記号接地
ahmok 言語心理学あたりの「記号接地」を思い出した けど、「記号接地」という概念自体「記号接地」してないという批判あったのも思い出した
「大地に根を下ろしている」「地に足のついた」は、顕微鏡で見たら、根と土の粒が混在してるだけだなあ
p.47
記号と「記号」の区別
2010年代のディープラーニングの隆盛を経て、2020年代の大規模言語モデルによる分散的表現/表象の論理的情報処理に関するブレイクスルーに至り、「記号」概念に立脚した物理記号システム仮説の妥当性は構成論的な視点ではほぼ失われた。つまり、「記号」概念に立脚した記号的人工知能では実世界で十分柔軟に知的な振る舞いを見せる人工知能は作れずに。 データから学ぶディープラーニングに基づく人工知能が様々なタスクにおいてそれらを超える、そして人間に匹敵するパフォーマンスを見せたのだ。 記号接地問題 (シンボルグラウンディング問題、 Symbol grounding problem) は1990年にハーナッド (Stevan Harnad) による論文で紹介された。 人工知能の基本問題の一つとも言われる。しかし現在この問題は、人工知能やロボットにおける言語理解全般に関する問題と拡大解釈されているように思われる。 元々の指摘はそのコンテクストに「記号」主義人工知能を置いたものであり、物理「記号」システム仮説に基づくようなアプローチで問題になる点を指摘したものである。... スティールズ (Luc Steels) は2008年の論文ですでに「記号接地問題はすでに解決されている、またはその問題提起自体に誤りがある」と指摘している。問題の本質は「記号」と記号の概念の混同と、人間の知能の本質でもない「記号」への執着である。