エセ芸術家ニューヨークへ行く
「エセ芸術家ニューヨークへ行く」はみんなで協力して一つの絵を仕上げるゲームです。何の絵を描くか(テーマ)は事前にみんなに伝えられます。しかし誰か一人だけ伝えられていない人がいて、彼を「エセ芸術家」と呼びます。情報共有がされてないだけのにエセ呼ばわりとか酷い。しかしこのゲームのルール上はエセ芸術家であることがばれると負けなので「自分に情報共有がされてない!」と言うことができません。そこで、ちゃんと情報共有されている振りをして、他のみんなと協調して絵を描いていくことになります。エセ芸術家は、自分がエセ芸術家であることがばれない、もしくは、ばれてもテーマを答えられれば勝利。他のプレイヤーは、エセにテーマがばれてはいけないので、あえて曖昧な絵を描く嫌がらせをします。エセが勘違いをすることで、誰がエセなのかあぶり出そうというわけです。しかし、そういう嫌がらせをしつつも、曖昧な絵ばかり描いていると「この人は実はエセで、テーマがわからないから何とでも取れる絵を描いているのでは」と他の人から疑われることになります。「自分はテーマを知っていてエセではない」と同僚にアピールしつつ、エセにはテーマがばれないように振舞うことになるゲームです。 組織がこういう状態になったらヤバいですね。しかし逆に言えば「ヤバい組織はどういう状態か」を安全に体験できる手段として、ボードゲームは有効です。実際の組織でヤバい状態を体験する事態になったら、もう取り返しがつきません。ゲームとして体験することで、情報共有は大事だなぁ、情報共有に漏れがあった時には「わかってるふり」をするのではなく、「情報共有されてないよ!」とアピールすることが大事だな、そしてそれができる状態を保つためにはこのゲームみたいに「情報共有されていないことがバレたら負け」にしてはいけないのだな、ということがわかります。