FORTRANが生まれた頃、FORTRANは自動プログラミングと呼ばれていた
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「Fortranが誕生した当時、“自動プログラミング(automatic programming)”と呼ばれていた」というのは、厳密には「Fortranという名前自体が“automatic programming”だった」というより、「当時、高水準言語を機械語に翻訳する仕組みを総称して“automatic coding”や“automatic programming”と呼んでいた」ため、Fortranもその一種としてそうした文脈で言及されていた、というのが正確です。
解説:
1950年代、アセンブリや機械語に対して自動的にコードを生成する仕組みを「自動プログラミング」「自動コード化(automatic coding)」などと総称していました。
Fortran(Formula Translator)はIBM 704向けの高水準言語として1957年に公開され、当時の資料で「FORTRAN Automatic Coding System」と呼ばれることもありました。
ただし「Fortran」という名前自体が「automatic programming」という名称で公式に呼ばれていたわけではなく、当時のコンパイラ技術全般を「自動プログラミング」と位置づけた中でFortranもそう呼ばれていた、というのが事実に近いです。
Fortranの初期のドキュメントでは、IBM 704向けに開発されたコンパイラが「FORTRAN Automatic Coding System」として紹介されており、これは高水準な数学的記述から機械語を自動的に生成する仕組みを意味しています。
具体的には、1956年10月発行のIBM 704用FORTRAN Programmer's Reference ManualやBackusらによる当時の論文において、この自動翻訳のコンセプトが明確に示されています
以下は、FORTRAN自動翻訳のコンセプトを示す引用の一例です。
"It describes the system which accepts a source program written in a language resembling ordinary mathematics and produces an object program in 704 machine language."