極度の円背のケースに車椅子テーブル自作
極度の円背と頸髄の不全麻痺(右側に強い麻痺)があるケースで、ティルト・リクライニング可能で背張り調整のできる車椅子を介護保険でレンタルされた方です。この車椅子には、オプションのテーブルがなかったため、自作しました。
姿勢を保持でき、食事ができる、余暇時間を過ごす際、水のコップ・リモコン・コールスイッチなどをおくことができるようにという目的です。車椅子が、レンタルのため、現状復帰して返却できる必要がありました。
サポート付き高齢者住宅入所のため、介護スタッフが容易に着脱できることも重要でした。
そのため、車椅子側の加工は、アームレストの固定ネジを緩めて、ナイロンベルトを挟み込み固定するだけにとどめました。
アームレストは、ノッチで多段階に高さを調整できる構造でしたので、両前腕で支持することで、姿勢を安定させることができました。同時に、右上肢・手指の痙性緩和にも効果がありました。
使用方法:
装着時
車椅子に座っていただいた後、利用者さんに腕を上げてもらい(右手は介助)、アームレストにテーブルを載せます。
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テーブルのバックル凹に、アームレスト後方下側に挟み込んで固定してあるプラスチックバックル凸をを差し込み、ナイロンベルトを締めます。(アームレストをフレームに固定してあるネジを外し、プラスチックバックル凸を通してあるナイロンベルトを挟み込んで、ネジ締めで固定しました。レンタル返却時には、このネジを緩めて外す必要があります。)
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外す際
プラスチックバックルを指で挟んで外し
腕を支え上げながら、テーブルを前方に抜き取ります。
次回使用のため、車椅子のバックル(凸)を、テープの上で緩めた位置に移動させます。
材料:
カラーコンパネ
ジョイントマット
ナイロンベルト
プラスチックバックル
タッカー・ステップル
制作:
利用者さんに、車椅子に座った姿勢をとってもらい、身体を避ける形状を決め、写し取ります。
使用時の、物品を置く様子を確かめ、大きさを決めます。
アームレストにバックルを固定できる位置を確かめます。
テーブルの固定ベルト位置を決め、写し取ります。
カラーコンパネの切断。
カラーコンパネの曲線切り(体幹部の切り抜き)・やすりがけ(ルーターが使用できれば、縁の丸めがきれいにできる)
ベルト固定:接着剤とタッカーで行う。
ジョイントマットを、肘受け位置に合わせてカットし(ハサミ・カッターナイフで)、貼り付ける。
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テーブルの横ずれが生じる場合は、小さな角材などで、アームレストの外側、または内側にズレどめの突起をつけますが、今回は左右ズレがあまりなかったため、つけていません。
(プラスチック・バックルをアームレストとテーブル間につけ、締め付けて使用する構造としたため安定が向上したため。)