Politech Enhancement Proposal
技術の世界にはRFC(Request for comments)やPEP(Python Enhancement Proposal)などの知識を精錬する仕組みがある。政治においても同様の仕組みを導入することができないか?
この文章の目的は、情報を提供し、コメントを求めることである。
RFCとは
IETF(Internet Engineering Task Force)による技術仕様の公開形式
インターネットの通信の円滑のためには、利害の一致しない、互いに強制力を持たない当事者同士が、通信に関する技術仕様の詳細にコンセンサスを形成する必要があった
RFCとはRequest for commentsの略であり、技術文書を公開してそれに対してのコメントを募集するものであった
PEPとは
プログラミング言語Pythonの技術仕様の公開形式
プログラミング言語の仕様の変更は、既存のユーザの使い方によっては利益をもたらすことも害をもたらすこともある。利害の一致しないユーザ同士でユースケースの情報を持ち寄り、新しい仕様を決める上での助けになる必要がある
PEPはPython Enhancement Proposalの略。
2010年時点のものの翻訳
PEPの仕組みは長期間にわたってうまく動いており、その後Erlangなど他の言語にも採用されていった。
PEPの仕組み(ざっくり)
アイデアを思いつく
(推奨): コミュニティ内で議論をする。
草稿段階で相談する場所として python-ideasメーリングリスト があらかじめ用意してある
1アイデア1PEPでPEPを作成し、あらかじめ定められた方法で提出する
この時に、フォーマットに従ってPEPを書き、適切なフォーラムで行われる議論に目を通し、出したアイディアについて、コミュニティの中でコンセンサスを取る努力を行う個人(チャンピオン)を明確化する必要がある
PEP編集者は、PEPの焦点がぼやけていたり、範囲が広すぎる場合には提案を否認できる権利を持っている
編集者が承認すると番号が割り振られる
PEPに対する議論が行われ、意見が収集される。
例: PEP 3104では外部スコープにバインドする変数をどう宣言するかに関して議論が行われ、多種多様なキーワードが提案されたのち、後方互換性を最も壊さないものを見つけるために出現数の調査が行われてnonlocalというキーワードが選択された レビューの準備ができたら、Pythonの作者 Guido von Rossum のレビューを受ける。
PythonはGuidoの独裁制であり、彼が可否を決める。
Politechに応用する場合には今のシステムとどう接続するかが重要。
雑多なメモ
テキスト形式かそれに類した検索が容易なフォーマットであるのがよい
インターネット上で公開され、誰でも参照できるのがよい
問題意識: 政府系機関からの発注を行う場合の仕様策定に関して「特定業者のロックインを避ける」とか「他のシステムとの連携がしやすいように作る」って視点で、技術的により良い方向に進む力学が必要。特定企業に都合の良い仕様にならないためには、オープンな議論の仕組みが必要。
関連
全ライフサイクルでの要求と実現に関する合意形成の構造的記録と履歴がある
『国際標準IEC 62853 Open systems dependability(オープン・システムの総合信頼性のためのガイダンス)』が、2018年6月13日に刊行された。
IEC 62853は、オープン・システムの総合信頼性(dependability)のためのガイダンスである。従来、システムの仕様が正しく実装されることが総合信頼性の根拠とされてきた。しかし、システムの目的や環境などの変化に伴い、仕様も変化している。IEC 62853は、総合信頼性の根拠を説明責任の所在と遂行においた画期的な国際標準である。