哺乳類調査
活動概要
哺乳類班では、看護医療キャンパスのビオトープおよび総合政策・環境情報学部キャンパス内を対象に、生物の生息状況を把握するための調査を実施しています。主な手法として、自動撮影カメラ調査、フィールドサイン調査、夜間調査の3つを行っています。
自動撮影カメラ調査
調査対象地に自動撮影カメラを設置し、ノウサギなどの野生動物の活動を記録しています。カメラの設置台数は、看護エリアに4台、総環エリアに12台を配置し、それぞれの環境における生息状況を継続的にモニタリングしています。
フィールドサイン調査
動物の生息状況を間接的に把握するため、足跡や糞などの痕跡を確認し、分布や行動範囲を推定しています。これにより、野生動物の移動経路や活動範囲の特定に役立てています。
夜間調査
夜行性動物の観察を目的に、ムササビなどを対象とした夜間調査を実施しています。調査では、ライトや音声を活用し、樹上や林縁部を中心に観察を行っています。ムササビは現在まで確認されていませんが、今後は調査範囲を広げ、生息状況の把握に努める予定です。
自動撮影カメラによる調査
ビオトープで確認された哺乳類
アライグマ
アライグマ_動画
タヌキ
タヌキ_動画
ネコ
ネコ_動画
ノウサギ
ノウサギ_動画
ハクビシン
ハクビシン_動画
フィールドサインによる調査
https://gyazo.com/ee2cb32d67594ddcd20b215416ed9ef9
▲カヤネズミの成体。写真は笹窪谷で撮影
上記の自動撮影カメラによる哺乳類の確認の他に、哺乳類の残した痕跡(足跡や巣など)を見つけて確認する方法があります(フィールドサイン法)。看護ビオトープでは、自動撮影カメラによって確認された哺乳類の他に「カヤネズミ」という種が確認されていました。
カヤネズミは日本最小のネズミで、500円玉くらいの重さしかない哺乳類です。その軽さ故、草の上で生活するという哺乳類では珍しい特異な生態を持ちます。もともとは日本各地で普通に見られた種ですが、近年カヤネズミの生息するような草地は開発によって減少し、生息地が安定せず全国的に減少傾向にあります。ゆえに近年カヤネズミは良好な草地を指標する生物として全国的に調査されています(モニタリングサイト1000)。
最近ではビオトープ内でカヤネズミが確認されておらず、ビオトープでは姿を消している可能性が示唆されています。
https://gyazo.com/c860ef49616d8c903233c789f47082ec
▲ビオトープで確認されたノウサギ
ビオトープの代表的な生き物の一つにノウサギがいます。森林や草原など多様な環境に適応し、特に日本の里山に生息しています。しかし近年、森林伐採や開発による生息地の減少、天敵の増加、交通事故などの影響で個体数が減少しています。
ノウサギは夜行性で警戒心が強く、目視での確認は難しいですが、自動撮影カメラでは高頻度で確認されます。
リーダーからの一言
調査は月に一度行い、主にカメラの回収を実施しています。回収したカメラのデータを解析し、映っている哺乳類を確認するのが主な作業です。また、不定期で夜間調査なども実施し、より多様な生き物の観察を行うこともあります。
生き物に少しでも興味があれば、きっと楽しめる調査です!ぜひ一緒に自然の中で発見を楽しみましょう!