コンソリデーション(Consolidation)
コ・パラダイム(Co-Paradigm)の一つで、集約的協働を指す。
おさらい
第一パラダイム「コミュニケーション」は交換的協働
二者間で非言語含む情報を交換する
一応非同期も可能だが、非言語情報が少ないし、シームフルでストレスなので好まれない
情報のマスターは各自の頭の中にあって、コミュニケーションを通じて同期を図る
第二パラダイム「🙏コラボレーション」は共有的協働
関係者が情報を「場」に持ち寄る
非同期は可能だし、何ならメイン。情報の読み書きを「しておく」が可能
情報のマスターは「場」にあって、場への書き込みや場の読み込みが肝心
概要
集めることで「高密度な協働ができる機会と状態」をつくる
コミュニケーションは、二者が交換できる舞台を整える
コラボレーションは、関係者が読み書きできる舞台を整える
コンソリデーションは、関係者が集まり専念できる舞台を整える
集めるものは3種類
資源(リソース)
関心
情報
コンソリデーションによって集約を行う場所とそこに集められた事物を舞台(ステージ)と呼ぶ
ステージは一時的かつ自発的なものである
table:t
永続的 一時的
強制的 1 2
自発的 3 4 コンソリデーションはここ
定期的なステージはありえる。一時的なステージを何度もつくっているだけだからだ
自発性は必須ではないが、受動的・消極的な者がいても役に立たないどころか、足を引っ張る可能性が高いため好ましくない。しかし、この点は未整備であり、このページでも盛り込めていない。。sta.icon
ステージはある程度の機動性を備える、つまり何度もつくれる
したがって、年一のイベントのようなものはコンソリデーションではない
ステージをどうつくるかの戦略
上述したとおり、3種類あるので、それぞれ述べる
1 資源(リソース)
お金、時間、認知資源・注意資源など集める。つくりかたは色々あるので後述
2 関心
議題・話題・お題などを集める。トピック指向の推進、またはトピック内での発想法的営み
3 情報
SSoT(信頼できる唯一の情報源)。基本的にすべての情報を一箇所に集める
コンソリデーションの例
資源的な例
コアタイム。時間の集約。つながれることを保障する時間。つながらない権利の逆で、つながる義務みたいなもの
モブワーク。注意の集約。モブプログラミングをsta.iconが一般化したもので、n人で一つのタスクに取り組む
エフェクチュエーション(の許容可能な損失)。予算の集約。最悪全部ドブに捨ててもいい額を最初からどかっと確保して完全に委譲する
ホールシステム・アプローチ。たとえばワールド・カフェやOSTなど
個人的にはこれはコンソリデーションには含めたくない。機動性に欠けるからだ。たとえば週に数回以上の頻度で開催できるか?できまいsta.icon
関心的な例
QWINCS + 発想法。ウィキやノートやボードを用意して、ブレストやKJ法など🙏発想法的な営みをする
フォームニケーション(Formunication)
スプレディケーション(Spreadication)
情報的な例
SSoT。割とどのツールでも実現できる。やり方と運用次第である。ただしストレスフリーは最重要であり、ツールのレスポンスは高速でなくてはならない。たいていはツール側のインフラか、各メンバーの環境を改善すれば解決できるが、ツール自体の技術的な限界や、データ量が多いことによる処理速度の低下などはありえる
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開発秘話
sta.iconコ・パラダイムの第三をつくってほしいとの依頼を受け、開発したのがこれです。
Co- 縛りなので苦労しましたが、統合を意味するConsolidationであれば、なんとかこぎつけられると思い、ここまで導けました。特に目新しい概念ではなく、統合の動きはポストコロナでも見られます。リモートを経たからこそ、集まって密に行うことの重要性が再認識されて、そういう前提で組織を再構成する動きはよく見られますよね。
個人的には、この概念を世に送り出すことに抵抗があります。私は集まるのが嫌いだからです。現代はリモートの時代であり、出社など基本的に論外だと思っているからです。しかし、仕事として受けた以上、投げ出すわけにもいかないので、ならばせめて「人が集まる」要素を薄める努力をしました。そうして資源、関心、情報の3要素を導きました。結果的に、単に人が集まる以上の、より本質的な「統合」のあり方をつくれたと自負しています。
ちなみに、説明としては統合ではなく「集約」を使っています。実用性を確保するためには、どうしても一時性と機動性を盛り込まねばならず、そうした場合、永続のニュアンスを持つ「統合」では不適切だと考えたためです。