Ver.7.3 アップデート情報
この記事は2020年10月1日(木)に配信された Gwent Ver.7.3 のアップデート情報のまとめです。
事前情報
元 Team Aretuza の競技者で、現在はグウェントのゲームプレイデザイナーである Molegion が開発者配信に出演するという噂。
バランス調整あり。
パッチノート
バグ情報
【修正済み】日本語パッチノートに北方諸国がない。
ショップの「極・タル」の説明が中国語になっている。
【修正済み】PC版で、表示言語を「日本語」「韓国語」「簡体中文」にしていると、デッキビルダーでカード名が表示されない。
《パルメリン・ド・ローンファル》の追撃効果が「自身の両隣」となっているが「そのユニットの両隣」(破壊されて追撃となったユニットの両隣)が正しい。 《煮え立つ油》の追撃効果で脚本の破滅を取り除けてしまう。 パッチノートで抜けている北方諸国部分
《王子ヴィラクサス》の構築コストが11から12に増加。※他の進化型カードと同じに リーダーアビリティ「盾の壁」の構築コストボーナスが14から13に減少。 《黄泉の女魔術師》のアビリティが変更。※命令がチャージに変わり再利用可能に 勇躍 / 命令:ユニットのシールドを取り除き、2ブーストを得る / チャージ1
開発者配信
https://www.youtube.com/watch?v=ikw8vLdL4EE
特記事項
上記に合わせて、脚本カードがバランス調整。すべての脚本に「破滅」が付与。《仮面舞踏会》《ゲディニーズ》の再利用が不可能に。 冒頭:競技者から開発者になった Molegion の話
競技者だった頃にやってもらいたかった変更ができた。 ※Molegion は競技者だったころ、極端な結果が出てしまうようなゲーム内の要素を嫌い、「初動」を提唱したり Freddybabes と同様に「アーティファクト除去をなくして除去されないことを前提にバランスを取るべき」といった意見を出していた。
グウェントはこの数年で自分の人生で最も重要なものだった。コミュニティに参加したり、友人もできた。しかし、欠けてたパズルのピースとして「ゲームを作る」というのがあった。今後に影響を与えることができることが楽しい。
CDPR に入ってからのこの2ヶ月で「ゲームデザインは競技者のためだけでない」ということを学んだ。グウェントは多くの人がプレイしていて、それぞれ異なったゲームへの期待を抱いている。その異なった期待に応えることが非常に重要だと思った。
開発者としてゲームに影響を与えられるというのは非常に楽しい。経験がなかったのでたくさん学んでいる。
開発者になるということでいうと、同じ街の異なる時間軸をタイムトラベルしている感じがする。具体的には、仕事中は将来のパッチのことをやっているのに、プレイベートでグウェントをすると、次パッチのデッキを作りたいのに古い環境なのでできないということがある。これはやりくりしていかないといけないことだとは思う。
参考:2018年11月ホームカミング直後の Molegion のゲームに対する意見
https://www.youtube.com/watch?v=_i0G1WmbWCg
概要 ※現在とは環境が全く異なるので、それを念頭においてください
環境がコントロールに寄りすぎている。《焦土》など点数の天井が高いコントロールカードがあるので、コントロール自体が優位になっている。コントロールデッキは好きだが、平均するとコントロールではないデッキよりも弱くあるべき。 高コストエンジンユニットを、低コストのコントロールカードで除去できたりするのもよくない。
例えば「初動」というキーワードを考えたい。リーダーアビリティや命令を使っていないときに有効になるアビリティだ。《焦土》を避けるプレイイングは楽しいが、相手の命令による点数揃えでそれが無意味になってしまう。
アーティファクトを除去できない。アーマーを設定してダメージを与えたら破壊できるようにしてもらいたい。※これは当時の話であり、当時は「絵画」と呼ばれるアーティファクトをふんだんに使った闇デッキが非常に強かった上に、アーティファクトは除去できなかった 天候を意味あるものにしてほしい。「射程」をいかしてほしい。※かつて存在していた「射程」の概念だが、例えば「射程1」が指定されているユニットはターゲットできるユニットが列1つ分離れたところにあるものに限られる。必然的に近接列に配備する必要があり、相手の近接列のユニットしか対象にとれなかった。アビリティの列指定と重複していた概念だったので、現在のグウェントからは削除されている
マリガンがリーダーアビリティによって異なっており遊びにくい。マリガン数は共通にして、リーダーアビリティは構築コストでバランスするようにすべき。※例えば強力なリーダーアビリティである「封鎖」は1試合を通じで1回しかマリガンができなかった。現在と異なり、マリガン数はラウンドではなく試合全体に対して設定されていたので、第3ラウンドまでマリガンを温存するプレイが当たり前だった。このため非常に窮屈なゲームになっていた
Molegion の発想の根底にあるのは極端な結果が発生しないようにするというものです。動画で説明されたアーティファクト除去をアーマーで代用するというアイデアは「相手がアーティファクトをふんだんに入れたデッキだと、ユニット向けのダメージカードはターゲットがないせいで使い所がなくなる(コスト損)」という、「対策があれば勝てる、なければ勝てない」というジャンケンのように結果が極端になる状況を緩和するというものです。もしアーティファクト除去がアーマーで代用されていたら、《アルズールの雷撃》のようなダメージカードが闇デッキ相手に腐るということもなくなっていたでしょう。
昨今、《爆弾担ぎ》が大きな問題になっていたのは、脚本という構築コスト13~14の強カードを構築コスト5のユニットで破壊できたことにあります。このカードは脚本相手に使えれば、正味20点近いバリュー(構築コストの4倍)が出せていました。4点か20点かという極端な性能のカードは、コストでバランスを取るという方針のホームカミング後グウェントのゲームバランス上の足枷になっていたともいえます。今回の調整で新しい脚本の種類も増やすことが出来る余地が増えましたし、《ヴァンダーグリフトの刃》のようなまったく使われていないエンジン型アーティファクトも使い所が出てくるように思います。 Ver.7.3 のバランス調整で Molegion の発想が端的にあらわれているのが、《爆弾担ぎ》のような低コストアーティファクト除去カードをゲーム内からなくしつつも、高コストの除去カードである《コラスの熱波》は残したというところだと思います。なるべく構築コストにふさわしい性能が出せるようにという考えだと思います。それ以外だとスケリッジの《デラン》の変更も挙げられます。腐っていると思った場合は近接列に配備すれば、少なくとも7点は出せて、コストなりの結果が保証されます。