非公開のアクセス可能URLは送信可能化権を侵害しない
プライベートリンクの議論の中で「アクセス可能なURLが存在しているが公開されてない」という状況が送信可能化権の侵害に当たるかどうかという疑問を持った人がいた。 著作権法の第2条で、送信可能化とは自動公衆送信し得るようにすることだと書かれている。 九の五 送信可能化 次のいずれかに掲げる行為により自動公衆送信し得るようにすることをいう。... 自動公衆送信とは、公衆からの求めに応じて自動的に公衆送信を行うことだ、と書かれている。
九の四 自動公衆送信 公衆送信のうち、公衆からの求めに応じ自動的に行うもの(...を除く。)をいう。 公衆送信とは、公衆によつて直接受信されることを目的として〜と書かれている。 七の二 公衆送信 公衆によつて直接受信されることを目的として... アクセス可能URLが公開されていない状態は、明らかに「公衆によって直接受信されることを目的として」いない。
このURLをうっかり過失によって公開した場合、刑法38条の罪を犯す意思がない行為は、罰しないの原則があるので刑法上の罪にはならない。その流出によって与えた損害に関しては、民法709条が「故意または過失により」という表現なので、過失であっても民法上の損害賠償責任がある。 see 不法行為による損害賠償