現代における実際の戦争
「現代における実際の戦争」とはどんなものかに関して議論する機会があって、その時に色々調べたことをまとめておきました。
1880年代に自動小銃が発明される
自動小銃が軍に採用されつつある時代
趣旨
「一人一人の兵士が敵の兵士に狙いをつける状況」から「乱射して確率的に敵を殺す状況」に変わった
それまでの戦争よりも人数の多い方が優勢になりやすくなった
つまり統計的に扱えるぐらいの多数の歩兵集団が別の集団と衝突して銃を乱射するシチュエーションを想定している
現代においてそんな戦闘がメインか?
少数であり武装も劣る軍隊によってどうやって戦うかについての兵法書
ゲバラは武器の劣った少数の軍隊を率いてキューバ革命を成功させた
これは、ランチェスターのモデルが想定していたような戦闘状況がメインにならなかったことを示している
1960年代にコンピュータネットワークが作られ始める
1980年代にインターネットができた
その結果、インターネットを介した「物理的に近接することなく行う攻撃」が生まれた
日本はJAXAや原子力機構への標的型サイバー攻撃を受けている
先進国の首都で化学兵器が使われる事件
軍隊に比べて人数も技術力も劣ったカルト集団によって大きな被害がもたらされうることが実証された
1999年に中国軍の研究者によって「超限戦」が執筆される。 趣旨
「戦争と非戦争」「戦地と非戦地」などの境界がなくなっていく
インターネットや証券市場も戦場になる
外見上はカルト集団が勝手にやったこと
アメリカ政府はサウジアラビアの関与を疑うレポートを出している
明示的に国家間の戦争の形にならないまま衝突が起きている
兵力において劣った側が奇襲を選ぶのはよくあること
テロという形の奇襲に備えることが国防上重要になった
この流れの横で超限戦の「戦争と非戦争の境界がなくなる」という思想が発展
2003年 中国人民解放軍政治工作条例が修正
これはインターネット上での世論コントロールなどを含む行動
それを「戦」だと表現しているところが興味深い
征服や占領は自軍に死傷者が出やすい
無人機による攻撃なら死傷者を出さず、政治的コストが安い
輿論戦で敵の指導者の評判を落としてから無人機で暗殺するシナリオ
テロリストを装って奇襲攻撃をする