Digital Public Goods Accelerator Guide
https://www.youtube.com/watch?v=pfuFXraqphk&list=PL3C6eF-zu5AYohNL1ZgOBqlwwJ29x-lTO&index=23
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UNICEFの役割
子どもの権利保護だけでなく、テクノロジーとデジタルソリューションが子どもに及ぼす影響を重視。
オープンソースかつ新興国スタートアップへの投資(ベンチャーファンド・暗号資金)を行い、教育・ヘルスケア・人道支援など実社会の課題解決に取り組む。
デジタル公共財(Digital Public Goods)の定義
2019年に国連事務総長のロードマップで示された新しい概念。
オープンソフトウェア・オープンデータ・オープンAIモデルなどを用い、SDGs達成に寄与し、プライバシーや「Do no harm(害を与えない)」原則に従う。
公共性(non-excludable, non-competitive)をもつ。誰でも利用・改変し、課題解決に活用できる。
2. デジタル・コロナイゼーション(デジタル植民地化)の問題
歴史的背景と「搾取」構造
アフリカの植民地化を例に、テクノロジーにおいても大企業によるデータや資源の「搾取」が起きている。
日本の事例
国産サービスでなく、海外プラットフォームばかり利用することで「デジタル赤字」が拡大。
デジタル主権を確立できないと、将来さらに技術力や経済に影響が出る。
3. DPGとオープンソース
DPGとオープンソースの違い
単なるオープンソースと異なり、“社会課題への直接的アプローチ”が組み込まれている。
開発・保守には多様なステークホルダー(政府、当事者、開発パートナー等)が関与。
メリット
地域の人材育成・雇用創出・自立的な保守運用に繋がる。
コードがオープンなのでカスタマイズが容易で、透明性も高い。
4. UNICEFの投資・事例
ベンチャーファンドの実績
81のスタートアップに投資、68%が追加資金調達を獲得。
子どもやコミュニティの課題を解決する技術を、現地企業や若者と共に開発。
具体例
Rumson(ネパール)
モバイル上でトークンやQRコードを用い、緊急時の現金給付をブロックチェーンで管理。
透明性の確保、運用コスト削減。
Statwig(サプライチェーン管理)
ブロックチェーンを使い、ワクチンや食糧などの流通過程を可視化。
オープンソースだが、専門実装サービスでビジネスとして成立。
5. 持続可能性とビジネスモデル
DPG開発の鍵
公共性がある課題設定からスタート。
オープンライセンスをどう活用し収益モデルを作るかが重要。
大企業への依存は「ロックイン」を招き、将来的に維持費が膨らむリスク。
若者・現地人材への投資
本質的かつ長期的には、現地コミュニティや若者が技術を学び、保守管理できる体制を作ることが不可欠。
6. 今後の課題と展望
国・自治体レベルでのオープンソース調達
日本や他国が、公共基盤としてオープンソースやDPGを調達・開発できる仕組みがあるか。
大企業による支配(デジタル・コロナイゼーション)を避け、デジタル主権を確立できるかが焦点。
教育と認知度向上
DPGやオープンソースの意義を広め、技術者や若者の育成を加速。
公共財としてのインフラを「みんなで作り、みんなで維持する」発想が必要。
まとめ
デジタル公共財(DPG)は、SDGs達成に資するオープンテクノロジーを活用し、真に社会課題を解決するための重要な概念。大企業頼みのデジタル基盤ではなく、コミュニティや現地の若者を巻き込みながら、自立した保守・運用を目指す取り組みが鍵となる。技術、ビジネスモデル、教育など多角的なアプローチが必要であり、UNICEFは投資や人材育成を通じてデジタル主権の確立を支援している。 ---
2019年は、いわゆる「デジタル公共財(DPG)」という概念が国連事務総長のロードマップで正式に示され、多くの組織がオープンソース技術への投資や支援を活発化させたタイミングでもあります。ここで重要なのが、“アーリーステージのOSS(オープンソースソフトウェア)”を育てる動きです。 1. アーリーステージOSSとは
初期段階のオープンソースプロジェクト
資金面・技術面・コミュニティ面でまだ十分に成熟していないが、将来性や社会的インパクトの大きいプロジェクトを指します。
OSS化のメリット
コードが公開され、誰でも改変・利用が可能。
コミュニティが形成されやすく、新機能の開発やバグ修正が素早く行われる可能性がある。
公共性が高く(「公共財」としての性格)、社会課題解決のために利用しやすい。
2. 2019年に注目された背景
デジタル公共財の枠組み(DPG)登場
2019年、国連事務総長のロードマップで「デジタル公共財(Digital Public Goods)」という概念が打ち出され、各国政府や国際機関が「公共性の高いオープン技術」を推奨する流れが生まれました。
DPGアライアンス(2019年発足)にはUNICEFや各国政府、民間企業(GitHubなど)も参加し、社会課題を解決できるOSSプロジェクトへの注目度が上昇。
UNICEFなどによる投資の活性化
特にUNICEFのベンチャーファンドは、途上国や新興国を中心に“アーリーステージ”のOSSプロジェクトへ投資を始めました。医療、教育、災害対応など実社会の課題を解決しうる技術が求められ、初期段階でも支援を受けやすい環境が整いつつあります。
3. アーリーステージOSS支援の狙い
社会課題解決への早期貢献
初期のうちからOSSプロジェクトを支援し、教育や医療などで迅速な実装が可能になるようにする。
コミュニティ形成と持続可能性
アーリーステージから広く開発者や現地コミュニティを巻き込み、将来的に自立して保守・運用できる体制を整える。
イノベーション促進
大企業や先進国からの技術提供だけでなく、新興国や地域のスタートアップが自ら課題を発見し、技術を育てることでローカル発イノベーションが生まれやすくなる。
4. 今後の展望
公共インフラとしてのOSS
2019年以降、OSSプロジェクトの公共財化が注目され、政府や国際機関が積極的に利用・調達を検討する動きも出てきている。
企業との協業モデル
オープンソースだと収益面が課題になるが、導入支援や追加開発などのサービス提供でビジネスを成立させるモデルが台頭している。
持続的なコミュニティ・エコシステム
アーリーステージOSSが成長するには、開発者・ユーザ・投資家が長期的にコミットするエコシステム形成が必須。OSSを通じて技術教育・雇用創出にもつながる。
まとめ
2019年は“デジタル公共財”という概念が国際的に広がり、アーリーステージOSSへの投資・支援が加速した重要な年です。初期段階のOSSプロジェクトを育てることで、社会課題を解決しうる技術を効率的かつ持続可能に発展させることが可能となりました。国際機関や政府、民間企業が協力して、今後も大きな成果が期待されています。