「大人はバカだ」と思ったときに読むコラム
昔ある公園に行った。そこには野生のサルがいっぱいいた。観光客の僕を見てエサを貰えると思ったのか、サルは寄って来てすぐそばに座った。僕はエサを持っていなかったので、軽い気持ちでエサを投げる真似をした。サルは目でエサの飛ぶ方向を追った。
そして僕の肩に激痛が走った。一瞬何が起こったかわからなかった。サルがからかわれたと思って怒り、噛みついたのだ。サルは歯をむき出しにして怒り狂い、僕にのしかかり、追撃をしようとした。幸い近くにいた別の観光客が追い払ってくれたが、一人きりだったらどうなったかわからない。
サルは人間よりもバカだ。しかし、バカであってもからかった他人を痛めつけることはできる。あなたが「大人はバカだ」と思ったとしても、からかってはいけない。あなたの解釈の通り大人がバカだとしても、あなたを痛めつけることはできる。
そもそも「バカな大人」をからかいたいと思うのは、あなたが大人に対してコンプレックスをいだいた子供だからだ。大人でもそうだ。「バカな他人」をからかいたいと思うのは、自分に自信のない大人だけだ。自信のある大人は「バカな他人」に関わったりしない。それはお互いに奪い合う不毛な人生の使い方だと知っているから。自信のある大人は、他の、バカでない、自信のある大人を探す。そしてお互いに与えあう関係を築くことで、自分の人生を有益に使おうとする。
もしあなたの周りの大人が全部バカに見えるのなら、それはあなたの観測範囲が狭いのだ。バカな大人をからかうことで人生を無駄にしていないで、バカでない大人を探しに行こう。
コンピュータウイルスを作った中学3年生が逮捕されたという記事を見て、この記事を書いた。その事件で具体的にどういうことがあったのかは知らない。しかし、世の中の平均的な大人よりもプログラミング知識のある中学生が、知識や人生の使い方を間違えてしまい、その結果人生に傷を負ったということだろう。悲しいことである。 2017-06-06