リスト尺屈スイッチ
指の動きでは、スイッチ操作ができないALSの患者さんでした。尺側手根屈筋の動きが残っていたので、手掌を安定して支えると、尺屈(小指側への動き)を拾えることがわかりました。最初は、スプリント(装具)で前腕・手部を保持してと、試してみたのですが、弱い力でしかも重力に対して斜めの動きになるため、スプリントに埋め込んだタクトスイッチでは困難でした。手掌を受けるとともに回転軸を提供し、力を抜くと元の位置に戻る形状にする必要があることがわかりました。
そこで、椅子などに使用されているダブルキャスターの片側を切り落とし、残ったキャスターの車輪に手掌を載せて、尺屈の動きを回転方向で拾うことにしました。50mm径のキャスターだと、手掌を載せられて高さも25mm程度となり、ちょうどベッド上で前腕と手掌の高さを受け止めることができました。
キャスターの裏面のギザギザにはめ込んだプラスチック板と、回転軸の間にマイクロスイッチを嵌め込むことで、操作スイッチとすることができました。
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https://youtu.be/GsL1CwWNnls