公開オフィスアワー2023-05-30
2023-05-30 16:00~17:00 yodayoda
イスラエル:留学、起業に影響
スタートアップ:人口一人当たりの数が世界一。”Startup Naion”と呼ばれる。
軍からのスピンアウト:才能の発見、実践トレーニング、インキュベート機能を軍が果たしている。軍のつながりは強く起業仲間探しとしても最適。
セキュリティが強い
8200部隊があるからですかね?nishio.icon←8200部隊はあくまで一部ですがそうです。
サイバー企業を生み出すイスラエル国防軍の「8200部隊」とは? | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
8200部隊 - Wikipedia
軍事技術のなかにラディカルなスタートアップの種があるという気づき。探した。
トマホークミサイルの「ピンポイント爆撃」をおこなう仕組み
事前に取得した衛星データとトマホーク自身が搭載しているカメラやセンサーで取得する観測情報とをマッチングして、CEP(Circular Error Probability)を上げる。
これをドローンに応用して、ビルなどの「ピンポイント配送」に使えるだろう、というのが最初の着想
GPSで精度では足りないはず、上下方向情報も、ドローン実用社会には必要になると予測
論文の話
ピンポイント≒点が取れるならば、線も引ける。
ドローン飛行ルートの設計に使えるのではないか。
事前も現在も取得するのは3次元データ。
事業を「ドローン自動飛行用の地図」と設定し開始。資金調達たまたまうまくいった。
ただ、ドローンの広がりは予想より大幅に鈍化。都市部で見込んでいた利用はほぼないため方向転換。
「自動運転車のための地図」にピボット
市場を考えるとアメリカ展開が必須。会社の組成を変え、サンフランシスコ本社アメリカ法人に。
さらに失敗。敗因二つ。
1.アメリカでの人的ネットワーク構築(営業力)がハードル
インナーサークルに入らないとセールスのアポ取りすらできない
アメリカにおける社会資本を積み上げる必要がある
2.技術力。アメリカのなかでもかなり強い連中が集まる。現地在住歴の長いスタートアップ案内人のような人に「あなたのやろうとしてることはスーパーボール(アメフト)の試合を見て、自分もそこに入ろうかと言っているようなこと。背骨折れる音が聞こえる」と言われる。遠く外れてはなかった。
Waymo ウェイモ - Wikipedia
Alphabet傘下の自動運転車開発企業。2016年12月13日にGoogleの自動運転車開発部門が分社化して誕生した
Google Mapチーム出身者が中心メンバー。自動運転技術においても地図はきわめて重要。
人間のためのストリートビューサービスへ現在移行
OpenStreetMap : Mapbox : GoogleMap
なぜMapboxはユニコーンになることができたか
GoogleMapのAPIが高い
マップのデザインの多様化
Googleが個別の会社にとって使いやすくしようとしていない
たぶんGoogleの中には個別の小さな会社の多様なニーズを満たすことをやっても評価されにくくて大きな商いにフォーカスする傾向があるのだろう
Googleがロングテールを切り捨ててるので、切り捨てられたロングテールの部分に他の企業がユニコーンになる機会が埋もれている
GCPもそうだがGoogleは基本的に殿様ドヤビジネスで、Customer orientedな構えではない。
長期的に言語データから環境データへと進むか
現状、言語データを使ってLLMが進化したのは、言語データが「集めやすい」からに過ぎない
画像生成AIの学習データ、テキストと画像の対応づけのデータが必要だった
ベースになるのはインターネット上をクロールして集めたimgタグとそのALTテキストのデータ
正直ゴミの山だが、それでもStable Diffusionが画像を生成できるまでに至った
その後、そのリリースを見てNovelAIが「人間がイラストにマメにタグ付けをしているサイト」であるDanbouruのデータで追加学習をしたことで、イラストの生成に関しての「イラストのファンの主観的な評価」が跳ね上がった
取りやすいデータから取っていって、いずれ「もっと取りにくいデータ」が必要になる
その需要が跳ね上がるタイミングは予想できない
Mapboxのデータはどこから?
OSMベース
データの塊に過ぎなくて使いやすさやデザインがない
結局OSMもGoogleMapも、満たされていない顧客をよく観察して「顧客が本当に求めているもの」を特定することをしていなかった
Mapillaryは?
民間企業
ユーザがStreetViewを作れるようにしたことでユーザがデータを投稿する
Metaに買収された
オペレーションのノウハウ
データが必要になった時に「データを取ることだけをやる主体」と「ビジネスをやってるとついでにデータが取れる主体」とではデータのコストに大きな差が出る
大勢の人を使ってデータを集めることは、その大勢の人の教育がボトルネックになる。
どういう仕組みや教育をすれば、専門知識のない人々がデータを集められるようになるか、のオペレーションの知識に価値が出る
長期的にビジネスをやりながらその知識をブラッシュアップできると、差別化要因になりそう
今見えている需要を満たして収益を上げて、組織が長期的に維持できるようにした上で、余剰でハイリスクハイリターンな投資をする戦略は納得感がある
バーベル戦略
大量のデータ、ストレージ課金が問題?
それはできる範囲で…
巨大な動画や写真のデータ自体が差別化の要因になるかどうかは考えた方がよい
NovelAIの事例において大きなインパクトを生み出したDanbouruのデータは「少量の、ただしよくタグづけされたデータ」だった
動画や写真のデータ単体ではなく、それと別の情報との対応づけのデータに価値が生まれる可能性がある
自分が「貯めたデータを全部脳内に入れられる超人」だとした場合に、何と何の対応づけがあったらそれぞれの具体的な仕事が楽になるのか、を考えると良いかも