You Are Not a Gadget: A Manifesto
Jaron Lanier
https://gyazo.com/ca33a5c000031d328c0ac07e29e5eabf
第1章
21世紀の初頭、この言葉を読んでいるのは主に「非人間」だろう——個々人として行動しなくなった人々で構成される無感覚な群衆、あるいは自動処理システムだ。
IT’S EARLY in the twenty-first century, and that means that these words will mostly be read by nonpersons—automatons or numb mobs composed of people who are no longer acting as individuals.
ついでに付け加えるようにnumb mobsというところ、口悪いな、もしかして?
例えば、一見すると取るに足らない「ボタンの使いやすさ」の違いが、人々の行動パターンを根本的に変えてしまうことがある
私たちのアイデンティティはデジタルデバイスの些細な仕様によって変化し得る。情報技術を扱うということは、同時に社会工学(ソーシャルエンジニアリング)にも関わること
メディアの設計は、それぞれ異なる人間の潜在能力を刺激する。私たちは、群衆心理をできるだけ効率的にすることを目指すべきではない。
その代わりに、個々人の知性を呼び覚ますことを目指すべきだ。
「人間とは何か?」
もしこの問いに答えることができるなら、私は人工の人間をプログラムとして実装できるかもしれない。しかし、そんなことはできない。
「人間であること」は、単なる公式ではない。
それは、探求であり、神秘であり、そして信じることなのだ。
Different media designs stimulate different potentials in human nature. We shouldn’t seek to make the pack mentality as efficient as possible. We should instead seek to inspire the phenomenon of individual intelligence.
What is a person?” If I knew the answer to that, I might be able to program an artificial person in a computer. But I can’t. Being a person is not a pat formula, but a quest, a mystery, a leap of faith.
デジタル技術は「ゼロから何かを創り出せる自由」があるが、それは同時に、方向性を見失わせる倫理的課題を伴う。
私たちはあらゆるものを作り出すことができる。
では、何を作り出すべきなのか?
Since we make up so much from scratch when we build information technologies, how do we think about which ones are best?
With the kind of radical freedom we find in digital systems comes a disorienting moral challenge.
We make it all up—so what shall we make up?
このような直接的な操作が設計される前に、開発者とユーザーの間で、人間と技術の関係についての重要な議論が行われるべきである。
本書は、そうした議論についてのものである。
人
ジョン・ペリー・バーロウ(Electronic Frontier Foundation の共同設立者)
ケヴィン・ケリー(Wired誌の創刊編集者)
General Magic や Xanadu といった企業は、現在のウェブとは根本的に異なる設計を開発していた
そして結局、ティム・バーナーズ=リーという一人の人物が、今日のウェブのデザインを生み出したのである。
Xanadu
Open Xanadu
ティム・バーナーズ・リーとCERN
「Information Management: A Proposal(情報管理: 提案)」
ソフトウェア依存関係によるlock - in
他の多くのソフトウェアが依存している状況で、ソフトウェアを大幅に変更するのは、最も困難な作業の一つである。
したがって、それが実際に行われることはほとんどない。
本書全体を通じて、私は「人間はMIDIの音符のようになりつつあるのか?」という問いを探求するつもりである。つまり、あまりにも明確に定義され、実際にはコンピュータで表現できる範囲に制約されてしまっているのではないか、という問題である。
「ファイル」という概念
XanaduやMacintosh(結局発売されなかったバージョン)にはファイルという概念はなく、ひとつの大きな構造だけがあった
Webサイトのような
ファイルが表現する概念には、「人間の表現は、抽象的な木の枝葉のように分割・整理できる」「各部分にはバージョンがあり、それを適切なアプリケーションに対応させる必要がある」といった考えが含まれている。
1990年代に起こった「すべての人の窓を開く」という偉大な動きは、匿名性を求める流行によって台無しにされてしまった。
ラニアーのweb2.0批判は、メタクソ化議論のスタート地点
プラットフォーマー批判
アルゴリズム批判
(モラルの低下)
単に5ch的誹謗中傷だけでなく…
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UNIX / MIDI / 身体 の時間性の差異
「MIDIは、UNIXにおける時間の概念と人間の身体における時間の概念の中間に位置しており、特定の時間に発生する離散的なイベントに基づいている。」
UNIX と MIDIは 離散的
UNIX : キーボード操作のエンターキーを押すまでは待機状態を保つ→非リアルタイム性
これUNIX以後の OS の設計上の業界標準となってしまった
MIDI : 基本的に Note On / OFF であり、揺らぎや演奏上の滑らかさのようなものが原理的に表現できない
時間のグリッド化
身体 : 連続的
リアルタイムの変化に対応することができる
第2章
「シンギュラリティ」と終末論
「メタ競争」race to be most meta
情報とは疎外された経験である
information is alienated experience
計算機科学の人にしてはかなりユニークな考え方だ?
ラニアーがHumanisticなコンピュータサイエンティストとして評価している人
ジョセフ・ワイゼンバウム(Joseph Weizenbaum)
ドイツ生まれのアメリカの計算機科学者で、マサチューセッツ工科大学(MIT)の教授を務めました。1966年に自然言語処理プログラム「ELIZA」を開発し、人工知能の倫理的側面についても深く考察しました。
テッド・ネルソン(Ted Nelson)
アメリカの社会運動家であり、情報技術の先駆者です。1960年代に「ハイパーテキスト」という概念を提唱し、情報の相互参照の基礎を築きました。
テリー・ウィノグラード(Terry Winograd)
アメリカの計算機科学者で、スタンフォード大学の教授です。自然言語処理システム「SHRDLU」の開発で知られ、その後、人間中心のデザインやヒューマン・コンピュータ・インタラクションの研究に注力しました。
アラン・ケイ(Alan Kay)
アメリカの計算機科学者で、オブジェクト指向プログラミングやグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の先駆者です。ダイナブックという個人用コンピュータの概念を提唱し、現代のノートパソコンの原型となりました。
ビル・バクストン(Bill Buxton)
カナダのデザイナーで、ヒューマン・コンピュータ・インタラクションの専門家です。マイクロソフトのプリンシパルリサーチャーとして、ユーザーインターフェースデザインや新しい入力デバイスの研究に貢献しました。
ダグラス・エンゲルバート(Douglas Engelbart)
アメリカの発明家で、コンピュータマウスの発明者として知られています。1968年の「すべてのデモの母」と称されるデモンストレーションで、ハイパーテキストやウィンドウシステムなど、現代のコンピュータインターフェースの基礎となる技術を披露しました。
ブライアン・キャントウェル・スミス(Brian Cantwell Smith)
アメリカの計算機科学者で、人工知能や認知科学の分野で活躍しています。計算と意味論に関する哲学的問題に取り組み、計算機科学の理論的基盤の深化に貢献しました。
ヘンリー・フックス(Henry Fuchs)
アメリカの計算機科学者で、コンピュータグラフィックスやバーチャルリアリティの分野で先駆的な研究を行っています。ノースカロライナ大学チャペルヒル校の教授として、リアルタイム3Dレンダリングやイメージベーストレンダリングの研究に貢献しました。
ケン・パーリン(Ken Perlin)
アメリカの計算機科学者で、ニューヨーク大学の教授です。1983年に「パーリンノイズ」と呼ばれる手法を開発し、コンピュータグラフィックスにおける自然なテクスチャ生成に革命をもたらしました。
ベン・シュナイダーマン(Ben Shneiderman)
アメリカの計算機科学者で、メリーランド大学の教授です。ヒューマン・コンピュータ・インタラクションの分野で著名であり、直接操作インターフェースや情報可視化の研究において重要な役割を果たしました。
アンディ・ヴァン・ダム(Andy van Dam)
オランダ生まれのアメリカの計算機科学者で、ブラウン大学の教授です。コンピュータグラフィックスとハイパーテキストの分野で先駆的な研究を行い、多くの学生や研究者に影響を与えました。
デイヴィッド・ガランター(David Gelernter)
アメリカの計算機科学者で、イェール大学の教授です。並列計算や分散システムの分野で業績を上げ、特に「ミラーテクノロジー」や「リンゴス」という概念を提唱しました。