LENCHI_LLMに2024年の視点からコメントさせた
エンジニアの知的生産術の第5刷決定のタイミングで、2024年の視点からLLM(claude.iconClaude 3 Opus)にコメントさせてみた。初出: 2024-04-03
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人間のコメント
技術評論社 【WEB+DB PRESS plus】西尾泰和さん 執筆の『エンジニアの知的生産術──効率的に学び,整理し,アウトプットする』が好評につき第5刷の増刷が決定!プログラミングと執筆を具体例として,知的生産の方法を解説します。筆者の具体的な手法や,今までの試行錯誤も紹介。 西尾: 第5刷決定です!学びのサイクルはLLM時代にも有効です。というかむしろ、世界の変化が激しくて教科書の成熟が間に合わない今こそ重要な「学び方」を学ぶ本と言えるでしょう。
本当にそうか?
自分で「LLM時代にも有効」という宣伝文句を書いた上で「それは本当か?」という自分に対する批判的思考が発動した。そしてその検証方法としてLLMに考えさせることを試みた
LLMにコメントさせてみた
nishio.iconこれは2018年発売の私の本「エンジニアの知的生産術」の序文と目次です。LLM技術が発展して文章の理解や生成が機械によって強力に加速している2024年現代の視点で見返してコメントしてください。
claude.icon2024年の視点から見ると、「エンジニアの知的生産術」の内容は、ますます重要性を増していると言えます。
LLM(大規模言語モデル)の発展により、情報収集や知識の習得が加速している一方で、得られた情報を咀嚼し、自分なりのモデルを構築することの重要性は変わりません。本書が提唱する「学びのサイクル」は、現代でも有効なフレームワークだと考えられます。
「やる気を出す」ことに関する章は、AIの発展によって自動化が進む中でも、人間の創造性や意欲が重要であり続けることを示唆しています。 「記憶を鍛える」技術は、AIが情報を記憶・検索する能力が飛躍的に向上した現在でも、人間にとって重要なスキルです。単なる情報の記憶ではなく、知識を構造化し、応用する能力が求められています。 「考えをまとめる」ことは、ChatGPTなどの言語モデルが発展した現在でも、人間の固有の能力として重要です。機械によって生成された情報を批判的に吟味し、自分なりの考えを形成することが求められています。 「アイデアを思いつく」プロセスは、AIが発展した現在でも、人間の創造性が発揮される領域です。機械による発想支援はできても、最終的に価値あるアイデアを生み出すのは人間の仕事だと言えます。 「何を学ぶかを決める」ことは、AIの発展によってさらに重要になっています。与えられた課題を効率的にこなすだけでなく、自ら学ぶべき対象を見極める能力が求められています。 西尾のコメント
LLMを使うことによってこのような文章がローコストに生み出せる時代が到来した。この技術を活用して、どのようにして知的生産して価値を生み出していくか、が今後の知的生産性に大きな影響を与える。「知的生産」を俯瞰した洞察が重要な時代になったと言えるだろう。
「記憶を鍛える」技術は、AIが情報を記憶・検索する能力が飛躍的に向上した現在でも、人間にとって重要なスキルです。単なる情報の記憶ではなく、知識を構造化し、応用する能力が求められています。
そうだね、単なる情報の記憶は、Google検索が登場して、それからEvernoteやScrapboxのような「個人用ナレッジマネジメントツール」が普及したことによって機械に委ねられるようになった。人間はそれらのツールを効率よく使うための知識の構造化と応用のスキルが重要になった。
「効率的に読む」スキルは、情報の氾濫がさらに加速した現在、より一層重要になっています。本質を素早くつかみ、必要な情報を取捨選択する能力が求められます。
最近は論文をClaude 3 Opusに読ませたり、GPT4と話しながらペア読者をしたりしている。効率的に読むために「読むという行為」や「読むことの目的」を考え直すこの章は、ツールの変化に伴う「読み方」の変化を考える土台になるだろう。
「考えをまとめる」ことは、ChatGPTなどの言語モデルが発展した現在でも、人間の固有の能力として重要です。機械によって生成された情報を批判的に吟味し、自分なりの考えを形成することが求められています。
まったくその通りで、LLMによってアイデアのブレインストーミングなどで素材がたくさん生成できるようになった。人間には情報洪水に溺れないための指針が必要になる。LLMも要約はできるが、良い要約を作るための指針を与えることで価値を生み出せる確率が大きく変わる
「アイデアを思いつく」プロセスは、AIが発展した現在でも、人間の創造性が発揮される領域です。機械による発想支援はできても、最終的に価値あるアイデアを生み出すのは人間の仕事だと言えます。
「最終的に価値のあるアイデアを生み出す」という言葉の「価値のあるアイデア」とは何かの考察が重要だ。実行されないアイデアに価値はなく、実現不可能なアイデアにも価値はない。アイデアの種の中から将来価値につながるものを育て上げるプロセスの重要度が高まるのだ。
「何を学ぶかを決める」ことは、AIの発展によってさらに重要になっています。与えられた課題を効率的にこなすだけでなく、自ら学ぶべき対象を見極める能力が求められています。
世界に大きな変化が起こるとき、かつて「これを学ぶと良い」とされていたものが今後も有用であるかがわからなくなる。誰も未来はわからないので、他人に委ねることができない、自分で選ぶしかない。
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claude.icon
LLMを活用した知的生産が浸透する中で、「エンジニアの知的生産術」の内容を改めて咀嚼し、LLM時代の文脈で捉え直すことは非常に有意義だと感じます。
情報の記憶・検索はAIに任せつつ、知識の構造化と応用に人間の力を注ぐべきだという指摘は示唆に富んでいます。膨大な情報をただ集めるだけでなく、自分なりの観点で関連付け、新しい発想の種を見出していく。それこそがLLM時代の知的生産者に求められる役割と言えるでしょう。
また、情報過多の時代に本質を見抜く読解力、機械の力を借りつつ自分の考えを形成する力、アイデアを育て価値につなげる力など、本書で強調されているスキルは、まさにこれからの時代に不可欠なものばかりです。
さらに、「何を学ぶか」を自ら決める重要性は、LLMがもたらす環境変化の中でこそ実感できるはずです。定石が通用しない時代だからこそ、自分の頭で学びの対象を選び取っていかなければなりません。
こうした気づきを得られたのも、LLMとの対話を通じて自著を見つめ直したからこそだと思います。LLMを活用しつつメタ的に自らの思考を問い直していく。そんな営みの積み重ねが、LLM時代における新しい知的生産のあり方を導き出してくれるのかもしれません。
本章では、「エンジニアの知的生産術」の内容を土台としつつ、LLMを味方につけた知的生産の可能性を探ってきました。次章では「エンジニアの知的生産術」の時点ではまだ筆者が活用していなかったKozanebaやScrapboxといったツールを活用し、アイデアの創出と育成を加速させていきます。従来のアナログな発想法をデジタルの力で強化することで、知的生産の高度化を図れるはずです。
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最後の「本章では〜次章では〜」の段落はうまく生成できなかったのでつぎはぎして自分で書いた。