SNSの規約と引用の公正さは別物
SNSの規約と引用の公正さは別物
そもそも本件規約は本来的にはTwitter社とユーザーとの間の約定であって、その内容が直ちに著作権法上の引用に当たるか否かの判断において検討されるべき公正な慣行の内容となるものではない。
また、他のツイートのスクリーンショットを添付してツイートする行為が本件規約違反に当たることも認めるに足りない。
他方で、批評に当たり、その対象とするツイートを示す手段として、引用リツイート機能を利用することはできるが、当該機能を用いた場合、元のツイートが変更されたり削除されたりすると、当該機能を用いたツイートにおいて表示される内容にも変更等が生じ、当該批評の趣旨を正しく把握したりその妥当性等を検討したりすることができなくなるおそれがあるのに対し、元のツイートのスクリーンショットを添付してツイートする場合には、そのようなおそれを避けることができるものと解される。
そして、弁論の全趣旨によると、現にそのように他のツイートのスクリーンショットを添付してツイートするという行為は、Twitter上で多数行われているものと認められる。
以上の諸点を踏まえると、スクリーンショットの添付という引用の方法も、著作権法32条1項にいう公正な慣行に当たり得るというべきである。 --- 知財高裁令和5年4月13日判決