トラックボール改造
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脳幹梗塞の方で、発話困難、四肢麻痺、失調症、眼球筋群麻痺でコミュニケーションが取りにくい方でした。操作練習で揺れながらも使えるようになった、右手の指三本(母指・示指・中指)でパソコンのポインタを操作できるようトラックボールを改造しました。これで、意思伝達ソフトHeatyLadderを使って下さっています。メールのやりとりもされています。
意思伝達装置の1スイッチ操作は、失調症があるかたにはタイミングが難しく、2−3スイッチのステップ駆動も試みたのですが、想起している文字とステップに注意を分散されるとスイッチ操作の精度が安定しなくなる、疲労が速いといったことが見られました。
そこから、マウスモードの文字直接選択を試みることにしました。
トラックボールでは、ポインタのオーバーシュートなど負担が大きいかと思いましたが、操作へ集中するうち、自分でコントロールする感覚が持ちやすかったようです。また、タッチパッドでは「接触・動かしている」のフィードバックがわかりにく難しかったようです。
ボールを操作する示指・中指の可動域と安定性のバランスから、トラックボールは水平に近い設置角度でボール径55mm、クリックボタンは斜め押し可能なスイッチ、手の位置を安定させるパッドと小指・環指を受けて受けるバーを設置しました。
ケンジントンのトラックボールを使用しました。4つのボタン配線を後方に取り出す形で、電気的に改造を行ってあります。そのうち一つのジャックに刺した、スイッチを母指で操作できる位置に固定しました。斜め押しできるタクトスイッチを使用しています。(最近廃番で、入手できなくなっています。)