AirBox
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台湾のAirBoxは、低コストの大気汚染センサーを使った市民参加型の観測ネットワークです。PM2.5などの粒子状物質や温度・湿度をリアルタイムで測定し、そのデータをインターネット上で共有します。これにより各地の大気環境を詳細に把握でき、政府や研究機関だけでなく、一般市民も自主的に対策や情報発信を行いやすくなっています。台湾では行政や民間団体が協力し、Open Dataの形で広く可視化・活用されているのが特徴です。
(Audrey Tang 談・意訳)
「当時、台湾には “AirBox” という取り組みがありました。これは、安価な Raspberry Pi を使った空気質センサー(PM2.5計測)の仕組みで、政府予算で小学校や家庭のベランダに配備できるようにしました。そして計測値は分散型台帳(当時は IOTA)に保存されます。 こうすることで、国民は『政府だけが独占的に数字を持ち、行政の大臣しか信用できない』ような状態ではなく、自分たちで測定データを扱えます。中央政府が計測の解釈をコントロールするのではなく、誰でも高精度の計測値を活用できるよう公開されるわけです。
解像度の高いデータが得られると『どこに大気汚染源があるのか』が具体的にわかり、単なる対立(文句や抗議)ではなく、“協働して解決策を生み出す” 方向に進んでいきます。同じ手法は、水質センサーの “WaterBox” にも応用されています。」
解説(要旨)
AirBox / WaterBox は、台湾で大気質や水質をモニタリングするための市民参加型プロジェクト。 政府がデータを独占せず、市民の手元にセンサーを置き、計測結果を分散台帳に記録することで、
政府だけが計測値を握る状態を排し、
データを誰でも参照・活用できるようにし、
「測定結果の解釈を国民が共有」して高い解像度で汚染源を特定 → 対立ではなく協働へ。
これにより、「信頼度が低いから政府の発表を疑う」という消極的抗議ではなく、「データを一緒に見ながら解決策を提案する」前向きな参加に繋がった。
同じしくみを水質モニタリング(WaterBox)にも広げており、センサー配布・データ公開・みんなで問題解決という流れが定着しつつある。