一党優位政党制
一党優位政党制(いっとうゆういせいとうせい、英語: predominant-party system, dominant-party system)は、自由民主主義国家の多党制自由選挙の下で、一つの主要政党が投票者の多数に支持され続けることによって、政権を握り続ける政党制である。一党優位制とも。イタリアの政治学者ジョヴァンニ・サルトーリが1970年代に提唱した概念である。非自由選挙の社会主義国(共産主義国)における一党独裁やヘゲモニー政党制とは区別される。 claude.icon
日本では1955年の自由民主党(自民党)結成以来、約68年間のうち約64年間(約94%)を自民党政権が占めている一党優位政党制が続いている。 55年体制と呼ばれる自民党の長期政権は1993年に一度崩壊したが、2012年以降再び自民党の一党優位政党制状態となった。
小選挙区制導入で二大政党制を目指したものの、結果的には自民党による更に盤石な一党優位政党制(一強多弱)を生み出す形となった。
かつて自民党から政権交代を果たした政党のほぼ全てが消滅しており、自民党と他党の実力差・非対称性から、日本で二大政党制が根付くのは難しいとの指摘もある。
nishio.iconなぜこの状況が発生した?
claude.icon日本で自民党の長期政権・一党優位政党制が続いている主な要因は以下の通りです。
冷戦構造の影響:自民党は自由主義・資本主義を支持する一方、戦後の野党第一党だった社会党は社会主義・共産主義色が強かった。有権者の多数派は社会主義政権を望まず、自民党を支持し続けた。
経済成長の果実の分配:高度経済成長期、自民党は various interest groupsに利益を分配することで支持を固めた。
野党の弱体と分裂:野党は政権構想で一枚岩になれず、また野党であることに安住する向きもあり、候補者を十分に擁立できないことも多かった。
小選挙区制の影響:小選挙区制は二大政党制を期待して導入されたが、組織力・資金力で優る自民党が更に有利になる結果を生んだ。
自民党のノウハウと他党の未熟さ:自民党には長年の政権運営ノウハウがある一方、他党は経験不足で政権交代後に混乱しやすい。
以上のような構造的要因により、日本では自民党優位の状況が常態化していると言えるでしょう。