2023/11/24 タイピング練習にマスキングテープ
タッチタイピングをマスターするには、守るべきことがいくつかある。その一つが「キーボードを見ないこと」である。そもそも「タッチタイピング」とは「キーボードを見ずにタイピングすること」なので、当然のことではある。
キーボードを見ずにタイピングするには、どの文字がどこにあるのかを覚える必要がある。しかし、「見ないで打つ」ことを目標としているのに「キーボードをじっと見つめて場所を暗記する」ような方法では、キーボードを見る癖をわざわざ植え付けることになりかねない。では、どうするか。一番いいのは、初学の段階から徹頭徹尾キーボードを見ないことである。
ネット上には多種多様なタイピング練習サイトがあり、その多くで画面上にキーボードが表示され、指定された文字を「どの指で打つか」を教えてくれる。目の前にある物理キーボードには目を落とさず、画面上のキーボードだけを見て練習に取り組む。正直言ってなかなかにしんどい練習だが、積み重ねていくうちに指がキーの位置を覚えて、文字を見たら自然に指が動くようになってくる。
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しかし、どうしてもキーボードを見てしまうという人もいると思う。その場合、一番いいのは無刻印キーボードを使うことである。しかし、最初から無刻印で売られているものはおしなべて高価だし、キートップを交換するにも追加で費用がかかるしで、なかなかハードルが高い。たとえば、Happy Hacking Keyboard Hybrid Type-Sは本体と無刻印キートップへの交換でトータル4.5万円にもなってしまう。 https://scrapbox.io/files/6560396c40a455001ccbd9bf.JPG
そこで、安価で簡単な策としてタオルで手を隠す方法がネット上でもよく紹介されている。ただ、この方法は学生さんにはあまり評判が良くない。実際にやってみるとわかるが、シンプルにユーザー体験が良くない。手の甲がもぞもぞするし、タイピングしているうちにタオルが動いてしまうし、Enterキーなどホームポジションから遠いキーを打つときに指が引っかかってしまう。個人的には、これをずっとやるのは嫌だな、と思う。
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次の策として、学生さんにはキートップをマスキングテープで隠す方法を紹介している。ただし、メーカー保証の対象外になる可能性もあるので実践される際は自己責任で行っていただきたい。
使用するマスキングテープは、いくつか試した中では和紙のものがよかった。少しだけ伸びるので窪みのあるキートップにもフィットしやすいし、手触りが良い。色は好みに合わせて選んでいいとと思うが、元々のキートップに近い色が無難ではあると思う。
ノートPCの場合、液晶画面に糊が残ったり傷が入ったりする可能性もゼロとは言えない。私が試したいくつかのPCではそのような事案は発生していないが、くれぐれも自己責任で。
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最近試した模様入りのマスキングテープも、思いのほか良かった。凝視すると刻印が透けて見えるが、そもそもタイピングをしているときに凝視してはいけない。ちらっと視線が行ってしまったとしても刻印は見えない、という程度に隠せていれば十分である。デコレーション感覚で好みのマスキングテープを選べば、退屈になりがちなタイピング練習も少し楽しくなるかもしれない。
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タッチタイピングで使用するキーの数は、写真のように48個。1枚1枚マスキングテープを切り取っては貼っていく作業は、なかなか骨が折れる。私は仕事上わりと頻繁に機会があるので、一定の長さでマスキングテープを繰り出して切り取れる道具を調達して使っている。買ったそのままの状態ではレバーを一度引いて出てくるマスキングテープの長さが微妙に長かったので、太めのクリップを挟んで微調整してある。これを使うと、ガシャッとレバーを引いてテープを切り取る一連の作業は2秒でできる。あとは、慎重にはみ出さないようにキートップに貼り付ければいい。近くを見るのが辛い人は、眼鏡やゴーグル型ルーペなどがあるとストレスなく作業できる。
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キートップが丸いキーボードの場合。一般的なロール型のマスキングテープから丸型に切り出す必要があり、作業がかなり大変になる。「穴あけポンチ」と呼ばれる工具を調達して1台だけやってみたが、しんどかった。四角いキートップと比較して、5倍くらいは時間がかかった気がする。
最初から丸くカットされた和紙のシールも販売されているので、サイズと色が合えば、これを使うのも良いかもしれない。ただ、当然ながらロール型のマスキングテープよりも割高になる。
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ぱっと見は悪くないが、シールの方がキートップよりごく僅かに大きく、タイピングしているとはみ出したシールが指先に当たって気にならなくもない。タッチタイピングをマスターするまでのことだと割り切れるならいいかもしれない。
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タッチタイピストを目指す貴方の一助になれば幸いです。
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