鳥類調査
SatoFCプロジェクトの鳥類調査では、大きく分けて2つの調査を行っています。頻度は2週間に1回ほどです。
ラインセンサス
ラインセンサス法とは、決められたルートを一定のスピードで歩き、確認された鳥類を記録する手法です。
総環エリアでは、λ館を出発して体育館〜部室棟を通り、メビウスリングと呼ばれる外周路とその周辺の森を一定のスピードで通ってテアトロンまでを歩いていきます。看護エリアではΗヴィレッジの前すぐの道路を越えた畑→「健康の森」→遠藤笹窪谷公園を歩いていきます。看護ビオトープと遠藤笹窪谷公園も含めて広域的に調査を行うのは、鳥類は移動性が高いからです。
鳥類によっては複数の環境を必要とする種がいますし、季節ごとにその環境一帯にどのような種が飛来しているのか(例えば看護ビオトープなど特定の場所を利用している鳥はどの種なのか)を継続的な調査で明らかにしたいと考えています。
⇒本調査では鳥類の種名、個体数などをメインに記録し、SFCの森林を鳥類がどのように利用しているか(選好しているか)、季節ごとに鳥類相にどのような変化が見られるか、データをとっています。
ポイントセンサス
ポイントセンサス法とは、決められた地点に一定時間留まり、確認された鳥類を記録する手法です。
総環エリアでは、ゲストハウスと鴨池を対象に調査を行っています。
看護エリアでは、看護ビオトープ内と看護医療学部入口を対象に調査を行っています。
余談ですが、エサや水場を求めて降り立つなどビオトープを訪れた鳥たちのフンの中に、樹木の種子が含まれていることがあり、ここから新たな木が芽生えることがあります。鳥による散布とは断言できないですが、実際に当時植栽してない樹種で今では高木に育っているものも見られます。
〈看護エリアで確認された鳥類(一部)〉
https://gyazo.com/b6d9642f794408ab05acafd5d64d1513 https://gyazo.com/9e85cf5162eeb05b7fb27f9dcf2b5032
▲シジュウカラ ▲ヤマガラ
https://gyazo.com/de199b40c007f527fb0fa8a52d690d15 https://gyazo.com/b5c9998c94d3cfa69c66a79e91ac63a2
▲ジョウビタキ ▲キビタキ
https://gyazo.com/36daf811c881c57c9931ccec4d50b24c https://gyazo.com/bd22cfc1e21045644df924bb5a7dd0cd
▲モズ ▲アオジ
◎そのほかの調査(調査頻度が少ないor期間限定)
夜間調査
2024年度から新たに始まった調査で、夜間に総環エリアと看護エリアに生息する夜行性鳥類の生息状況を調査します。
頻度は1ヶ月に1度ほど。大抵は総環エリアか看護エリアの調査の前夜に実施しています。
カモ類カウント調査@鴨池
鴨池に生息するカモ類の種構成、個体数(わかるものは雌雄を識別)をカウントします。カモ類のほか、サギ類などの水鳥も参考記録としてカウントしています。
カモ類の多くは秋季に渡来して冬季を日本で過ごし春季に飛去する「冬鳥」なので、10月〜4月にかけては基本的に1週間に1度、調査員の日程を合わせて授業の空きコマや放課後などに実施しています。それ以外の月では、総環エリア調査で行っている鴨池でのポイントセンサス後に実施しています。
タカの渡りカウント調査@看護ビオトープ
タカの渡りとは、日本で繁殖したサシバやハチクマなどのタカの仲間が、越冬地に向けて移動する際に日本各地の上空を通過する行動を指します。
夏休み中の8月下旬〜9月下旬、看護ビオトープで上空を通過するこれらのタカの種と個体数、方角、行動などを記録します。この時期に実施される総環エリアおよび看護エリアの調査が終わった後、午前中いっぱい行います。日差しが強いので、実際には看護ビオトープに隣接する遠藤笹窪谷公園の屋根つきベンチ付近で行うことが多いです。
リーダーからの一言
鳥類の活動が活発な朝方に調査を行うため早起きする必要がありますが、早朝の清々しくて気持ちがいい自然溢れるキャンパスを歩けるのは鳥類調査の特権ですよ!!