シップスイッチング(Ship Switching)
●●のあり方(状態)が複数存在することと、それらを使い分けることが重要という考え方。
また●●の定義や状態の定義といった知的生産も含む。
概要
ステム
●●のあり方でいう●●のこと
接尾辞や接頭辞がつくボディ部分のこと
例: Leadership
Leader + ship
Leaderがステムで、shipが接尾辞
シップスイッチングとして行うこと
1: ステムを定義すること
2: ステムが持つ状態を定義すること
3: 1と2に従い、実際に(ステム)シップを発揮する場面において、状態を使い分けること
例1: リーダーシップ
リーダーのあり方は複数存在し、状況に応じて使い分けた方が上手くいくことが知られている
古くからはコンティンジェンシー理論も存在する
これはリーダーシップに関して、シップスイッチングしていると言えますsta.icon
例2: コンテキストシップ
ハイコンテクストとローコンテクストの二つの状態があるとした上で、これらを使い分けること
📖異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養にて両者の使い分けに言及されており、私がこれに名前をつけました。これにより「コンテキストシップを切り替える」と表現できますsta.icon
これはコンテクストに関して、シップスイッチングしていると言えますsta.icon
例3: プランシップ
計画にどう頼るかというあり方は複数存在する
ウォーターフォール: 計画をしっかりつくり、そのとおりに行動する。計画の踏襲が正義
アジャイル: 1~3週間を1単位とし、その単位内でのベストエフォートを行い、振り返りをして次の単位で何するかを考える――との形で行動する。行動と合意が正義
エクスプロラトリ: 指定期間の間、非同期的な探索に専念する。発散と収束が正義
参考: ウォーターフォール、アジャイルに続く潮流 「エクスプロラトリ」|仕事術2.0
プランシップの性質
1: その組織やその意思決定者のメンタルモデルに左右される
普段ウォーターフォールを使っているなら、その組織やその意思決定者が行う仕事はほぼ常にウォーターフォール的になる
2: 基本的にウォーターフォールになる
現代ではまだまだ階層的な組織パラダイムが支配的であることと、予算などのリソースの管理パラダイムも予実管理的であることから、多かれ少なかれ影響を受ける
中間層が有能であれば、内部のプランシップが侵食されないガードできるが、この概念自体が新しいため難しい → 結局ウォーターフォールになりがち
つまりプランシップは融通が利かないとされています。ここに風穴を空けるために、以下のような対応を行いましたsta.icon
シップスイッチングに従って、まず「プランシップ」なる枠を定義
次に状態として三つほど定義
ウォーターフォールとアジャイルは、ソフトウェア開発から取ってきています
エクスプロラトリは私の知的生産物で、第三のパラダイム(🔗3rd Paradigm)です
ここでつくったことで、三つの状態を切り替えるという視座に立てるようになります
例4: ワークスタイルシップ
働き方が複数存在するということ、また切り替えられるようにするということ
特に制度としてサポートするのみならず、実運用で実際にスイッチングすることを見据える
たとえば会社としてフルリモートとフルフレックスを行える制度があったとしても、チームとして「毎週金曜日は出社日」「基本的に出社日はなしでフルリモート」「事実上 10~19 時が定時」であれば意味がありませんsta.icon
そのようなチーム(のマネージャーあるいはみんな)のワークスタイルシップはない、と言えるでしょう
リーダーシップがない、と同じような表現です
ワークスタイルシップを発揮すると、毎週金曜日に出社しないことや、フルリモートせずに出社する人や、10~19時から逸れた朝型や夜型の勤務スタイルなど当たり前に共存できます
しかしスイッチングではあるので、状態を定義して、それを使わせることになります。たとえば「毎週金曜日に出社」「毎週どの曜日でいいので出社」「出社しなくてもいい」の三つの状態を定義して、どれか一つを必ず使うようにします
わかりやすい説明
あり方(状態)がわかりづらければ「モード」でも良い