失敗を恐れて行動しない選択をする事例
興味深い話なのでまとめておいて後で整理する
新卒5人に手順書を与えて、どう問題解決をするか観察したところ、虚空を見つめて考え、議論を繰り返し、結局45分間も作業を開始しなくて研修企画を止める羽目になった。
新卒入社早々失敗したら行けない、と思ってそう行動したらしい。(それ自体が大きな失敗であることは理解していない)
一部の新卒は行動が改善したが、改善しないまま進捗を出せず追い出された子もいるらしい
nishio 新卒君たちの振る舞いが結果的に大企業病とか老害役員とかに似たものになってるあたり、この種の現象の主要因は会社のサイズや年齢ではなく「失敗が許されないと思っていること」なのだなぁ 僕などは気が短いので最初から自分の意志を伝えてしまうし気長に相手の反応を待ったりしないからなー。だって相手が成長するかどうかは相手の問題であって、僕としては興味ないもの。
会社として後輩や部下を育成しなければならないというミッションがあることはわかるけど、もう最初の数分で自主性に任せてもらちが明かないなら強制した方が早いわってなる。自主性に任せる意義を感じないというか。
思えば会社の中でそういう話になったときはだいたい「会社は学校じゃないんで」っていってるな僕。学校は学ぶ側が金を払うお客さんだから自主性を尊重するけど、会社は会社側が金を払ってるので自主性とかどうでもいいわと思うしねえ。 「会社は学校ではない」は重要なポイント
一方で自主的に仕事の定義をする機会を与えないことには、長期的にはデメリットがある 自分で自分の仕事を定義するスキルを習得する方法は「自主性に任せる」ではない気がする
仕事(に限らず人生の上でのタスク)について、「やりたいこと」とか、「やるべきと要請されること」とか、「やったほうがよいこと」とか、「やる必要に迫られること」とか、様々な行動決定のシチュエーションがあるけど、それらを一括りにして扱われることが多いよね。本当はそれぞれ違う動機なのに。
nishio 新卒君たちに観察者と同じ視点があれば、仮に失敗を避けるメンタリティのままでも「この場で行動しないことはそれ自体が失敗だ」と理解できたはず… つまり「会社は学校ではない。この場で『行動しない』という選択を取るのは失敗だ」ということが事前に伝わっていたのならばメンタリティがどうであるかと無関係に行動したのではないか。
「学生の時と超えるべきラインが違う」「同じままだと思って行動すると『学生気分が抜けない』『会社は学校ではない』と言われる」
実際にはラインが複数になる。学生の時に似た「合格/不合格 ライン」と、経営上で特別扱いをして資源の重点投資をすべきかどうかの判断ライン「有能/無能 ライン」があるのではないか。
前者は「資源を投資しつづけるか、辞めるか」の判断ライン。後者は「資源を集中させるか、させないか」の判断ライン。
平均志向が最悪の環境で見たように、報酬を受ける人が多数派の環境では平均に近づくのが有益な戦略だが、報酬を受け取る人が少数派の環境では、平均から離れるのが有益な戦略となる。これもよく似た構図。 プログラミングが中々上達しない新人の様子を見ていたら、どうやら「どう書くかの正解が分からないプログラムは書けない」らしい。
「正解などないので、自分で答えを考えて書いたらよい。正解がないと書けないのじゃ、コピペ プログラマーにしかなれない」と言ってみたが、効果がなく困っている。
興味深い類似点。