認知のはしご
具体と抽象を行き来すること。そのようなさま。
Cognitive Ladder.
サムネイル:
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背景
この手の概念はとうに知られているが、良い名前がなかった
認知的に上下に動くと捉えて、わかりやすい物理的道具のメタファーをもってきたsta.icon
はしごの昇降がそれなりに大変であること、それなりの基礎体力がないと昇降自体ができないことなども共通している
概要
以下のような言い方を使う
「はしごを使う」「はしごを昇り降りする」
「はしごを立てよう(行き来してみよう)」「はしごはいったん置いておこう(行き来は置いておこう)」
「一段上がってみませんか?」「一段下げてみるよ」
Q&A
Q: 推論のはしごのことですか?
Ans: 違います
「はしご」の捉え方も違います。推論のはしごを含め、はしごという名前を使うときは「階段」と同じニュアンスを持つでしょう――つまり段階的に一歩ずつ進むというものです。一方、認知のはしごでいう「はしご」は昇降する道具とのニュアンスであり昇ったり降りたりしますし、はしご自体を設置したり撤去したりもしますsta.icon
開発秘話
現場改善の文脈で、現場層が抽象的な話を好まないどころか、忌避することはよく知られています。原因は多層的で、いたずらに語れるものではありませんが、主因の一つとして「そもそも具体と抽象を行き来するとの発想がない」「能力がない」があると考えられます。なぜなら改善とは主に現状の具体から抽象に上がり、別の具体に降りるものだからです。上り下りできねば話になりませんし、上り下りできないのは深刻です。さて、この問題をカバーするためには、まずは具体と抽象の行き来という営みそのものを認知してもらわねばなりません。知的生産の出番です。わかりやすい名前を与えましょう。そうして、はしごのメタファーにたどりつきました