主語省略
「主語が省略される」という表現には「存在しているのに、省略されて表出されていない」という暗黙の仮定があるが、それは主語を伴う言語の文化圏から見た解釈である。
数学という言語で書かれる主張
$ \forall x(P(x)→Q(x))
は「すべての $ 𝑥について、もし $ P(x)ならば $ Q(x) である」という意味だ。
この主張の$ xは単なる変数であって深い意味はない。
日本語においてはこれを$ P(\cdot)→Q(\cdot)のように表現することがしばしばある
貧すれば窮す
急がば回れ
draft
場所
ものではなく場所が主題になるパターン
火の無い所に煙は立たない
"Where there's smoke, there's fire."
笑う門には福来たる
When the cat's away, the mice will play.
鬼の居ぬ間に洗濯
miceに相当する単語が日本語側にはない
If it ain't broke, don't fix it.
壊れていないなら修理するな
英語側はitを主語として明示しているが、日本語側にはない
An apple a day keeps the doctor away.
毎日リンゴを食べれば、医者にかかることがない(健康でいられる)。
英語ではリンゴが主語になっている。
日本語では「もしあなたが毎日リンゴを食べれば」の「あなた」が省略されている。
Actions speak louder than words.
不言実行
As you sow, so shall you reap.
"You reap what you sow." (Galatians 6:7)
どちらもyouが主語だが、日本語で「蒔いた種は刈り取らなければならない」とする場合、主語は種
"Ask, and it shall be given you; seek, and ye shall find; knock, and it shall be opened unto you." (Matthew 7:7)
これはitやye(you)が主語
日本語で「求めれば与えられ、探せば見つかり、叩けば(扉が)開かれる。」とするときitやyeに相当する単語は表出されない
"Do unto others as you would have them do unto you."
自分がしてほしいことを他人にもするべきである
命令文における主語省略
もしかして英語では主語省略によって命令を表現するがゆえに、仮変数であることが理由の主語省略ができないのか?
日本語では語尾で命令形にできる