あなたのチームは、機能してますか?
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チームで動けているというのはどういう指標で示せるのだろう?単に集まってみんながめいめいに何かするのとは異なるのだろうか?という疑問に答えられるようになる本。
チームワークとは、少数の原則を長期にわたって実践することにほかならない。 成功するために必要なのは、複雑難解な理論をマスターすることではなく、途方もない自制心と根気をもって常識を実践することである。
常識を実践するという言葉がよかった。
人間に備わっている性質は必ずしもチームで物事を達成するのに向いているわけではない、チームワークを阻害する性質が少ない人間を求めるのではなく、その性質を理解し、不可避であることを認めた上で、チームとして動くために対策を取り、継続するところが大事なのだなと感じた。
会社でグループワークしたときに、チームというのはなんだろうと疑問に感じた。
自分にはわからなかったので、「チーム」で適当にググって本を探し、簡単に読み終わりそうな『 あなたのチームは、機能してますか? 』から手をつけはじめた。 ストーリー仕立てになっているので、 2 時間くらいあれば読み終わる。踏み来んだ内容の本を読む前に全体を知るのには丁度よかった。
単に人々を集めて放っておくと、チームとしてうまく動くために乗り越えなければいけない壁が5つできあがる。この壁は人間の性質により生まれるものなので、チームとしてうまく動くためにはこれらを解消し続けるよう継続的に努力しなければいけない。
1. 信頼の欠如
ここでの「信頼」の定義は作中に明示されている。
チームを構築するときの信頼とは、メンバー同士が相手に悪意がないことを信じ、グループ内で身を守ったり慎重になったりする理由がないと確信することである。 用するに、チームメイトが安心して互いに弱みを見せられなくてはならない。
これがないとどうなるか。自分の成し遂げたいことを率直に言う、他人の真意を言葉から知ることができないため、政治的かけひきに時間やエネルギーを多く割くことになる。政治的とは
政治的とは、自分が本当にどう考えるかではなく、ほかの人にどう反応してほしいかによって、言葉や行動を選ぶことです
ここで言う信頼があり、率直な意見交換ができていれば避けられる類いの時間やエネルギーだ。
2. 衝突への恐怖
なぜ他メンバーとの衝突を避けるのかというと、他メンバーの感情を傷つけたくない、また無用な言い争いをして効率を下げたくないからだ。
メンバーの感情を傷つけたくないと理由で公的な場所では衝突を避けたとしても、物事を進めるためにそれがが必要な場合、必然的にそれは非公式で行われるようになってしまう。 また「無用な言い争いをして効率を下げたくない」という期待に反して、衝突の回避は問題の先送りにすぎないため、何度も繰り返し同じ問題を話しあうことになり、結果的には効率が悪い。
個人攻撃をしてはいけないのは当然だ。だがそれと似た激しさを持つが別物の、意見の衝突と議論は行わないと、健全な方針を生み出せない。
理論上は、全員がおなじように状況を理解して、いっさい誤解がなく、おなじ目標に向かってきっちりとした手法で進んでいるのなら、議論がないのはいいことでしょうね
逆説的に「全員がおなじように状況を理解して、いっさい誤解がなく、おなじ目標に向かってきっちりとした手法で進んでい」ないのであれば、議論が起きないのはおかしいということだ。
3. 責任感の不足
なぜ責任感が不足するのかというと、以下の点で誤解があるからだ。
チームメンバーが責任感を持つためには、全員一致しなければならない
チームメンバーが責任感を持つためには、決定が正しいと確証が持てるまで待たなければならない
まず、不確実な未来に対して全員一致することはありえない。(私見だが、もしそういった状態にあるなら、視野狭窄になっていないか疑った方がいい) 意見が聞かれ考慮された結果であれば、自分が示したのとは異なる方針であっても、最初からその方針で挑んだかのように支持しなければいけない。 ただし「 チーム全員の意見を聞き考慮したことを示す 」というところは、方針を決める人が抑えておかなければいけない点である。
次に、決定が正しいと確証が持てるまでは待つと、かえって目標から遠ざかってしまうことが多い。 ビジネスの種類にもよるが、間違えないことが重要なのではなく、早くやりとげることが重要なことな場合は、 方針を決めてしまって全力で取り組み、その取り組みを踏まえて次の方針を立てた方が早くやり遂げることができるだろう。 そのことを理解していれば、意見を聞きいれられて考慮されていれさえすれば、結果的に間違った方針であったとしても立てて進まないよりはよいということが理解できるだろう。
メンバーが責任感をもつために必要なこと
何に対しての責任があるかをメンバーにわかる形で明確にすること
メンバーの当初の目論見とは異なっていたとしても、メンバーの意見を聞き考慮した上でチームで決めた決定に対し、メンバー全員の支持を得ること
4. 説明責任の回避
ここは説明責任を求めるということを「メンバーが仲間に対して、チームに悪影響を与えかねない行動や態度をとがめる」という意味で使っている。
「説明責任の回避」なので、仲間がチームに悪影響を及ぼそうとしているときに、それを正すことを行わず、漫然と見過ごすということを指している。
この事象も、親しい人間関係の悪化を恐れるといった人間の性質によっている。
5. 結果への無関心
チームは、具体的で、明確に定義した結果が得られる目標を持たなければいけない。 結果への無関心は、チームメンバーが「チームの目標」という結果以外を気にすることを指している。
大きなものとしては
自分達が属するチームの地位
個人の地位
が他のチームより重要なチームになり、便宜を図ってもらえるようになりたいというのは、よくあるチームの誤謬であるそうだ。
チームを犠牲にして、自分の地位やキャリアを高めたいと考える、ありがちな人間の性質は、チームの目標達成の妨げになる。
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