ライフゲーム
「ライフゲイムは未来方向に決定的である。あるパターンを与えると、その時点以降の変化は一意的に決まる。しかしライフゲイムは過去方向には決定的ではない。あるパターンを生じるような過去のパターンは、複数通り存在することが多い。これをまとめると、ある配置は唯一の未来しかないけれども、複数の過去の可能性を持っている。」
https://gyazo.com/cd3e774da80e1e0e99e24ab58ac5d2e6
「この性格から、ライフゲイムを楽しんでいるときにしばしば欲求不満を生じる。コンピュータで遊んでいると、ときどき何か面白いことが現れたことを観察する。そこで プログラムを停止させて、後戻りさせてそれを再現しようとする。しかしライフゲイムのある時点の配置情報だけから それ以前の配置を復元することは、可能性が多すぎるために極めて困難である。」
『ライフゲイムの宇宙』p41
https://scrapbox.io/files/67e6ea290a17a458094a2b63.png
たとえばパルサー(Pulsar)と呼ばれるパターンを描画するとする
https://scrapbox.io/files/67e6e1204538973b8a0e28fc.png
コレを描くにはたとえば
https://scrapbox.io/files/67e6e13ac752737fd6350374.png
数字のゼロのようなものを描いてステップを進めると、あるときに必ずPulsarになる
だが、Pulsarになるのは「ゼロの形」以外にもあり、たとえば
https://scrapbox.io/files/67e6e1a608fbc50153e20ee3.pnghttps://scrapbox.io/files/67e6e1a9dc806d1f8d86d5d8.pnghttps://scrapbox.io/files/67e6e1ad8dc76b43007eb0cb.pnghttps://scrapbox.io/files/67e6e1b0b7ed1937268abfb9.png
以下のような図形でもそれぞれがどこかで必ずPulsarになる
未来は必ずPulsar一つであるが、過去は複数存在する
例外) エデンの園配置
フォン・ノイマン近傍:正方形の上下左右の4個のセルを含めた領域
ムーア近傍:斜め方向の4個も含めた計8個のセルの領域
コンウェイのライフゲームにおける速度
単位時間あたり1ピクセルが限度なので、これを光速時間とみなすことがある
グライダーは周期4で1ピクセルずつ移動していくので、1/4光速時間の速度を持つといえる
ライフゲームは予測可能か、予測不可能か
「グライダー 2機が遠くから近づき、衝突し、そこに池ができる。決定論者はグライダーの間隔とタイミングの調節が隠れた変数だと主張する。しかしこの現象をライフゲームのコペンハーゲン 解釈によって、衝突 結果を衝突という行為に結びつけることも可能である。個別に見れば、グライダーは全て同じ形である。どちらのグライダーにも池を意味する隠れた属性があるわけではない。」
『ライフゲイムの宇宙』p82
全体としてみればライフゲームは決定論的(予測可能)であるが、個別に見れば非決定論的(予測不可能)であるということ
基本的にライフゲームは「知らなさ」をどう引き受けて、どう乗りこなしていくか、たぶん波乗りをするサーファー的なプレイスタイルに近いような気がする
まるでバラバラな分裂のパターンに出会ったときに、それに乗るか、避けるか、どういう戦略が考えられるだろう
生命
「ブリーダーに生命はあるだろうか。答えはノウである。ブリーダーはライフゲイムの「生命を持った 」パターンにさえ似ていない。むしろ結晶の成長に似ている。このパターンは成長はするけれど、自己再製はしない。」 p122
自明な自己再製と自明ではない自己再製
自明
自明な自己再製は個々に特別な場合であり、それ以上に発展する一般性を持っていない
自己再製機械を構成する部品の単純さと機械本体の単純さがほぼ変わらない
レゴかなんかか?という批判
ペンローズ(L.S.Penrose)のタイル状の自己再製機械
ヤコブソン(Homer Jacobson)のおもちゃの列車・自己再製機械
ウラムUlamの珊瑚礁
フレドキンFredkinのゲーム
自明でない
ノイマンの興味
「万能建設機 universal constructor」は、作るべきものの青写真さえあればなんでも作ることができる
では自己自身の青写真を与えたらどうなるか?
自己再製のパラドックス
青写真を与えて自分自身を作れたとする
だが厳密にはそれは自己再製ではない。
万能建設機の再製はできたが、青写真が再製されていないからだ
青写真を与えることをやめて、原材料として青写真のようなものを環境的に与えるという方法も考えられる
しかしこれだと、たしかに自己再製はできたが、ほかの自明な自己再製機械と同じである
あるいは青写真の青写真の青写真の……を与えてやる方法
自己再製機械の原理が生命と同じだとすると、この無限の青写真がこの宇宙にありうるだろうか?少なくとも生命は無限に複雑な機械であったら、現れることはなかったに違いない
ではどのようにして自己再製するのか?
p134
ランダムな初期配置
唯一の属性: 密度
密度はここでは「時刻0に特定のピクセルがオン状態を持つ確率」とみなせる
ALIFE(人工生命国際会議)
参考文献
ALIFE | 人工生命 より生命的なAIへ | 株式会社ビー・エヌ・エヌ
ライフゲイムの宇宙
ライフゲイムは1970年のサイエンティフィックアメリカン誌上で紹介されるや大流行し、タイム誌(1974年)が「ライフゲイムの大群が数百万ドルの貴重な計算機資源を浪費している」と苦言を呈するほどであった。
人工生命: デジタル生物の創造者たち
Golly:Pythonスクリプト
#Lifegame