対価を得る方法
何か価値を生み出してそれに対して対価を得る方法 #マネタイズ 特に会社員の立場しか経験していない人が、雇用以外の対価の得方を思いつかなかったりとか、お金を稼いだ経験のない学生さんが「とりあえず広告を貼ればよいのか?」みたいなアイデアしかなかったりするので、多種多様な対価の得方をカタログにして眺めるのが有益。
製品を売る
所有権を移転してその対価を貰う
物理的な物を作り、それを渡して、対価を貰う
趣味で手芸をして、それをメルカリに出品
ソフトウェアの著作権を移転させ、その対価を貰う
調査レポートを販売する
レポート自体の複製権が買い手に移転し、買い手は自由に再販できる反面、売り手が再販はできないケース
物理的な物を買い、それを高く売る
大袋のお菓子を買い、小分けにして研究室で売る
傘を安く仕入れておき、雨が降った時に駅前で売る
製品を貸して使用させる
使用する権利に対して対価をもらう
物理的なものを貸して使用させ、その対価を得る
「ソフトウェアが稼働しているサーバに接続してそのソフトウェアの機能を一定期間利用する権利」を売る
いわゆるサブスクリプションモデル
特許の利用許諾を行い、対価として特許利用料を得る
調査レポートを販売する
レポートの複製権を売り手が持ち、買い手はライセンス契約の範囲内で使う場合
いわゆる「ライセンス契約」は大部分がこれ。
不動産の賃貸
コワーキングスペースなどで場所を貸して対価を得る
労務に対する対価
雇用契約(給与): 労務者が使用者の労務に服することを約束し、使用者は労務者に報酬を支払う
時給・月給・年俸などがある
通常、使用者に指揮命令権があり、労務者に命令に従う義務がある
請負
請負人が製品の完成を約束し、注文者がその結果に対して報酬を支払う
ソフトウェアの完成を約束する
Proof of Conceptを行いレポートを提出することを約束する
完成を約束しているので:
受けた側から契約破棄をすることはできない。
受けた側に瑕疵担保責任が発生する。瑕疵に対して受注側に明らかな非がなくても、発注側は修正や損害賠償を請求することができる。
事前に「完成」の定義(要件定義)が明確である必要がある。
発注側に指揮命令権はないので、どう仕事を進めるのかは自由。
カメラの得意な人が「これの写真を取ってよ」というリクエストに対して写真を取って渡すことで対価を貰う
準委任(「委任」は弁護士などの法律行為についてのみ使う)
委任者が、行為をなすことを受任者に委託し、受任者がこれを承諾する、これが準委任契約
同時にその準委任に対して対価を貰う契約を結ぶ
請負と違って「完成」というゴールが存在しないので、期間で請求するのが一般的
時間で課金する(ビザスク)
1回のミーティングで代金を頂く
1ヶ月いくらで継続的に契約することもある
月に2回、1時間の会議に出ます、という契約
月に10時間まで相談に乗りますという契約
チャットに参加して、相談ごとに対してベストエフォートでコメントします契約
3回のミーティング中のライブコーディングで実装して対価を得る例
事前に仕様書などを作る必要なくミーティングをしながらソフトウェア開発をするのでおそらく準委任。
製品が有形物でない(コンサルティングとか)の場合はこれになることが多いイメージ
「行為をなした」ことをどうやって証明するのだろう
結局検証できるような成果物を契約するなら請負との違いは何か?
準委任契約で成果物を求めてはいけないようだ。
報告書の納品を約束しているケースは請負契約である
受注者に善管注意義務がある
発注者に指揮命令権はない
成果を求める準委任の例
デザイナなどの専門技能者に対して「作業時間1時間当たりいくら」で準委任契約
「これトレースしてもらえます?」「このページを更新してほしい」などと具体的な成果を求める
毎月、その月の稼働をまとめた請求書が来てそれに支払う
成果を求めているけど、その成果は契約に書かれたものではない
「これやってもらえます?」「無理です」が起こり得る
受け手に完成責任はないから、やっぱ法律上は準委任契約
デザイナが「非デザイナからの雑な相談に答える」という行為を受任している状態。
レベニューシェア
「売上の何%をもらう」という契約
書籍の出版契約では一般的
いわゆる「印税」として売り上げの10%を受け取る
アフィリエイト収入
ブログなどで商品を紹介することで、その商品が売れた時に売り上げの3%を紹介料として受け取る
ソフトウェア開発でも使える
企業間の共同研究だとジョイントベンチャーを作るケースもある
売上を正しく報告しているか確認できるような監査条項を付ける必要がある
お金ではなく物で受け取る
有名なのが「株を買う権利」の形で労働の対価を受け取るストックオプション
支払者に給与を現金で支払うだけの資金力がないケース
現金で受け取ると都合が悪い人が物で受け取るケース
物品や、施設の利用権利、車代などなど
寄付してもらう
投げ銭
ユーザが好きな金額を寄付することができるタイプの課金をしている音楽やゲームが実在する
熱心なファンがいればそういう手もあるのかなぁ
なんらかの公益的な活動をして、そういう活動に寄付をしていますと言いたい企業から寄付を貰う
会費収入
なんらかのコミュニティを運営し、そのコミュニティに居続けるという価値に対して会費を払ってもらう
アイドルのファンクラブ
学会
一般社団法人は会費収入に対して非課税なので学会などがよく一般社団法人になってるのはこれが理由
無償で使わせ、その行為によって派生的に得られるものでマネタイズする
無償でウェブサイトを多数に閲覧させ、そこに広告を貼ることで広告主からお金を得る
AdSense
イベントのスポンサー
無償で使わせるが、何らかのデータを収集し、そのデータを販売することでお金を得る
参考:民法の典型契約(13種)
贈与:相手に対して無償で財産を与える契約。
請負:請負人が仕事を完成することを約し、注文者がその仕事の結果に対する報酬を支払う契約。
交換:当事者が互いに「金銭の所有権以外」の財産権を移転する契約。
売買:当事者の一方の売主が財産権の移転をし、相手方の買主がこれに対して代金を支払う契約。
消費貸借:当事者の一方の借主が、種類、品質及び数量の同じ物をもって返還することを約束して、相手方である貸主から金銭その他のものを受け取ることによって成立する契約。(借主が利息を支払う場合に有償契約となり、無利息の場合に無償契約となる)
賃貸借:当事者の一方が、ある物の使用及び収益をさせる事を約束し、相手方がこれに対して賃金を支払う事を約束することによって成立する契約。
使用貸借:当事者の一方である借主が、ある物を無償で使用・収益した後、返還をすることを約束して、相手方である貸主からそれを受け取ることによって成立する契約。消費貸借との違いは、借りたそのものを返すという点で、賃貸借との違いは、無償であるという点である。
雇用:労務者が使用者の労務に服することを約束し、それに対し使用者は労務者に報酬を支払う契約。
寄託:受寄者が寄託者のために物を保管する契約。
組合:2人以上の当事者が出資し、共同事業を営むことを約す契約。
和解:当事者が互いに譲歩し、当事者間の争いをやめることを約す契約。
終身定期金:特定の人が死亡するまで、定期的に金銭その他のものを相手方または第三者に給付することを約す契約。
委任:一方の当事者である委任者が、法律行為をなすことを相手方である受任者に委託し、受任者がこれを承諾する事によって成立する契約。原則は、片務・無償契約が基本であるが、委任者が受任者に報酬を支払う場合は、双務・有償契約となる。
未整理
給与を貰えない時、会社を作ってそこから請求書を出し、その会社に溜める(自分にその会社から給与を払わない)