Rethinking individualism and collectivism: Evaluation of theoretical assumptions and meta-analyses
Oyserman, D., Coon, H. M., & Kemmelmeier, M. (2002). Rethinking individualism and collectivism: Evaluation of theoretical assumptions and meta-analyses. Psychological Bulletin, 128(1), 3–72. https://doi.org/10.1037/0033-2909.128.1.3
claude.iconこの文献は、個人主義(IND)と集団主義(COL)に関する広範なレビューと分析を行っています。主な内容は以下の通りです:
1. INDとCOLの定義や測定方法を整理し、これらの概念の複雑さを指摘しています。
2. 国際比較のメタ分析を行い、アメリカ人が他国と比べてINDが高くCOLが低いという一般的な想定を検証しています。
3. アメリカ国内の人種間比較のメタ分析も実施しています。
4. INDとCOLが自己概念、幸福感、帰属スタイル、人間関係などの心理的プロセスに与える影響についてレビューしています。
5. 主な発見:
- アメリカ人は多くの国と比べてINDが高くCOLが低い傾向がありますが、効果量は小さく、ヨーロッパや英語圏諸国との差は小さいです。
- アジア諸国間でも差があり、中国系の方が日本や韓国よりもアメリカとの差が大きいです。
- アメリカ国内では、アフリカ系アメリカ人が最もINDが高く、アジア系アメリカ人のみがヨーロッパ系よりもINDが低くCOLが高いという結果でした。
6. INDとCOLの測定方法や定義の問題点を指摘し、よりシンプルで明確な定義を提案しています。
7. 今後の研究課題として、多様なサンプルの使用や、INDとCOLの影響プロセスのより詳細な解明などを挙げています。
この研究は、INDとCOLに関する従来の想定に再考を促す重要な分析を提供しています。