De-Fi(分散型金融)を概観する。概要、マップ、意義、法規制との兼ね合い
●概観
海外ではDe-Fi(Decentralized Financial System)と呼ばれている。”分散型金融”と調べても日本語で目ぼしい記事が出てこなかったのでまとめて文章にしてみようと思う。ここではプロジェクトの紹介とかをしていくつもりだが、そもそも暗号通貨そのものがブロックチェーンを用いた最も有名なDecentralized Financial Systemで、決済・送金のためのステートチャネルとかの技術も同じくDe-Fiと言える。レイヤー3以上のプロジェクトでいうと、最近有名なものではMakerDAOとかPolymath、Compound、0x、Augur、Bancor、dYdX、OmiseGOとか金融系のプロダクトやネットワークは全てDeFiに該当する。
●マップ1
非常に分かりやすいプロジェクトマップを発見
https://gyazo.com/db0267132817982daee897b64bad18cf
(credited by Dharma CEO)
○DEX(分散型取引所)
○Real World Assets(現物資産のトークン化)
○Prediction Markets(予測市場)
○STO(セキュリティートークン)
○Stablecoins(ステーブルコイン)
○Derivatives(デリバティブ)
○Loans(融資)
○Baskets(バスケット)
○Insuarance(保険)
○Credit Scoring(信用スコアリング)
●マップ2
1よりも広範囲&Ethereum限定のマップ
https://gyazo.com/e4599ad1db4df25df89a1ebd71943ea4
(credited by the block)
○Payments(ペイメント)
○Derivatives(デリバティブ)
○Credit & Lending(信用スコアリング & p2pレンディング)
○KYC & Identity(本人確認・認証)
○Exchanges &Liquidity(DEX・流動性プロトコル)
○Stablecoin(ステーブルコイン)
○Custodial Services(カストディアン・ウォレット)
○Insuarance(保険)
○Investing(投資)
○Prediction Markets(予測市場)
●分散型金融の必要性
2008年の金融危機に際して既存金融へ大きな不信感が募った。そして近年、新しく発達してきたテクノロジー(フィンテック及びブロックチェーン・ビットコイン)が、それらの中央集権的な既存の金融サービスの代替策になり得ると期待されている。ブロックチェーンが仲介者を信頼せずともデジタル上で行われる契約・データの正当性・安全性を保証してくれるようになると、既存の中央集権的な金融機関に頼らない方法で手軽で素早い安心なサービスを作れるかもしれない。
凄く簡単に言うと、「手軽で素早い安心な金融取引」(簡単にし過ぎw)を行うために、
・アクセスの自由
銀行口座・クレジットカードへの依存性の低い金融サービスである。(決済・送金・融資・投資などなど)
・検閲耐性
管理者がユーザーの個人情報を勝手に取得することができない。
・カウンターパーティーリスクの軽減
資産や個人情報の流出を防げる。
・透明性
コードやトランザクション、プロジェクトの情報をより多くの人が確認・検証できる。
・プログラマブル
エンジニアはプラットホーム上で多様なサービスを簡単に構築できる。
という5つの効用を拡大するのが分散型金融だという認識。
Fintechには
・決済
・送金
・融資
・財務管理
・資産運用
・家計
などの分野があるが、そのうち
・決済(マイクロペイメント・即時決済)
・送金(地理的制御なし、銀行やVISAを第三機関を介さない)
・融資(仲介コスト(手数料)が低い。)
の3つは、これまで中央の仲介者に信用をおくことなしに取引を行うことは難しかった。しかしブロックチェーンを活用した金融プラットホームはその仲介者への依存性を低めることで、効率的な取引を行える。
さらに、ブロックチェーンだからこそ実現できる(検閲耐性のあるp2pでの予測市場や保険・現物資産のトークン化などの)既存の金融とは異なるサービスを生み出せる可能性がある。
●法規制との兼ね合い
現状言えるのは、ほぼ全てに対し仮想通貨交換業の登録が必要(ステーブルコインのIOUモデルは前払い式?)で、それ以外に例えばデリバティブ、予測、レンディング系のプロトコルには金融商品取引法が課せられるということ。
・金融庁ではデリバティブは倍率4倍まで、みたいな議論が進んでいる。(欧州は2倍だという)
・分散性に関する議論では、これらのアプリケーションがどれだけ管理者不在で動くは分からないけど、ユーザーのKYC問題を解決する必要がある。(もし本当にKYCも自動化するなら信用スコアリング系の技術は不可欠。)
・Decetralized ProtocolはユーザーのKYCや個人情報の追跡を余儀なくされるのか??
例えば米国では、USDCやUSDTはユーザーのKYC(個人情報の取得)や資金源の調査、送金トランザクションの追跡を強制される。そして最悪の場合、あるアドレスが何か詐欺やマネロンなどの疑いを持たれたら、アドレスは無許可に凍結させられる危険性が高い。では、一方で分散型で同じことを行うDAIはどうなるのか?その他分散的にトークンの貸し出しや交換を行うプロトコルはどうなるのか?
→これに対しては、意見が別れている様子。「完全に分散化したプラットホームのスマコンコードを止めることはできない」と言う人もいれば、「オラクルやコントラクト内の変数の調整など、完全に分散化されているプロジェクトはほぼない(ex. MakerはまだFoundationがコントロールしてる)ので、いずれ規制がかかるようになり、例えばDAIやDEXらもユーザーのKYCや無許可のアカウント凍結機能を持たなければならない」みたいな意見もある。
●領域ごとの概観
・DeFiに関する資料
Opening DeFi
Announcing DeFi Set protocol
Announcing DeFi Dharma protocol
awesome-decentralized-finance
DeFiとは?
Loopring Joins DeFi to Build Up The Decentralized Financial System
Mappinng Decentralized Financial System by Dharma CEO
Mapping out Ethereum’s ‘Open Finance’
DeFi Summit — San Francisco
DeFi Telegram Groupe
Defi Projects Research