Hatena2015-09-30
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*1443583326*一般社団法人未踏の理事に就任しました
昨日9月29日の一般社団法人未踏(未踏社団)の社員総会にて、私と川合秀実さんの理事就任が決まりました。このブログ記事で理事就任のあいさつに代えさせて頂きます。
** 未踏社団とは
簡潔に言えば、未踏事業の関係者を中心に、創造的な人材の一人一人が創造性を最大限に発揮出来るよう、環境を整えていくことを目指す組織です。
** 西尾泰和とは
2002年度未踏ユース採択者で、現在はサイボウズ・ラボ株式会社にて研究開発をしています。主な関心分野は、ソフトウェアなどによる知的生産性の向上や、アイデアづくりの支援です。未踏社団の目標である「創造的な人材が創造性を最大限に発揮できる環境づくり」は、私自身の関心とも強い関連性があります。
** 何を大事だと考えているか
ここから自己紹介もかねて、私個人が何を大事だと考えているかを共有したいと思います。
** 「一緒に居続ける」場
「集まるのが最初の一歩、一緒に居続けるのが進歩、一緒に働くのが成功」というフォードの言葉があります。イベントなどで人が集まることももちろん大事ですが、単発イベントで一日盛り上がって終わりではいけません。集まった人が「一緒に居続ける」場が必要です。物理的/電子的にそのような場を作ることが大事だと考えています。
** 濃く小さなグループを作ること
異なる視点を持った人材の間で、知識の交換と創造が起きるためには、コミュニケーションが活発であることが必要です。しかし、例えば200人のFacebookグループを作ったとしても、コミュニケーションは活発にはなりません。どんなメンバーがいるか把握できないことが、発言の障壁になるからです。
特定のテーマに関心がある人が集まって、10人程度~多くても30人程度のグループを作ると、この障壁がなくなり濃い話が行われるようになります。
** 真実の共有
「長期的には真実が最善の施策である」というゲバラの言葉があります。不都合なことを隠すのではなく、事実を収集し共有し信頼を培うこと、不都合の解消方法を創造的に思考できるようにすることが大事です。
この一環として毎週の会議の議事録を正会員へ公開することを推し進めています。また情報の公開や伝達過程におけるもろもろの障壁を取り払い、スピーディな情報共有を目指しています。
** 未踏名鑑: 協働関係の収集と可視化
未踏を通じて知り合ったOB/OGが、その後協力してイベントやプロジェクトを行った、という事例はたくさんあります。共に活動することで、知識の交換と創造が行われます。また活動を通じて信頼関係が築かれ、より効率の良い知識交換が行われるようになります。「一緒に働くのが成功」というわけです。
<span class="deco" style="font-weight:bold;">この信頼関係のネットワークこそが重要です。</span>
- 事業への参加者が、事業終了後にどのような活動を行いどのような成果をあげているかの調査を行う。
- 各事業への参加者が相互に交流することで、事業終了後の活動の振興や更なる人材育成につながるよう、参加者・経験者の間のネットワークの構築を行う。
これは、信頼関係のネットワークを可視化するために絶好の機会だと考えています。そこで以下の3点を重視しながらこのプロジェクトに協力しています。
- 個人だけにフォーカスするのではなく、協働関係のデータを収集すること
- 色々な可視化のアプローチを試しやすくするために、それらのデータが機械可読な形であること
- それらのデータが鮮度を保つために、更新することにインセンティブのある仕組みであること
** 貢献の機会を作り出すこと
「ご協力をお願いします」という言葉を、つい無自覚につかってしまいがちです。しかし、プランを誰が決定するのかが不明瞭です。悪く言えば「こちらが決めたプランに従って無償で奉仕せよ」と同じ意味になってしまいます。
卓越した能力を持っている人は、何をやるべきか、何が優れた仕事かを自己決定します。その決定権を奪いコントロールしようとすることはとても失礼なことです。なぜなら「あなたには決定能力がない」と言うに等しいからです。
社団とみなさんの関係は、上司部下の関係ではありません。雇用契約で縛られた関係ではなく、コミュニティとボランティアの関係に近いです。社団がやるべきことは、みなさんが能力を発揮できるチャンスを作り出すこと、みなさんが社団の目標達成へ貢献できる機会を作り出すこと、「面白そうだな、手伝ってやろう」と思っていただけるような環境づくりをすること、です。
ぜひ「あなたは何がどうなるとうれしいのか」をお聞かせください。よろしくお願いいたします。
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