言うことになる
悪い
細かい表示の制御はできない
諦めて割り切るしかない、きれいなプレゼンを作るツールではない
表紙スライドをうまく作れなかった
スライド中に「重要ではないので大きな字にしたくないけど、後々参照するときに必要なので書いておきたい」という情報を含めたい場合(例えば論文へのポインタとか)
画像のサイズ
良し悪し
PowerPointからは簡単にPDFにエクスポートできる
Scrapboxは簡単にURLでシェアできる
使い分け
研究室内や企業内の気軽なプレゼンにはいいんじゃない?
見た目を気にしないでいい条件
特に輪講や継続的な勉強会で資料をScrapboxでやると、徐々にコンテンツが溜まって発表間にリンクが発生しだして、1年くらい経つと面白いことが起こりそう。