T∞
「未来のトランザクション」のこと.
この$ T_\inftyの扱い方で,データベースの持つ性質が変わる.
なぜこの概念が必要か
たとえば以下を想定する.
$ Serializable(H)
という命題関数が true を返したとする.
その後,あるトランザクション$ T_i: \{r_i(x)\}が実行されたとき,$ H' = H \cup T_iとなる$ H'について,
$ Serializable(H')
の命題関数が true を返す保証はない.
つまり,$ T_\inftyを考慮しない,というのは,オンラインでデータベースを運用できない,ということになる.
データベース$ Dの初期状態は,$ T_0によって書かれた$ D = \{x_0, y_0, z_0,...,n_0\}という集合だが,
このときの$ H(T_0)がSerializableであることは自明でも,このあと最初のトランザクション$ T_1が実行された時点で,よくわかりません...というのではお話にならない.
オフラインで動けばいい(定期的にバッチが走るだけ,とか)なら話は別だが...