世界竹
だがたぶんそれが生えている大地はほぼ竹に侵略されていて、また世界竹の中は巨大な迷宮になっているだろうし、その周囲ではバンブーエルフが竹を組んで竹上都市を築いて一代国家を築いている筈だろうと妄想する。
uyumakusa 地下ではバンブードワーフが地下茎に沿って坑道を竹で築き巨大な地下都市を築いている。バンブーエルフとはお互い世界竹を必要とする為にいざこざは絶えないが、世界竹の中の迷宮から這い出てくる脅威には共に立ち向かう姿勢はある。 uyumakusa なお世界竹の大自然を支配するのはバンブーパンダで聖獣と崇められる。また世界竹の上空を猛禽類をはじめとする鳥や、飛翔する虫、滑空する哺乳類、竜種やその亜種が互いに生存圏を賭けて厳しい競争をしている。 uyumakusa 最近は外から流れてきた”神の息吹”を信仰するミント人なる存在が棲み付き、宗教とミントによって徐々に勢力を伸ばし始めているといわれている。また同じく海を越えてやって来た”葛族”なる武装勢力もバンブーワールドに覇を唱えようと侵略した土地に葛を植えて侵攻を開始している。 uyumakusa 更に周辺海域では”ワカメ・パイレーツ”なる男女問わず髪を伸ばす武装商船の一団が支配を企みバンブーワールドの海岸にある港を襲っている。支配下に置かれた港は彼らのマークであるワカメが飾られてしまうという。 uyumakusa バンブーエルフとバンブードワーフの共闘によりこれらの脅威に充分に立ち向かえてはいるものの、いつこのパワーバランスが崩れるかは神でさえも予想出来ないだろうと言われている。最近の大事件『世界竹爆竹計画』でバンブーエルフの都市が半壊しかねない陰謀があり、辛くも冒険者達によって防がれた。 uyumakusa ただバンブーエルフの一部の貴族やバンブードワーフの過激派には他所の国外勢力と秘密裏に手を結んでおり、世界竹を護る役目を忘れ己の利益にはしろうとしている者も少なくはない。この状況下で世界竹の迷宮の奥底に封印された魔王の復活の話もあり、その対処への意見が真っ二つに割れてしまっている。 uyumakusa また他所の勢力の数の多さにもとより数が然程多く無いバンブーエルフとバンブードワーフの総力では防戦が精一杯になりつつあるが、そこで重用されるのが先の陰謀を打ち砕いた冒険者達の存在である。傭兵代わりに戦役についたり、各拠点の防衛、迷宮の怪物退治や攻略、魔王復活の阻止など働き口は多い。 uyumakusa なおバンブーエルフの王にして先代勇者でもある『バンブーハンターの翁』は冒険者に対し種族偏見を持たずに歓迎する姿勢を示している。これは魔王復活の予言『世界竹の開花』の不吉なそれを独自の呪術式で成就させようとした”神の息吹”ミント人の過激派の目論見をいち早く見抜いた冒険者がいたからだ。 uyumakusa また地下のバンブードワーフ大母王『竹根守の嫗(おうな)』も動揺に、新参者を嫌う頭の硬い長老衆とは違って冒険者の活躍を認めている。これには可愛い孫姫達を葛族による誘拐から居合わせた冒険者達が守った事があるからだ。冒険者組織を設置し公的な仕事であると彼等冒険者を支援しているのも彼女だ。 uyumakusa 冒険者はもともとひっそりと暮らしていた少数の人間種族、バンブーエルフやバンブードワーフの特権種族意識になじめなかったはぐれ者達、外から来た流れ者達が多い。また竹の迷宮内に住まう理知的種族”バンブーアント”族の変わり者も、冒険者になって活動していることがある。今や彼等は欠かせない。 uyumakusa バンブーアントは一見巨大なアリの怪物の類と思われがちだが、独自の言語と文化を持ち、見た目以上に精神的に落ち着いた種族である。特に思考が得意で手先が器用な貴種と何事にも動じず肉体的に丈夫で頑丈な労種と二つの役割的な違いを持つ。竹の中の迷宮を熟知しており、探索や案内にはうってつけだ。 uyumakusa 世界竹の周囲や内部はかつて繁栄した古代黄金王国の名残があり、特に古代から生えている黄金色の世界竹の各部には外側や内部に遺跡が喰い込んでいたりする。上に行くほど特権階級がいたと思わしき遺跡群があり、多くの者が一攫千金を夢見て探索をする。しかし遺跡には古代の怪物や守護者が跋扈する。 uyumakusa 基本的には世界竹の若い小さい(と言っても住居になるほどの大きさにはなる)竹に集落を作り生活している。中央に座する黄金世界竹から見た方角と、住んでいる竹の特徴を組み合わせたものが集落の名前、また一族の氏名にもなっている事が多い。ただしそういった竹に住めない野に住む放浪者も多くいる。 uyumakusa 途中で枯れて倒れてしまった小さめの世界竹を別の場所で加工して長屋のようにして生活する者もいる。そういった住居がある集落は竹が育ちにくい土地によく見受けられ、特に貧しい者達に安価な住居として提供されている。ただバンブーエルフにとってはそういった住居を縁起が悪いものとして忌み嫌う。 uyumakusa 地下茎地帯のバンブードワーフ領域より下にも地下空間は存在する。古代黄金王国が最終戦争なる天変地異で沈んだ際に生じた巨大空間領域で、そこには古代王国人の末裔と寄生キノコと融合を果たした知的生命体が国を形成しひっそりと生活している。彼等は天変地異の後に大陸を覆った竹を忌み嫌っている。 uyumakusa 彼等は古代黄金王国時代にあったマッシュマウンテンなる神々の山を聖地とする独自信仰があり、一説には山の上において最終戦争で斃れた神々の遺体から世界竹を割る魔王が生まれたとされ、地上の住民からは魔王を崇める危険な集団として恐れられている。だが実際の所、彼等は逆に魔王を最も憎んでいる。 uyumakusa 彼等の伝承には黄金王国から空を奪った巨大な悪の存在として必ずや討つべしと長い地下生活の中で己を鍛え続けている。得物を携えキノコの傘をかぶり仄かに光る眼をした彼等は、一騎当千の猛者であり、不用意に喧嘩を吹っかけてはならない。これは冒険者の中では早いうちに教えられる常識となっている。 uyumakusa しかし彼等は光に過敏であり、地上に出向くことは滅多にない。稀に光にある程度耐性を付けた者もいるらしく、冒険者として活躍する者もいる。唯一のバンブーアントと友好を結んでいる為、バンブーアントの集落に用心棒として生活している姿も見られる。なおバンブーアント達は彼等をジンガサと呼ぶ。 uyumakusa バンブーワールドにおける日用品をはじめ武具などに用いる素材の大半は世界竹などの巨大種から取れる竹であるが、その強度は金属に匹敵するほどであり、しかし加工は決して難しくないという利点を持つ。良い竹ほど高額になる為、安価な日用品は大抵は小さい竹や枯れた竹を用いる。それでも充分丈夫だ。 uyumakusa 冒険者達の一般的な装備品の素材も無論、世界竹から連なる竹の素材を用いた物であり、武器から防具まで竹素材で出来ている事は常識とさえ言われる。金属製品もある事はあるが、生産量が少なく貴重であり、竹ほど加工が容易でない為に敬遠されがちだ。バンブードワーフのみは金属を加工する技術を持つ。 uyumakusa 世界竹自体が地下の金属を吸い上げて強く伸びる為、そういった竹は通常の竹素材を何倍も超越している。バンブーエルフやバンブードワーフ、バンブーアントはこういった貴重な金属成分を含んだ竹素材を発見する術に長けており、それを用いた日用品や武具を取り揃えている事が多く、そして裕福である。 uyumakusa 育ちが悪く枯れ安価な銅色の通常竹に比べ、光沢をたたえ鑑似た輝きと呪術的な効力を持つ銀鏡色の竹、しなやかさと頑丈さで金属を遥かに越える黄金色貴竹、バンブードワーフのみが知る特殊な加工で出来上がる純白銀色竹と素材ランクが分かれており、上に行くにつれ武具としての性能は跳ね上がっていく。 uyumakusa バンブーアントとバンブードワーフの職人は武具作りに特に長けており、バンブーエルフは日用品や装飾品、また竹やその葉を用いたお茶や薬の加工に長けている。人は竹の繊維を用いた紙の生産技術に長けており、世界竹はバンブーワールドに住まう者達に日々の糧を与えていると言っても過言ではないのだ。 uyumakusa 世界竹素材を用いた武器は金属のそれと遜色なく使用に充分耐える。錆びる事もなく軽量なので扱いやすい。冒険者にとっては竹素材が最低ランクの銅だとしても、安定して入手できて扱えるのが魅力。また軽量故に予備武器も持てるのがまた良い。そこそこの訓練があれば緊急時の武器を自作出来るのも強み。 uyumakusa バンブーエルフの基本装備は竹の弓矢、竹の手槍、竹のナイフ。基本的に竹以外の素材を極力押さえて軽量さを維持しつつ見た目を綺麗に飾る。バンブードワーフは竹素材を軸に他の岩石や金属素材を組み合わせて重量を増した武器にする。なのでバンブーエルフの美意識としては嫌がられるが、威力は上だ。 uyumakusa 身につける防具も竹繊維を布状にして、その上に小さな竹片を編みこんだ軽量竹鎧もある。無論、竹を縦に割ったものを追加装甲として張り付け全身鎧にする事で、斬り、突き、打撃に対して更なる防御を得る事も可能である。バンブードワーフはそこに獣の皮を更に着込んで隙間をカバーする。ただし臭い。 uyumakusa また竹を用いた水筒は便利であり、携帯用の飲料水をはじめとして、薬品を入れたり、保存食を詰めたりと万能。竹の香りが特に良い。冒険者にとってはとても便利な逸品である。バンブードワーフはその中に爆発性の高い薬品を詰めて爆竹筒にするのだが、バンブーエルフはそれを竹に対する蛮行と忌み嫌う。 uyumakusa 竹上都市はバンブーエルフの特権領域ではあるが、その建築風景はほぼ竹のみで構成されており、銀素材色の銀鏡竹、金素材の貴黄金竹を贅沢に装飾へ費やす。簡素ながらその様子は天上の神話を髣髴させる美しさで、雨や霧の日は幻想的である。ただし空からの脅威はあるので防衛用の巨大竹射出装置もある。 uyumakusa 特に世界竹上空を我が者顔で飛び周り竹上都市を襲う竜種に対しては、金色素材級世界竹の素材を使った射出専用巨大世界竹槍『グングタケ』の一撃がかなり有効。半端な竜種やその亜種は自慢の鱗を切先に易々と突破されその一撃に刺し貫かれる。ただし一度使うと再装填にかなり時間がかかり連射が難しい。 uyumakusa 世界竹の地下茎はバンブードワーフの領域である。地下茎に沿った坑道に竹のレールを用いたトロッコ竹道があり、有料で広大な地下を運んでくれる。ただし地下は地下で地下茎を食い荒らす巨大昆虫が現れるため、のんびりした旅気分にはなれない。また竹の成長で路線が変わる事もしばしばあるのである。 uyumakusa 主要な場所こそは変化が少ないが竹道路線図は毎日刷新されてしまう。料金は距離に応じての為、同じ場所でも竹の成長による変化によっては安くなったり高くなったりと常に頭の痛い問題である。とはいえ、少なくとも地上を行くよりは速さと多くの荷物を輸送出来るので利用者が絶える事は早々ないだろう。 uyumakusa バンブードワーフの地下トロッコ竹道が利用されるのは、地上は基本鬱蒼とした藪と世界竹の若い竹で繁茂しており、徒歩での移動はかなり難しい。竹上都市を経由する手段もあるが、そこはバンブーエルフの特権に触れるため簡単に気軽にとはいかず、利用出来る者は少ない。地上の旅は難しいのである。 uyumakusa だが完全に旅は難しいかとも言い切れない。聖獣パンダと契約を交わし騎乗し、藪を悠々と進む事は可能で、丈夫な竹を用いた特殊な移動手段”竹馬”を用いれば茂みや足元の悪い場所も進む事は可能だ。特に熟練の者は竹馬を用いて荷物を背負いながら何も無い地上の如く、風の様に走るように移動出来るのだ。 uyumakusa 冒険者達の一般的な装備品の素材も無論、世界竹から連なる竹の素材を用いた物であり、武器から防具まで竹素材で出来ている事は常識とさえ言われる。金属製品もある事はあるが、生産量が少なく貴重であり、竹ほど加工が容易でない為に敬遠されがちだ。バンブードワーフのみは金属を加工する技術を持つ。 uyumakusa 世界竹自体が地下の金属を吸い上げて強く伸びる為、そういった竹は通常の竹素材を何倍も超越している。バンブーエルフやバンブードワーフ、バンブーアントはこういった貴重な金属成分を含んだ竹素材を発見する術に長けており、それを用いた日用品や武具を取り揃えている事が多く、そして裕福である。 uyumakusa 育ちが悪く枯れ安価な銅色の通常竹に比べ、光沢をたたえ鑑似た輝きと呪術的な効力を持つ銀鏡色の竹、しなやかさと頑丈さで金属を遥かに越える黄金色貴竹、バンブードワーフのみが知る特殊な加工で出来上がる純白銀色竹と素材ランクが分かれており、上に行くにつれ武具としての性能は跳ね上がっていく。 uyumakusa バンブーアントとバンブードワーフの職人は武具作りに特に長けており、バンブーエルフは日用品や装飾品、また竹やその葉を用いたお茶や薬の加工に長けている。人は竹の繊維を用いた紙の生産技術に長けており、世界竹はバンブーワールドに住まう者達に日々の糧を与えていると言っても過言ではないのだ。 uyumakusa 世界竹素材を用いた武器は金属のそれと遜色なく使用に充分耐える。錆びる事もなく軽量なので扱いやすい。冒険者にとっては竹素材が最低ランクの銅だとしても、安定して入手できて扱えるのが魅力。また軽量故に予備武器も持てるのがまた良い。そこそこの訓練があれば緊急時の武器を自作出来るのも強み。 uyumakusa バンブーエルフの基本装備は竹の弓矢、竹の手槍、竹のナイフ。基本的に竹以外の素材を極力押さえて軽量さを維持しつつ見た目を綺麗に飾る。バンブードワーフは竹素材を軸に他の岩石や金属素材を組み合わせて重量を増した武器にする。なのでバンブーエルフの美意識としては嫌がられるが、威力は上だ。 uyumakusa 身につける防具も竹繊維を布状にして、その上に小さな竹片を編みこんだ軽量竹鎧もある。無論、竹を縦に割ったものを追加装甲として張り付け全身鎧にする事で、斬り、突き、打撃に対して更なる防御を得る事も可能である。バンブードワーフはそこに獣の皮を更に着込んで隙間をカバーする。ただし臭い。 uyumakusa また竹を用いた水筒は便利であり、携帯用の飲料水をはじめとして、薬品を入れたり、保存食を詰めたりと万能。竹の香りが特に良い。冒険者にとってはとても便利な逸品である。バンブードワーフはその中に爆発性の高い薬品を詰めて爆竹筒にするのだが、バンブーエルフはそれを竹に対する蛮行と忌み嫌う。 uyumakusa 竹上都市はバンブーエルフの特権領域ではあるが、その建築風景はほぼ竹のみで構成されており、銀素材色の銀鏡竹、金素材の貴黄金竹を贅沢に装飾へ費やす。簡素ながらその様子は天上の神話を髣髴させる美しさで、雨や霧の日は幻想的である。ただし空からの脅威はあるので防衛用の巨大竹射出装置もある。 uyumakusa 特に世界竹上空を我が者顔で飛び周り竹上都市を襲う竜種に対しては、金色素材級世界竹の素材を使った射出専用巨大世界竹槍『グングタケ』の一撃がかなり有効。半端な竜種やその亜種は自慢の鱗を切先に易々と突破されその一撃に刺し貫かれる。ただし一度使うと再装填にかなり時間がかかり連射が難しい。 uyumakusa 世界竹の地下茎はバンブードワーフの領域である。地下茎に沿った坑道に竹のレールを用いたトロッコ竹道があり、有料で広大な地下を運んでくれる。ただし地下は地下で地下茎を食い荒らす巨大昆虫が現れるため、のんびりした旅気分にはなれない。また竹の成長で路線が変わる事もしばしばあるのである。 uyumakusa 主要な場所こそは変化が少ないが竹道路線図は毎日刷新されてしまう。料金は距離に応じての為、同じ場所でも竹の成長による変化によっては安くなったり高くなったりと常に頭の痛い問題である。とはいえ、少なくとも地上を行くよりは速さと多くの荷物を輸送出来るので利用者が絶える事は早々ないだろう。 uyumakusa バンブードワーフの地下トロッコ竹道が利用されるのは、地上は基本鬱蒼とした藪と世界竹の若い竹で繁茂しており、徒歩での移動はかなり難しい。竹上都市を経由する手段もあるが、そこはバンブーエルフの特権に触れるため簡単に気軽にとはいかず、利用出来る者は少ない。地上の旅は難しいのである。 uyumakusa だが完全に旅は難しいかとも言い切れない。聖獣パンダと契約を交わし騎乗し、藪を悠々と進む事は可能で、丈夫な竹を用いた特殊な移動手段”竹馬”を用いれば茂みや足元の悪い場所も進む事は可能だ。特に熟練の者は竹馬を用いて荷物を背負いながら何も無い地上の如く、風の様に走るように移動出来るのだ。 uyumakusa 特に少ない人の種は幼い頃から竹馬の技を仕込まれる。遊びや生活の中で身につくよう教育を施される。また同時に竹の扱いや加工も学ぶのである。竹馬を用いた仕事や競技もあり、竹上都市や地下茎を利用出来ない者は成人するまでに竹馬を見事に使いこなせるようになる事が生きる上で必須となるのである。 uyumakusa なおバンブーアントは世界竹内部を自由に行き来する手段、そして当然適した体のつくりをしている為、そういった不自由さは彼等の中にはない。最も、長距離を移動する事は稀であり、基本生まれた巣から離れる事は滅多にない。最もそういった適性を活かして竹上領域の運び屋として金銭を稼ぐ者もいる。 uyumakusa またキノコとの人の融合生命であるジンガサは長年の地下生活から得た経験と知識で、独自の移動ルートを半ば勘で知っており、神出鬼没の移動を行える。元より光に弱くそれから早く隠れるために備わった本能とも言われるが、これを戦闘に用いて奇襲を行ったりとその戦闘能力の強さに拍車をかけている。 uyumakusa なお外からやってきた者にとって、バンブーワールドの大陸は一見すると未開地にしか見えない。上陸して僅かな荒野の後には巨大な竹藪だらけの地形となる為だ。しかし夜になり世界竹の方を見れば竹上都市の放つ篝火が見え、地下からはトロッコ竹道の音が聞こえたりと単純な未開地ではない事を知るのだ。 細めでしなやかで引き締まった肉体をしており、まるで竹の如く美しいと讃えられる。瞬時に高い所に陣取り、相手を翻弄する技に長けており、罠と組み合わせた場合は如何なる相手も敵わないとされる。反面、気位が高い所を逆手に取られ挑発や侮辱には他の種族よりも何十倍にも反応する。
地下の狭い場所に生きる為か縦横がほぼ変わらない四角い体格。ただし筋肉質で頑丈。瞬発力にも優れる。生命力に溢れ精神的にもタフ。ただし一族の名誉を非情に重んじており、一度侮辱されれば一族総出で決着をつけるまで争いをやめない頑固者。酒を非常に好み、酔い歌いとても騒ぐ。
竹上都市にも地下茎都市にも所属しない、基本荒野か藪に生きる体格的には中肉中背の存在。バンブーエルフやバンブードワーフのような強みが少なく、厳しい大自然の中で協力し合い何とか生きている。基本争いを好まず静かに暮らす。しかし時に強い好奇心があり世界に飛び出す若者もいる。
世界竹の中で独自の文化を築く大きい蟻。手先が器用で理知的な貴種、肉体的に優れ頑丈な肉体と何事にも動じない精神性を持つ働種の二種がいて、それぞれ役目を持って生活を維持している。世界竹の中にある迷宮に詳しく、案内人や荷物持ち、中には迷宮探索を生業にする者もいるという。
地下茎領域よりも深い場所にある巨大な地下暗黒空間に住むキノコと古代王国人の融合した生命体。基本光に弱い。己の種を示す茸の傘を被り、鍛錬に余念がない求道者。世界竹に封印された魔王の復活を阻止し討伐する事が一族の悲願。光に耐性を持つ者はバンブーアントの里で用心棒をしている。
バンブーワールドでは何でも屋を示す職業。世界竹の迷宮を探索する者が本来の意味でもあるが、昨今では重要施設の予備の警備、他所からの脅威の戦争での傭兵と幅広い。肉体労働人としても活躍する。一攫千金を夢見たり、住む場所や種族の掟などに馴染めなかったりする各種族の若者が特に多い。
バンブーワールドの中心にして大陸の中央に点を目指す勢いで伸び続けている巨大な竹。美しき七色に輝き、内部は巨大な古代黄金王国の迷宮が取り込まれ埋もれており、冒険者が出入りする。また節々の枝や外周にはバンブーエルフの竹上都市の王国が栄えている。周囲の海からでも見える大きさだ。
最近バンブーワールドに訪れた外の世界の宗教団体。美しき緑色の瞳と透き通るような声、纏う香りで新たな信者を獲得している。またミントを用いた薬草で貧しい者を救い人気を集めている。だが世界竹を宗教で掌握し神の支配下として植民地化を企んでいる恐ろしい集団だ。
他所の地方からやって来た荒々しい武装集団。健康的な肉体美を好み、凶悪な武器を携え防具を身に付けず最低限の衣だけで獣に乗り、バンブーワールドに来てからは集団で里や村を暴力を以って襲い、次々と支配下に置いている。竹を焼き払い葛を植える事で領地である事を主張する。
遠方から訪れた海賊集団。瑞々しく黒く美しい長い髪を誇りとして手入れし芸術のように飾るのが彼等のお洒落。バンブーワールドの世界竹の迷宮の財宝を知り、各地の港を荒らして支配下に置く。トレードマークのワカメを飾って支配下である事を主張する。高い所にいる奴が大嫌い。
uyumakusa 更に周辺海域では”ワカメ・パイレーツ”なる男女問わず髪を伸ばす武装商船の一団が支配を企みバンブーワールドの海岸にある港を襲っている。支配下に置かれた港は彼らのマークであるワカメが飾られてしまうという。 uyumakusa バンブーエルフとバンブードワーフの共闘によりこれらの脅威に充分に立ち向かえてはいるものの、いつこのパワーバランスが崩れるかは神でさえも予想出来ないだろうと言われている。最近の大事件『世界竹爆竹計画』でバンブーエルフの都市が半壊しかねない陰謀があり、辛くも冒険者達によって防がれた。 uyumakusa ただバンブーエルフの一部の貴族やバンブードワーフの過激派には他所の国外勢力と秘密裏に手を結んでおり、世界竹を護る役目を忘れ己の利益にはしろうとしている者も少なくはない。この状況下で世界竹の迷宮の奥底に封印された魔王の復活の話もあり、その対処への意見が真っ二つに割れてしまっている。 uyumakusa また他所の勢力の数の多さにもとより数が然程多く無いバンブーエルフとバンブードワーフの総力では防戦が精一杯になりつつあるが、そこで重用されるのが先の陰謀を打ち砕いた冒険者達の存在である。傭兵代わりに戦役についたり、各拠点の防衛、迷宮の怪物退治や攻略、魔王復活の阻止など働き口は多い。 uyumakusa なおバンブーエルフの王にして先代勇者でもある『バンブーハンターの翁』は冒険者に対し種族偏見を持たずに歓迎する姿勢を示している。これは魔王復活の予言『世界竹の開花』の不吉なそれを独自の呪術式で成就させようとした”神の息吹”ミント人の過激派の目論見をいち早く見抜いた冒険者がいたからだ。 uyumakusa また地下のバンブードワーフ大母王『竹根守の嫗(おうな)』も動揺に、新参者を嫌う頭の硬い長老衆とは違って冒険者の活躍を認めている。これには可愛い孫姫達を葛族による誘拐から居合わせた冒険者達が守った事があるからだ。冒険者組織を設置し公的な仕事であると彼等冒険者を支援しているのも彼女だ。 uyumakusa 冒険者はもともとひっそりと暮らしていた少数の人間種族、バンブーエルフやバンブードワーフの特権種族意識になじめなかったはぐれ者達、外から来た流れ者達が多い。また竹の迷宮内に住まう理知的種族”バンブーアント”族の変わり者も、冒険者になって活動していることがある。今や彼等は欠かせない。 uyumakusa バンブーアントは一見巨大なアリの怪物の類と思われがちだが、独自の言語と文化を持ち、見た目以上に精神的に落ち着いた種族である。特に思考が得意で手先が器用な貴種と何事にも動じず肉体的に丈夫で頑丈な労種と二つの役割的な違いを持つ。竹の中の迷宮を熟知しており、探索や案内にはうってつけだ。 uyumakusa 世界竹の周囲や内部はかつて繁栄した古代黄金王国の名残があり、特に古代から生えている黄金色の世界竹の各部には外側や内部に遺跡が喰い込んでいたりする。上に行くほど特権階級がいたと思わしき遺跡群があり、多くの者が一攫千金を夢見て探索をする。しかし遺跡には古代の怪物や守護者が跋扈する。 uyumakusa 基本的には世界竹の若い小さい(と言っても住居になるほどの大きさにはなる)竹に集落を作り生活している。中央に座する黄金世界竹から見た方角と、住んでいる竹の特徴を組み合わせたものが集落の名前、また一族の氏名にもなっている事が多い。ただしそういった竹に住めない野に住む放浪者も多くいる。 uyumakusa 途中で枯れて倒れてしまった小さめの世界竹を別の場所で加工して長屋のようにして生活する者もいる。そういった住居がある集落は竹が育ちにくい土地によく見受けられ、特に貧しい者達に安価な住居として提供されている。ただバンブーエルフにとってはそういった住居を縁起が悪いものとして忌み嫌う。 uyumakusa 地下茎地帯のバンブードワーフ領域より下にも地下空間は存在する。古代黄金王国が最終戦争なる天変地異で沈んだ際に生じた巨大空間領域で、そこには古代王国人の末裔と寄生キノコと融合を果たした知的生命体が国を形成しひっそりと生活している。彼等は天変地異の後に大陸を覆った竹を忌み嫌っている。 uyumakusa 彼等は古代黄金王国時代にあったマッシュマウンテンなる神々の山を聖地とする独自信仰があり、一説には山の上において最終戦争で斃れた神々の遺体から世界竹を割る魔王が生まれたとされ、地上の住民からは魔王を崇める危険な集団として恐れられている。だが実際の所、彼等は逆に魔王を最も憎んでいる。 uyumakusa 彼等の伝承には黄金王国から空を奪った巨大な悪の存在として必ずや討つべしと長い地下生活の中で己を鍛え続けている。得物を携えキノコの傘をかぶり仄かに光る眼をした彼等は、一騎当千の猛者であり、不用意に喧嘩を吹っかけてはならない。これは冒険者の中では早いうちに教えられる常識となっている。 uyumakusa しかし彼等は光に過敏であり、地上に出向くことは滅多にない。稀に光にある程度耐性を付けた者もいるらしく、冒険者として活躍する者もいる。唯一のバンブーアントと友好を結んでいる為、バンブーアントの集落に用心棒として生活している姿も見られる。なおバンブーアント達は彼等をジンガサと呼ぶ。 uyumakusa バンブーワールドにおける日用品をはじめ武具などに用いる素材の大半は世界竹などの巨大種から取れる竹であるが、その強度は金属に匹敵するほどであり、しかし加工は決して難しくないという利点を持つ。良い竹ほど高額になる為、安価な日用品は大抵は小さい竹や枯れた竹を用いる。それでも充分丈夫だ。 uyumakusa 冒険者達の一般的な装備品の素材も無論、世界竹から連なる竹の素材を用いた物であり、武器から防具まで竹素材で出来ている事は常識とさえ言われる。金属製品もある事はあるが、生産量が少なく貴重であり、竹ほど加工が容易でない為に敬遠されがちだ。バンブードワーフのみは金属を加工する技術を持つ。 uyumakusa 世界竹自体が地下の金属を吸い上げて強く伸びる為、そういった竹は通常の竹素材を何倍も超越している。バンブーエルフやバンブードワーフ、バンブーアントはこういった貴重な金属成分を含んだ竹素材を発見する術に長けており、それを用いた日用品や武具を取り揃えている事が多く、そして裕福である。 uyumakusa 育ちが悪く枯れ安価な銅色の通常竹に比べ、光沢をたたえ鑑似た輝きと呪術的な効力を持つ銀鏡色の竹、しなやかさと頑丈さで金属を遥かに越える黄金色貴竹、バンブードワーフのみが知る特殊な加工で出来上がる純白銀色竹と素材ランクが分かれており、上に行くにつれ武具としての性能は跳ね上がっていく。 uyumakusa バンブーアントとバンブードワーフの職人は武具作りに特に長けており、バンブーエルフは日用品や装飾品、また竹やその葉を用いたお茶や薬の加工に長けている。人は竹の繊維を用いた紙の生産技術に長けており、世界竹はバンブーワールドに住まう者達に日々の糧を与えていると言っても過言ではないのだ。 uyumakusa 世界竹素材を用いた武器は金属のそれと遜色なく使用に充分耐える。錆びる事もなく軽量なので扱いやすい。冒険者にとっては竹素材が最低ランクの銅だとしても、安定して入手できて扱えるのが魅力。また軽量故に予備武器も持てるのがまた良い。そこそこの訓練があれば緊急時の武器を自作出来るのも強み。 uyumakusa バンブーエルフの基本装備は竹の弓矢、竹の手槍、竹のナイフ。基本的に竹以外の素材を極力押さえて軽量さを維持しつつ見た目を綺麗に飾る。バンブードワーフは竹素材を軸に他の岩石や金属素材を組み合わせて重量を増した武器にする。なのでバンブーエルフの美意識としては嫌がられるが、威力は上だ。 uyumakusa 身につける防具も竹繊維を布状にして、その上に小さな竹片を編みこんだ軽量竹鎧もある。無論、竹を縦に割ったものを追加装甲として張り付け全身鎧にする事で、斬り、突き、打撃に対して更なる防御を得る事も可能である。バンブードワーフはそこに獣の皮を更に着込んで隙間をカバーする。ただし臭い。 uyumakusa また竹を用いた水筒は便利であり、携帯用の飲料水をはじめとして、薬品を入れたり、保存食を詰めたりと万能。竹の香りが特に良い。冒険者にとってはとても便利な逸品である。バンブードワーフはその中に爆発性の高い薬品を詰めて爆竹筒にするのだが、バンブーエルフはそれを竹に対する蛮行と忌み嫌う。 uyumakusa 竹上都市はバンブーエルフの特権領域ではあるが、その建築風景はほぼ竹のみで構成されており、銀素材色の銀鏡竹、金素材の貴黄金竹を贅沢に装飾へ費やす。簡素ながらその様子は天上の神話を髣髴させる美しさで、雨や霧の日は幻想的である。ただし空からの脅威はあるので防衛用の巨大竹射出装置もある。 uyumakusa 特に世界竹上空を我が者顔で飛び周り竹上都市を襲う竜種に対しては、金色素材級世界竹の素材を使った射出専用巨大世界竹槍『グングタケ』の一撃がかなり有効。半端な竜種やその亜種は自慢の鱗を切先に易々と突破されその一撃に刺し貫かれる。ただし一度使うと再装填にかなり時間がかかり連射が難しい。 uyumakusa 世界竹の地下茎はバンブードワーフの領域である。地下茎に沿った坑道に竹のレールを用いたトロッコ竹道があり、有料で広大な地下を運んでくれる。ただし地下は地下で地下茎を食い荒らす巨大昆虫が現れるため、のんびりした旅気分にはなれない。また竹の成長で路線が変わる事もしばしばあるのである。 uyumakusa 主要な場所こそは変化が少ないが竹道路線図は毎日刷新されてしまう。料金は距離に応じての為、同じ場所でも竹の成長による変化によっては安くなったり高くなったりと常に頭の痛い問題である。とはいえ、少なくとも地上を行くよりは速さと多くの荷物を輸送出来るので利用者が絶える事は早々ないだろう。 uyumakusa バンブードワーフの地下トロッコ竹道が利用されるのは、地上は基本鬱蒼とした藪と世界竹の若い竹で繁茂しており、徒歩での移動はかなり難しい。竹上都市を経由する手段もあるが、そこはバンブーエルフの特権に触れるため簡単に気軽にとはいかず、利用出来る者は少ない。地上の旅は難しいのである。 uyumakusa だが完全に旅は難しいかとも言い切れない。聖獣パンダと契約を交わし騎乗し、藪を悠々と進む事は可能で、丈夫な竹を用いた特殊な移動手段”竹馬”を用いれば茂みや足元の悪い場所も進む事は可能だ。特に熟練の者は竹馬を用いて荷物を背負いながら何も無い地上の如く、風の様に走るように移動出来るのだ。 古代黄金王国を滅ぼした災厄の主。王国に富を齎した存在と言われ、遺跡にある財宝の数々は魔王の力とも。欲と悪に溺れた王国を見限り滅ぼしたが、古代の賢者により生み出された世界竹に魂を封印された。復活には相応しい拠り代が必要とされており、世界竹の花が咲くと封印が解けるという。
輝きの魔王の復活に必要な体。魔王が魂を封印される際に己の体に適合する肉体をもつ赤子に呪いの紋様を施した。その赤子の子孫は代々紋様が体のどこかに浮かび上がっていた。魔王はこれを目印に復活の日を待っている、とされる。復活の予言の日にその赤子の子孫は世界竹へ導かれるとか。
バンブーエルフの王が継承する名前。世界竹の守護を誓い、バンブーエルフのあるべき姿を背負う。また世界竹の守護と同時に勇者としても役割を背負い、魔王復活の阻止も仕事のうちである。現代の王は冒険者の有能さを認めており、難事件が発生した場合はいち早く協力を要請する。
古い伝承において世界竹は千年で花咲くとそこにある文明は一夜にして共に滅びゆくとされている。故に魔王復活の予言と紐づけられるのも無理はない。だが、古代黄金王国が滅んだ際に魔王の魂を封印して以降、千年を過ぎたいまでも花咲く気配は見られず、天を貫かんばかりに成長している。
バンブードワーフの王にして全てのバンブードワーフの母的存在。代々世界竹の地下茎となる根周辺を守り続ける。バンブーエルフの王とは昔、種族敵対する中で恋仲だったが結局は結ばれず。古代黄金王国の研究を続けており、冒険者組織の創設者でもある。
uyumakusa バンブーエルフの社会は厳しい階級制度が敷かれており、目上の命令は絶対である。また他種族に対しては高圧的である。また美しい事を大事にしており、如何なる時も己を飾り立てる事を忘れない。ただし階級が下になるにつれ、ただ高慢ちきで野蛮だったりする。だが一度受けた恩義には礼を尽くす側面も。 uyumakusa バンブードワーフの社会は基本母方が長を務める。一族は母長を中心に皆平等で互いに敬意を忘れない。ただし親を大事にしない者や働かない怠け者、一族の掟を守れない者には非情に厳しい。また職人が多く、それぞれの工房を持つ。仕事は必ず夕方頃に終わらせ、皆で酒を飲み夕食は歌って騒ぐのが日課だ。 uyumakusa バンブーアントの社会は卵から孵った際、生まれながらにして生き方を決められる。決められた側も何の疑問も持たず従い、基本働けなくなるまでそれに従う。だが稀に決められた生き方にどうしても馴染めなかったり、新しい事に興味を持った為に、育った巣を自ら離れて世界竹の迷宮を放浪する者もいる。 uyumakusa ジンガサの社会は光に弱い以外は謎が多い。だが彼等が一番に重んじるのは名誉である。強き者と戦って死ぬ事、絶望的な戦いに身を投じる事、不利な方へ味方する事も、個々が見出した生き方であり命よりも重い名誉なのである。その特性ゆえか、冒険者となって危険な戦いに身を投じる事を喜ぶ者さえいる。 uyumakusa バンブー人は最も弱い種族として見られている。他の種族のような大きな拠点を持たず、小さな集落を世界竹の藪の隙間隙間に点在し、細々と日々を生きる社会である。ただ彼等は嫉妬はせず、きちんと真面目に働く為、時折他種族の町や拠点で雇われて重宝される。聖獣パンダと最も親しいのも彼等である。 uyumakusa ミント人は信仰する息吹の神に一生を捧げる社会を形成する。神の為ならば如何なる苦難も受け入れる不屈の人々である。基本、優しく柔和な性格が多いが、己の信じる神以外の存在は一つ下のモノとしか見ず、他の価値観を受け入れない側面を持つ。神の息吹の源たるミントを世界中に埋め尽くすことが夢だ。 uyumakusa 葛族は戦う事に関しては恐るべき才能を有する戦闘民族である。己が受けた傷が多ければ多いほど勇敢であるという価値観があり、防具を見につける事は弱者や子供のする事として嘲笑う。弱い者は強い者に従うが当然という社会で、一族の長は強い者がなるべきという理念。故に内部抗争は絶えない事もある。 uyumakusa 海賊ワカメ人は髪こそが神聖なものという価値観を持つ。肉体的に強いのは勿論だが、それに加えて美しい髪の持ち主が頭領として担がれるため、選ばれる男女の差は無い。反面、髪が美しくない者は子供の頃に海に流されて追放される厳しい社会でもある。他種族であっても髪が美しい者ならば愛を育む事も。 世界の中心には霧に包まれた大陸があり、そこの中心には雲を貫く巨大な竹、世界竹(バンブラシル)が七色の光沢を放ち鎮座していた。世界竹は文字通り天地を支え繋げる伝説の巨大なる竹の事で、遥か天上を目指し続けて齢千年級とも語られる、小なる生命を凌駕する神秘を越えし存在だ。
uyumakusa 地上は世界竹の眷属である竹と藪に包まれ、巨大なる竹の節々の隙間から流れ出る清水で非常に湿度が高く、深い霧を発生させている高温多湿な場所である。新緑深き世界で、一見すれば地上は未開地、大自然なる野生の香り立つ、まさに小さき命など淘汰されそうな場所。だがそれも上を見上げれば話は違う。 uyumakusa 世界竹やその眷属級(それでも巨大である)竹の節々や枝を見よ。素晴らしき竹で組まれたエキゾチックにして美麗な建築物が、天よりの光を受けて緑色の宝玉の如く輝いているではないか!目を凝らせば装飾に凝った華やかなる竹の武具に身を包み、空や地上を見張る竹上人”バンブーエルフ”の見張りがいる! uyumakusa その身は細いながら運動に優れた筋肉で引き締まり美麗の一言、特にその耳は竹の葉のように尖り、雲さえ阻む世界竹の高みに陣取り、当然の如くと全てを見下ろす竹上人の笑みを少しも隠そうともしないプライドの高さを魅せ付けてくるが、世界竹の偉大さに寄り添うに相応しい姿と思わずにはいられない。 uyumakusa 地上より高い場所にいる彼等の運動能力は長年高所にいる事で恐ろしいまでの跳躍力と敏捷性、運動能力を当然のように獲得していた。風に乗る蝶のように舞い、蜂の如く竹弓で獲物を一矢で貫き、藪蚊のようにどこからともなく他者を見下し嘲笑う嫌味さ。竹の葉の陰に隠れれば見つける事は難解なのだ! uyumakusa 竹林竹藪は彼等の家の庭先と同じで、下手に踏み入る事は狩りの対象とされても文句はいえない。彼等は自らの領域に踏み入れる者は皆等しく獲物か玩具として見なす。そういった一種の残虐な一面さえ持つ。だが彼等が常に最も優先すべく事は、我が家であり神である世界竹”バンブラシル”を守る事である。 uyumakusa 世界竹が弱まれば彼等も弱る。バンブーエルフはそう信じて来た。だから時には世界竹の為には一族の命など竹の葉以下にさえ見なし、災いあれば果敢に世界竹の為に捧げてきた。それこそが竹上人たるバンブーエルフの誉れであり魂の誇りなのである!傲岸不遜だが世界竹あっての己だと知っているのである。 uyumakusa おお見よ!世界竹の上空に黒く獰猛にして飛翔する怪物がバンブーエルフの建築物を破壊せんと襲撃をしかけてきた!細き胴に虫の如き薄羽、頭には角を生やす竜種の亜種”竹喰(タケクラヒ)飛竜”である!世界竹の葉や枝だけでなく、世界竹そのものを齧るバンブーエルフにとっては忌み嫌う害獣の出現だ! uyumakusa バンブーエルフ達はまず怒る。己すらより高い位置にいていいのは世界竹と天の空のみと憤慨する。雄雄しき叫びを上げ仲間を呼び、竹の大鐘を鳴らして警戒網を形成する。同時に世界竹の各所に恐ろしい殺気が一瞬にして揃う。その圧に僅かに警戒の威嚇音を放つ竹喰飛竜は建築物への襲撃を諦めて飛翔する! uyumakusa だが竹喰飛竜は目標を細く柔に見えるバンブーエルフ達の衛兵に切り替えて世界竹の枝や葉の狭間を獰猛に飛翔し、風圧や震動で弓矢にて隠れ狙うバンブーエルフ達を牽制する!だがその程度の事で怯む蛮勇ではなく、枝や葉に伝わった震動を逆に勝機と見て逆にそれを利用し竹喰飛竜の領域たる空へ跳ねる! uyumakusa 無謀!と思えたそれは、しかし綿密な彼等の仕掛けた戦術であり罠であり、それに誘い込まれてしまったのは空を自由に飛ぶはずの竹喰飛竜のほうである!バンブーエルフの手から放たれたのは空に光り輝く糸!それが蜘蛛の巣の如く巡らされたのだ!世界竹の選りすぐりの繊維から作られた単純鋭利な斬竹糸! uyumakusa 竹喰飛竜が罠に追い込まれたと気付いたのは自慢の羽根を斬竹糸にズタズタにされた後であった。直後落下しつつ自身に絡みながら硬い鱗さえ切断していく糸についに痛みの悲鳴をたまらずにあげる!直後、バンブーエルフ式四方八方三次元全方位射撃で全身くまなく矢襖にされ、否応無く命を失ったのである! uyumakusa おお見よ、これこそが竹上人バンブーエルフの残酷にして流麗なる天空の狩りである!翼あれどバンブーエルフは己より上を飛び影を落とす不遜なる者には決して容赦しない!その報いは命の危険を賭けても必ず実施し、相手の悲鳴を絶つまで手を抜かない!その姿は魔性、しかし美麗。これが世界竹の守護者! uyumakusa 呆気に取られる地上を這い蹲る我々の姿に気付いたかどうか知らぬが、彼等は勝ち誇りズタズタになり糸に絡んだまま宙で絶命した竹喰飛竜を解体しながら勝利を世界竹に捧げる歌を歌う。バンブラシルへの感謝と竹上人一族の更なる繁栄を祈り捧げる勇壮なる歌と光景が、暫く幻想的な霧が流れる中で続いた。 ※「バンブーワールド探索記:バンブラシルの守護者達」より抜粋