教師がスマホを没収しようとした場合の対抗策案
地震を警戒して子供に持たせたスマホを教師が校則を優先して没収するって事例があるそうですね。なんかあったらどう責任取るつもりなのやら。あまりにひどいと思うので自衛の方法を考えてみました。
まず、そのスマホは「子供がお小遣いで自分で買ったもの」ではなく「親が買って、子供に使うことを許しているもの」だとします。つまり、親は子供にそのスマホを使うことは許しているが、勝手に処分することは許していないとします。
親の所有物であるスマホを教師に渡すこと(スマホの占有権を教師に譲渡すること)は、法律行為なので、未成年者が行うには法定代理人(親など)の同意が必要です。(民法第5条)
民法第5条(未成年者の法律行為)
第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。
というわけで教師が「スマホを没収する」と言ってきた場合、「私は未成年なので、親のスマホをあなたに渡す場合には親の同意を得る必要があります」と主張して引渡しを拒めばよいと思います。
没収されてから取り返すまでの間に地震が起きてしまうと困るので、没収を未然に防ぐのが大事ですが、もしすでに没収されてしまっているとしましょう。その場合、第2項の規定を使って、占有権の譲渡を取り消します。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
未成年者本人が取り消すこともできますが、たぶん親が言う方がスムーズでしょう。
私の子供が私のスマホをあなたに引渡してしまったが、私はこれに同意していないので取り消す。
あなたが占有している私のスマホを速やかに返還してほしい。
なお、あなたからスマホを受け取ることに関して、私の子供を代理人とするので、子供に渡してほしい。
という感じでいいかなと思います。
この主張に対して教師側が取り合わない場合は、損害賠償を請求をしますよ、と伝えていく感じですかね。ここまでこじれないでさっさと解決してほしい。
(占有回収の訴え)
第二百条 占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。
追記
校則の文言によっては、学校に持ち込まれたスマホを教師が占有することに対して事前に親が承諾している形になっている可能性がある。「スマホを持ってきてはいけない」みたいな文言では、教師が占有することの承諾があったとまでは言えないが、たとえば「校則に反して持ち込まれたものは教諭が預かる」とか書いてあれば、引渡すことに事前の承諾があったと解釈できる。