さよなら
さよなら、さよなら!
いろいろお世話になりました
いろいろお世話になりましたねえ
いろいろお世話になりました
金子みすゞ「さよなら」
私もしましょ、
さよならしましょ
きょうの私に
さよならしましょ
井伏鱒二「勧酒」
サヨナラだけが人生だ
ブローティガン「万事休す」
ぼくは心をこめてこんにちはといった、
だけど彼女はもっと心をこめて
さようならといったのさ。
バイロン「さようなら、元気で」
でも、もう終わりだ――どんな言葉も空しい――
ぼくの口から出る言葉はもっと空しい――
それでも、抑えられない思いが
はからずも込み上げてくる。
さようなら、元気で。
サン=テグジュペリ「星の王子さま」
夜になったら、星をながめておくれよ。ぼくんちは、とてもちっぽけだから、どこにぼくの星があるのか、きみに見せるわけにはいかないんだ。だけど、そのほうがいいよ。きみは、ぼくの星を、星のうちの、どれか一つだと思ってながめるからね。すると、きみは、どの星も、ながめるのが好きになるよ。星がみんな、きみの友だちになるわけさ。
竹久夢二「悲しい『さよなら』」
あ、それも、もう見えなくなるーー
泪の中に、黒い列車が浮いて見えた。
『さよなら…………』
最果タヒ「さよなら、若い人」
さよなら、若い人。
きみは飛び降り自殺ができない。
美しい肌がよれていくこと、
目がしぼんで小さな穴になること、
魂がせめて美しい星になればと、願うような、
そんなかわいいおばあさん、
こんにちは。
一緒に、私とお茶しましょう。
俵万智「元気でね」
スーパーの棚にて熟れてゆくトマト 冷凍野菜より悲しいか
リルケ「あらゆる別離に先んじよ」
あらゆる別離に先んじよ、別離がちょうど今
過ぎてゆく冬に似て、君の背後にあるかのように。
三島由紀夫「雨のなかの噴水」(『真夏の死』(新潮文庫)所収)
(いま手元にないので正確な引用ができない)
ジョエ・ゴーシャミ「友人に」(『ベンガル詩選集もうひとつの夢』所収)
そうさ また明日会おう 明日でなければ 次の金曜日
でなければ来月か 半年後 君が外国から帰って来たら
さもなければ また外国へ行ってしまう前か わたしが
死んだあとにでも……