労働時間効率
「働き方」と「豊かさ」の関係。有名な思考実験ですが、一週間働く漁師の漁獲高は、A=毎日8時間、B=毎日目標数だけ、C=穫れる日に沢山働いて後は休むで、C>A>Bの順になる。「ノルマ決めてガンバる」のが最悪、「定時間働く」が次善。企業組織の働き方はそもそも生産性が低いという。
一定時間あたりの収穫量が1〜7だとする。
(A) 毎日25単位時間働く場合
収穫の合計は700
労働時間の合計は175
単位時間あたりの収穫効率は4.0
(B) 毎日100収穫をノルマとして働く場合
それぞれの日の労働時間(単位未満は切り上げ)
array([100., 50., 34., 25., 20., 17., 15.])
合計労働時間は261
収穫の合計は700
(A)と変わらない
単位時間あたりの収穫効率は2.68
(A) > (B)
(C) 獲れるときにたくさん働く
(B)で、最大100単位時間働いているので同じ時間を最良の効率の日に働いたとする
それぞれの日の労働時間(単位未満は切り上げ)
array([0., 0., 0., 0., 0., 0., 100.])
合計労働時間は100
収穫の合計は700
(A)(B)と変わらない
単位時間あたりの収穫効率は7.0
(C) > (A) > (B)
(C2) 獲れるときにたくさん働く、その2
「とはいえ、最良の効率のときだけ働くなんてできないじゃん」という意見を想定
毎日20単位時間働いて、調子がよかったら30時間まで延長する
「25単位働く」が10時間労働のイメージ。
「20単位働いて調子が良ければ30単位」は「8時間働いて、調子が良ければ4時間残業」のイメージ
「調子が良い」は「単位時間あたりの収穫が4より大きい」とする。20単位働いている間に確認できる。
20単位時間の収穫
array([ 20, 40, 60, 80, 100, 120, 140])
合計560
残業時間の収穫
array([ 0, 0, 0, 0, 50, 60, 70])
合計180
収穫合計740
合計労働時間は170
収穫効率は4.35
(C) > (C2) > (A) > (B)
(C3) 獲れるときにたくさん働く、その3
もっと労働時間の変動を大きくしてみる
「午前に2時間働いてみて調子が悪ければ半休を取る」イメージ
毎日5単位時間働いて、調子がよかったら25時間働らく
5単位時間の収穫
array([ 5, 10, 15, 20, 25, 30, 35])
合計140
調子の良い日の追加20時間の収穫
array([ 0, 0, 0, 0, 100, 120, 140])
合計360
収穫合計 500
労働時間合計 95
収穫効率 5.26
(C) > (C3) > (C2) > (A) > (B)
まとめ
単位時間あたりの収穫量が変動する状況
働き方をするかによって単位労働時間あたりの収穫量が変わる
(C) > (C3) > (C2) > (A) > (B)
(B)「一定収穫量に達するまで働らく」が最悪
単位時間あたりの収穫量が低いときに集中的に働くことになるから
(A)「一定時間を働く」が次に悪い
(C)「単位時間あたりの収穫量が高いときに集中して働く」が最も効率が良い
ただし、現実的にそれができるか疑問を持つ人も多かろう
(C2)「調子のいいときに残業をし、調子の悪い日は定時で上がる」は(A)よりまし
(C3)「調子の悪いときには午後半休をとり、調子のいいときに残業をする」が(C)の次に良い