プログラミングの自動化とそれに伴う需給の変化
きしだ なおき 2014年10月18日
2020年までに消える仕事というのをみて、だいたい理由が機械化自動化されるというもので、そうするとその自動化を折り込んだ業務プロセスを構築しないといけない。
そうすると当然そこから業務システムが必要になって、それはこれまでの業務システムとは少し違う。
ただ表面上少し違うシステムというのは、つまり、少しとはいえ、違うように一般の人から見えるくらい違うシステムというのは、用件定義から構築運用までかなり違いがあるはず。
そうすると構築自動化とかオフショア化なんかできなくて、機械化自動化でなくなる仕事と並べてプログラムの仕事が日本かなくなるといってる人は、自己矛盾に気づいてないとしか言いようがない
ドローンの制御だけできればドローン使った業務システムが構築できるわけではないと思うよ。
この件、過去に実際に起こった「プログラミングの自動化とそれに伴う需給の変化」を観察すれば、きしだんさんの主張している「単純になくなるわけがなかろう」ってのも当たり前にわかると思う。
コンパイラという「高級言語での記述を元に機械語でのプログラミングを自動化するプログラム」が生まれた際の変化:
最初は「自動的に作られたコードは性能が悪くて使いものにならない」と言われていた
コンパイラの進化とともに、普通の人間が直接機械語でプログラムを書くより自動化のほうが費用対効果が良くなり、マーケットが縮小した コンパイラを超える高いスキルを持った一部の人は、縮小したマーケットで高い残存者利益を出している。 その他大部分の人は例えばC言語を勉強しなおして、コンパイラを使うことでより生産性高くプログラムを作ることができるようになった。
C言語によって参入障壁は下がったが、既存の機械語の知識はアドバンテージにつながった。
留まるスキルもなく、新しい市場に移動するために学ぶこともしなかった人は、多分死んだ。
なにか特殊なことが起ころうとしているわけではなく、経済の歴史の上では何度も繰り返されてきたことが今後も起こるってだけ。
「プログラムを書くこと」は目的ではなくて手段。「価値を生み出すこと」が目的。「価値を生み出すビジネスモデルをどう構築するか」っていう「メタなプログラミング」にウェイトが移動するだけだよねぇ。
まあ、4つの構成要素からなるX=(A, B, C, D)があったとして、その一部の要素が失われて新たな要素が付け加わった(C, D, E, F)のことを「Xが少し変わったものだ、X’だ」と考えるのか「Xとは違うものだ、Yだ」と考えるのかは、たんなるラベリングの問題であって全くもってどうでもいいことだ。
(2019年補足)
これは「それをプログラミングと呼ぶかどうかは瑣末なことに過ぎない」と言っている
そういう意味では「理解を深める」にも2通りの方向があって、特定の環境でのhowを掘り下げていく方向はその環境への適合度が高まるわけだが環境を変えると失われるので「留まる」戦略向き、逆にwhyを繰り返して抽象度を上げていく方向性は、別の環境に移行した時に持ち越せることで「移動する」戦略を取る場合に長期的に有利。 戦略を取ることと成功することは別で、どちらの戦略でも失敗した人は観測しづらいという生存バイアス。
笹尾 卓宏: パラダイム・シフト仕事には、メタな思考ができる人材が必要。完全にシフトしてしまえば旧パラダイムに精通している人はいらなくなるのだろうが、完全にシフトするのに要する時間は、人生と比べて、長いかもしれない。