詩作
Twenty Six Teen
トゥエンティー・シックス・ティーン
おれはひとつじゃねえ
折り重ね積み重ね
重ね重ね
葬式で言ってやる
何度も言わせんな
お前もたくさん
俺もたくさん
そんな世界がたくさん
折り重ね積み重ね
重ね重ね
アミノ酸みてみろ
ATGC二重らせん
Tのコードがねえのがハーモニー
たくさん違ってたくさんいい
たくさんの革命家、ひとつになるな
折り重なれ、金子みすゞ
おれはひとつじゃねえ
折り重ね積み重ね
重ね重ね
ベリーファッキング
16歳のエコノミーバス
夜の星を見上げてるかいアストロノミー
九ちゃん聞いて十年目
26歳のアイロニー
空寒いぜ、いい加減
多弁して反省する人間
トゥエンティー・シックス・ティーン
おれはひとつじゃねえ
折り重ね積み重ね
重ね重ね
多弁して反省する人間
トゥエンティー・シックス・ティーン
2025/09/01
多摩川の詩
コンビニ行こうと外出たら
軽率に多摩川まで走ってしまえる
くらいに俺は生きている
https://gyazo.com/15d1a624eb56222251f44b1cd1da6c0d
2025/08/17 23:48
https://gyazo.com/b9a882cae2aef359d392e61630e9fcc5
多摩川まで走っているとき
河原温の I am still alive.のことを考えていた
知人に電報で迷惑行為をしている精神的病だろと
思っていたのだけど、そういえばあの人は絵描きであった。
となるとStill Life (静物画)=Nature mort (「死んだ自然」)を念頭においてStill Alive(「まだ俺は生きている」)としたのか、と気づいて、最高じゃねえか……と思ったら俺はもうスピード狂になっていた
2025/08/18 0:36
CO2吐く君が
呼吸するなら
息をとめる
「地球に優しい」子
火力発電を
知らぬまま死ね
2025/07/01 3:16
https://gyazo.com/5fe79d693b71d48cfcbee806b34a7d50
2025/06/18
https://gyazo.com/ac4126b3644addff9ec7dfbff4fb31ef
2025/6/2
https://gyazo.com/7785f67a8328d71bf22f65e6122de856
2025/05/30
Variations X /あの同じ太陽は(…)
あの同じ太陽は
それからも変わらず
二つある
かつてはまぶたの裏に焼きついていた…
同じ夜を信じていた
あの夜は
太陽の投げた影たちで
汗ばんだ腕をふたつめに象った
戦争が終わって
夏草は
濃緑のまま
湿った土の匂いをたたえ
肉を持った幻として
触れられた
いまも
夏草は
この白昼の容赦のない光に
彫りの深い
一つの明晰な影として
微風にそよいでいる
Variations VI / 二度逢ひし 陽こそ変はらね(...)
二度逢ひし
陽こそ変はらね
夜をば信じし
吾も夏草も
湿土の匂ひに
かそけく揺らぎぬ
Variations V / 同じ太陽
同太
変た
戦草光強幻微
夜つ
いわ
太私私太
私夜夜見
そ太沈影草
ただ ある
Variations IV / Not the sun(…)
Not the sun.
Not again.
But something.
I moved—
a body, still.
Shadow lengthened.
I had words once.
Now:
a surface.
a crack.
a murmur.
Maybe the body speaks
but who listens?
War ended.
Meaning, too.
Or moved on.
The grass still grows.
The light,
without comment.
Variations III /きみは太陽に 二度(…)
きみは太陽に
二度 出会ったと言ったね.
そう.
一度は ただ
形と沈黙だけが
肉体なのだと 思ったとき.
では その光は
きみのなかで 何を照らしていた?
わからない.
歩いていたけれど
それが何を意味するのか
私は知らなかった.
戦争は?
終わった.
現実と 肉体と 言葉が
ひとつに絡まり
ほどけなくなった.
あのころの太陽は遠くにいってしまって
暗いはずの 肉体は 眩いほどの明るさで
太陽は
おそらくなにも変わっていなかった.
では今
きみはまだ太陽を見るのか?
いいや.
影だけが 伸びていく.
声はなく
ただ ひび割れた感触が
私のなかにある.
誰かがそれを聞いているのか?
たぶん 誰も。
ただ 夏草が生いしげっている.
──
そうか
太陽は
いまも 照っているのだな.
Variations II /二度 太陽に 出会った(…)
二度
太陽に
出会った
形と無言
それだけが
肉体
ゆっくりと
離れていく
意味も知らずに
戦争が終わり
現実
肉体
言葉
すべてが
ひとつになる
「肉体もまた
語るのだろう」
夏草の上
沈黙の
太陽
私は 二度 太陽に出会った.(...)
私は 二度 太陽に出会った.
「造形美と無言だけが Corps の特質だ」と思った時.
次第に私は 太陽から徐々に 遠ざかっていった.
私は太陽を浴びて歩いていたが
それが自分に対してどういう意味をもつか
よく分からなかったのだ.
戦争が終わって
現実と肉体に対するフェティシズムと
言葉に対するフェティシズムとが
同じものになり
「肉体にもそれ特有のおしゃべりがあるにちがいない」と思った時.
それからというもの太陽はしんしんと夏草を照らしてゐる.
2025/05/22
ベナール・セル
あついみずが
みそとかす
ねぎとおどりゃ
そりゃみそしる
いいえ、のうみそ
ベナール・セル
2024/07/05
たのしみさみしみ
あらまあ、なんだか
今日はさみしそ
昨日はあれだけ
たのしかったのに
さみしい
たのしい
でもさみしい
ならさ明日は
きっとたのしい
ほんの今日だけ
さみしいの
さみしみも
たのしみばかりじゃ
さみしくて
2024/07/03
HELLO
「HELLO」と、どこやらきこえたや
耳そばだてに
きっと外国(とつ)の人でや、ふれんどりいに
挨拶交わすで言葉さがさにゃ
なんて言おうや
やっぱここは合わせにゃ行かんとか
「HELLO」
(外国の声に聴こえる)
うん?なんじゃこの声
あたしのこえかや
だれのこえかとおもったぞ
こんところにゃあいねえぞな
色も重さもねえ場所に
言葉はぷかあと浮かんでさ
定規も時計もねえ場所に
「HELLO」はひとりでこだまする
2024/06/11