人の信仰を必要とする神
asakawakoushi 『御成敗式目』第一条にいわく「神︀は人の敬いに依って威を増し、人は神︀の徳に依って運を添う」と。徳のない神は敬うに足らずというのが中世日本人の認識。 gpt.icon天満宮(てんまんぐう)は、日本で学問の神様として広く知られる菅原道真(すがわらのみちざね)を祀る神社です。菅原道真は学問や政治で活躍した貴族で、その後、冤罪による左遷と死後に災厄が相次いだことから「怨霊」として恐れられるようになりました。そのため、彼の怒りを鎮め、敬うために天満宮が建てられ、道真は「天神」として崇敬されるようになりました。 天満宮の背景には、日本独特の神観念があり、「神」は人々の信仰や敬意によってその威厳や力を増すと考えられています。道真の場合も、彼の霊が害を及ぼすことを避けるために神として祀られ、その後は学問の神としても敬われるようになりました。神の存在が人々の信仰に依存して成立しているという考え方が、天満宮の信仰にも表れています。 この考え方は、信仰を必要とせず存在する一神教の「唯一絶対の神」とは異なり、人の祈りや敬意が神の力を決定するという、日本の神道の信仰の特徴をよく示しています。