存在による検証
提出や公開をしなくても、手元で存在しているだけで検証になるという考え方。
背景
考えたことやつくったものは、すぐに提出したり公開したりしがち
提出:具体的に誰かに見せる
公開:具体的な誰か、または不特定多数に見えるように置いておく
その心理は複雑だが、たとえば以下がある
現代のビジネス観の影響。プロトタイプをつくって早く検証すべし的なリーン的価値観
公開しておけば何か起きるだろうという受動的な下心
一区切りつけたさ。ボールを相手に渡した状態にしたさ
自己顕示欲。少しでも多くの人に届けたい、影響を与えたい、その反響を浴びたい
しかし、早すぎる提出や公開のせいで精神に支障が生じやすい
評価フェーズのウェイトが大きくなる分、評価の状況や結果次第で気持ちが浮き沈みするため
需要に応える形で駆動するウェイトが増えて、主体性が失われていくため
これを支えるのは外発的報酬です。金銭的報酬が大きい、ステータスが得られる、対人関係で満たせる等sta.icon
別の言い方をすると、内発的な過ごし方が脅かされやすくなりますsta.icon
概要
目的
早すぎる提出や公開の弊害を防ぐために、意図的にセーブすること
メカニズム
誰にも見せずに手元に置いておくだけでも、それなりの情報量は発生する
「あー、出さなくて良かった」「余計なこと言わなくて良かった」は誰しも一度は経験があるでしょう。これは頭の中で留めているだけでは至れませんsta.icon
もっと言えば次の三段階があります
lv1: 頭の中にあるだけ
lv2: 形にしたけど、まだ誰にも見せてない
lv3: 見せた
関連
寝かせること
寝かせることは、まさに存在による検証を使っています。というより、寝かせるとは「存在による検証と睡眠込みの強力な休憩を目的とした戦略的放置」のことですsta.icon
愚痴は誰にも言うな、公開もするな、手元で書いてスッキリさせたら消せ的なプラクティス
設計
たとえばマンガでは「ネーム」が設計に相当します。頭の中だけでは検証できないので、実際にラフにつくってみるのです。本当は自分ひとりでもできますが、プロなど商業レベルの人はパートナー(この場合は編集者など)に見せることも多いですsta.icon