OSSは百科全書
『百科全書』は、フランスの啓蒙思想家ディドロとダランベールら「百科全書派」が中心となって編集し、1751年から1772年まで20年以上かけて完成した大規模な百科事典。 ダランベールが執筆した『序論』によれば、これは、「技術と学問のあらゆる領域にわたって参照されうるような、そしてただ自分自身のためにのみ自学する人々を啓蒙すると同時に他人の教育のために働く勇気を感じている人々を手引きするのにも役立つような」事典であった。当時の技術的・科学的な知識の最先端を集めたこの書物は、古い世界観をうち破り、合理的で自由な考え方を人々にもたらすのに大きく貢献した。しかし企画段階から体制側との緊張関係の中で刊行された『百科全書』は、そこに記された思想によって意味を持つだけでなく、その刊行自体が一つの政治的な意味を持っており、18世紀のフランス啓蒙思想が成し遂げた成果といえる。