書く習慣
2023/02/24
kindle
いしかわゆき(ペンネーム:ゆぴ)
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目次
はじめに:人生なんて「書く」だけで変わる
第一章:言葉と仲良くなれば書けるようになる
第二章:習慣になれば書くのが楽しくなる
第三章:ネタを見つけられると止まらなくなる
第四章:ちゃんと伝わると嬉しくなる
第五章:読まれるともっと嬉しくなる
第六章:書くことが与えてくれるもの
おわりに:書くことで変わるもの、変えちゃいけないもの
はじめに:人生なんて「書く」だけで変わる
「書く技術」を伝えるのではなく「書く習慣」に導く本。
「書くのがつらい」なら、続かない。
第一章:言葉と仲良くなれば書けるようになる
誰でもなく、自分のために書いていい
「だれからもケチをつけられない立派な文章を書こう」と思わないこと
まずは「自分語り」から始めてよい
自分はアホだ!と思えばアウトプットできる
忘れるからこそ、すぐには理解できないからこそ、書く
まずはそのメイクを脱ぎ捨てよう
書く時「誰かに見せる前提かどうか」が大事
最初は「誰にも見せない前提」で、正直な文章を書き始めると良い
とはいえ、自分が見ているけどね
小論文、レポートのお作法、いりますか?
うわぁ〜と思ったらうわぁ〜と書いてしまえ
「気持ちを表現し伝えること」が大事
このあたりは、チャットやYoutubeスパチャの心に通ずる
完璧主義を捨てて、どんな形でもいいから終わらせて
Done is better than perfect.
自分で設定した100点って、本当に大事なこと?
意外と(当然)人それぞれの物差しを持っている。まずは60点で出してみては。
「60点をすぐに出す」の心得。
「意味がない」文章に意味付けするのはあなたじゃない
文章に意味付けをするのは「読者」
誤解されることもあるし、思わず好評なこともある
容易にコントロールできるものではないから、あまり気にするな
手書きが持つウソみたいな魔法の効果
手帳に手書きをすると成功率が42%上がる
筆者は、落書き用の手帳を持って活用している
やりたいことリスト
一言日記
第二章:習慣になれば書くのが楽しくなる
日常に落とし込めば努力なんていらない
小さな習慣
「ふだんやらないことをやろう」となると「特別がんばる」ことになり、それだけで疲れる/億劫になる
なんでも結局、特訓よりも日頃の姿勢や習慣が大事
定期レッスン等は「日頃の習慣の成果や正しさを確認する機会」
視界の端にちらつかせるのが、習慣化の第一歩
「書くこと」なら、書くためのツールをパッと取り出せる範囲においておく
枕元、スマホ
自分日記で、思いを言葉に変えていこう
誰にも見せない前提で「自分が思ったこと」を書き出してみる
衝動で書く(=勢いがある)と、解像度の高い言語化ができる
自分の感情に整理がつく
人に気持ちを伝えるための準備にもなる
ハードルをうんと低くする5分マジック
「一気に高みを目指す立派な目標」は、三日坊主になる
それより「一日5分」の目標の方が、現実的
小さな習慣
「やる気があるから行動する」のではなく「行動するからやる気が出る」もの
思考停止時間を探し出せ!
一日の中で「頭が止まっている時間」、探してみると意外とある
そのうちの1つでも「習慣」のために割り当てられると良い
「書く」は、スマホがあればできるので、組み込みやすい
「ながらで、ぼーっと」で毎日続けられることの力が、バカにできない
毎日やる宣言で、自分のプライドを利用する
「やります!」と宣言することで「やめたらかっこわるい」と意識が働き、原動力になる。
やめたら気まずい状況をあえて作ろう
周囲の人を巻き込んで、連帯で実践する
生産性のない自分を受け入れよう
自分の24時間を振り返ると、謎な時間がけっこう見つかる(=隙間があることをまずは認める)
ここのどこかを押さえて、習慣のために使う
書くことを楽しく習慣化するTwitter活用術
Twitterは気楽に投稿できるので、書き癖をつけるのに良い
140字という制限が、工夫をさせるので文章力向上のトレーニングにもなる
講演などを「Twitterで実況投稿」できる人は、文章力の達人
即時性、要約、要点を抑える、ができ、かつ「聴きながら書く」ができる、ということ。
どんなにつまらない講演でも、Twitter実況の実験台にできるなら、その時点で価値がある。
本、漫画、映画はツイートするまでが体験
コンテンツ消費のツイートは、2パターン
1:内容をまとめたツイート
2:感想をまとめたツイート
「感想」という時点で多様性が許容されるし「そう感じたということに正誤優劣はない」ので、書き得
発信者側はエゴサーチをする。フィードバックにもなるはず。
つい書きたくなる日常の解像度の高めかた
「最初に書こうと思ったこと」について、2段階くらい「なぜ?」で連想ゲームする
そこから「意外性があって面白い流れ」で書くと、ストーリー性/起承転結が付与され面白くなる
「今日は寝不足で仕事に集中できなかった」
→「昨日、夜遅くまで仕事の準備をしていたら今日眠くて手がつかなかった。本末転倒!」
最後に学びにつなげとけば、とりあえずオチる。
落ち着いたらやろう、は、絶対にやらない
ベストな条件が揃うのを待っていたら、いつまでたってもスタートできない
「とにかく、今はじめてみること」が大事
スタートを切ってからでも準備(=勉強等)はしていける
第三章:ネタを見つけられると止まらなくなる
「なにを書いていいのかわからない!」
「日常を、いかに書けるか」がポイント
愛のある発信は無益でも受け取ってもらえる
「好きなものについて、愛を持って書く」のが、一番筆が進む
枯れた心からネタは生まれない
インプットが途絶えると、アウトプットできなくなってくる
くだらないこと(=価値とかはないんだけど、自分は好きなもの)に触れる余裕があることが大事
「面白かった」で終わらない人になるための読書術
読書の時「今の自分に引っかかった一文」をピックしよう
それは「自分から見て大事な一文」なのだから、まずそれだけで十分個性のある情報。
ピックした文を書き出し、どこがどう引っかかったのか、読んで何を思ったか考えたか、メモする。
それは、読書しながら「秒で」やる!(=同時進行)
一瞬でも間が空いたら、それは「今の感情」ではなく「その時の感情を思い出した記憶」になってしまう
テーマを決めて自分に取材してみよう
ぶっちゃけ「テーマはなんでもよい」
新しいテーマについて、自分に取材するつもりで書けば、なんとか書ける
なら「テーマメーカー」作れば無限に書けるじゃん
なにもない日は「なにもない」ことをネタにする
いや、なにかしろよ。
たまーにならなんとかお茶濁せるけど、しょっちゅう続いたらつらいよね。
昨日と同じテーマ、出されているのと同じ。
そういう時のために、ネタのストック用意しておこう。
あと、何かはすること。本1冊読めば、1記事かけるよ。
情報を集めることだけがインプットじゃない
「自分の感情が動くこと」がインプット
同じ映画をまた見ても、それで感情が動くのなら、それは立派なインプット
知識カタログを厚くするために、たくさんの種類の映画をみることにする、というのは、どうなのか。
否定するわけではない。
しかし「カタログを厚くすることが良いインプットで、お気に入りを繰り返しみることは無駄だ」ということにはならない
第四章:ちゃんと伝わると嬉しくなる
その文章、中学生にも伝わるレベルですか?
「自分のための文章」から「誰かのための文章へ」を目指す!
「簡単な言葉で書かれた文章」の方が、ちゃんと伝わる
「誰でも知ってるはずの言葉」以外を使うと、そのぶん伝わらなくなる
すべての文章は「知るかボケ」前提で書く
赤の他人もちゃんと読める/理解できるように書く
専門用語は極力使わない、使うなら「言い換え」の注釈をつける
固有名詞には必ず説明をつける
「たったひとり」の向こうに世界は広がっている
読者層をイメージする、という話
とはいえ、難しい話だしそんなに頑張っていられない
なので「あの人に読んでほしい」で、身近な1〜2名を想定して書くとよい
なんなら「過去の自分」にでもOK
意外と、そういう「狭いけど刺さる」文章に魅力が宿る
「いい感じのまとめ」が文章をつまらなくする
安っぽくなるよね
「自分の味」が出る締め方、魅力的
「誰でも書けそうな文章」から抜け出す方法
SEOライティング的な「あらすじ」は、誰でも書ける。溢れかえるし、価値がない。
実際に体験して感想をつかんで「自分が見たらこうだった!(=独自の解釈)」が大事。
そして「それを誰が言っているか」
どんなに「ヘタクソ」でも結局は書いたもん勝ち
「ちゃんと世の中に公開した側の人間」であることが大事。
「俺ならもっとすごいものかけるぜ」と言ってるだけで何も出さない人間ではいけない。
世間に響いた文章が「上手い、洗練された文章」とは全然限らない。
伝わったなら、伝わったもん勝ち
第五章:読まれるともっと嬉しくなる
文章の顔はイケメンよりも三枚目くらいがよい
読んでもらえることは「第一の目標かどうかは人次第。ただモチベーションにはなる。」
「タイトル」がまず大事。タイトルで掴んで、記事に入ってきてもらう。
「パワーワード」と「主観」を入れること。
「花火大会に行きました」
→「花火をみるたびに思い出す、僕のヘンな元カノの話」
「1%の体験」は「100%の評論」に勝る
「まったく同じ体験をした人」はいない
同じテーマを通過したとしても。
同じハンドクリームを使ったとしても「肌が違う」「生活が違う」で全く同じ体験にはならない。
だから「自分の体験を表現する」ことができれば、なんでも発信のネタになる。
「まるで自分に言われてるみたい」と思わせる秘密の言葉
「今日はXXがあって悲しかった」
→「今日はXXがあって悲しかったから、あなたは気をつけてね」
人が記事をシェアする同期は、2つ
「共感」←わかる、自分もそう言いたかった
「学び」←これは役にたつ情報だ
誰かに話しかけるようなタイトルを使う
同意、共感を誘う言い回しにする
記事の「自分ごと化」
事実情報の足並みを揃える
自分が感じたこと、学んだことを整理する
語りかけてみる
主語を「わたしたち」にする
「あなたはどう?」と議論の余地を残す
誰かの日課にしてもらう
投稿のペースを定期的にする
毎日同じ時間に投稿する/毎週同じ曜日に投稿する
コアな読者の獲得(=同調サイクルで読んでくれる)を狙う
有益なこととは「知らないこと」である
記事を読んで「有益だったか、無益だったか」は、読んだ人が決めること
書き手でコントロールするのは難しい
「自分しか知らないこと」を発信すれば、それが他者の有益につながる
過去の自分に向けて書くと「未来の誰か」が救われる
今の自分から見て「いまだったらわかる」「あの時の失敗/後悔を今でも思い出す」が、価値あるネタ。
それは真実の実体験だし「まだそれを知らない人たち」がたくさんいるから。
「あのクソ野郎」に共感が集まる!?
「本音を晒け出しているか」で共感される
綺麗に取り繕った記事はつまらない。SEOライティングと同じ
惹きつけたいなら、調和を乱そう
(特に日本人は)「こういうことを言うべき」というよそ行きな顔を持っている
そういうよそ行きの文章は、他の人たちがたくさん書いてくれるので、自分も同じものを書く必要はない
自分の正直な感想を出すことが大事
「言葉の刃」で誰かを傷つけないために
相手を目の前にして直接言えるか?
相手の人格を否定していないか?
わざわざ発信する必要があるか?
「この文章を書いたの、私です」と名乗り出ることができるか?
反応がなくても、みんなひっそりと読んでいるよ
いいねとかコメントとか、なかなか返ってこないものだよ。
「リアクションの件数」を気にしすぎると、しんどくなってくるよ
なんとかコントロールしよう、とすると、ものを書くことの軸が狂ってくる
第六章:書くことが与えてくれるもの
あなたの文章が「良き相談相手」になってくれる
書くこと、それ自体で頭の中が整理され、気持ちが落ち着く
朝のライティングルーティン:朝30分、ノート3ページに考えていることを書き出す
ひとり合宿、ひとりカウンセリング
文章の中に「知らない自分」が見えてくる
ジョハリの窓
1:自分も他人も知っている性質(開放)
2:自分は知らないが他人は知っている性質(盲点)
3:自分は知っているが他人は知らない性質(秘密)
4:自分も他人も知らない性質(未知)
文章を書いていくと、4が見えてくる。自己理解。
「口下手な自分」をちゃんとわかってもらえる
リアルなコミュニケーションテクニック(プラスでもマイナスでも)に振り回されず、自分を表現できる。
書いて公開することで「こういうことを伝えたかったんだ」をちゃんと見てもらえる。
世界のどこかにいる「仲間」が見つかる
共感してくれる人と交流できるよ
文章が「ひとり歩き」して自分を広めてくれる
一度書いた文章は、勝手に世間を歩き回り、新しい誰かに読まれている
「自分の分身」を作るのと同じ
活きた記事を99本世に出せば、本体を含めて100人の自分が世間を歩き回るのと同じ
なら、本体はたまにさぼっててもいいか
平凡な毎日が言葉でラベリングされる
日記では、タイトルで「今日がどんな日だったか」ラベルを貼ることができる
ラベルを貼ることで「なんでもない日」が「こんな日だった」に変わる
言葉には「解釈を変える力」がある
未来の自分がそっと取り出せる「希望の手紙」を書こう
日々、記事を書いていると「先の自分にとってすごく大事な1枚」が生まれるもんだよ
今はそうだと気づいていなくても。だから、書くことを続けよう。
「いつか書こう」ではなく「そのとき、今」じゃないと書けない。
書くことは「呪い」を解くための魔法
書き手の特性に関連した「世間の先入観」を、記事を発信することで変えていくことができる
少なくとも「自分の場合は、こうだ」と言える。それが自信になる。
新しい世界への「切符」が手に入る
書くことがきっかけでチャンスを掴むことがある
おわりに:書くことで変わるもの、変えちゃいけないもの
書く習慣をつくる52のコツまとめ
読んでみて
一般人→ライター、の著者による体験記。
「実績ある人の体験記」だから、説得力がある。
本の中でも注意がある「誰にでも伝わる文章」「小綺麗さより感情を大事に」が実践されていて、お手本としても機能している。
読者が広めたくなる記事は「共感」か「学び」。特にここに納得。
純粋な学術的知識(=情報)は、たぶん「コンスタントに記事にする」には不向き。
情報の「正確さ」「責任」が求められる(=攻撃の対象になるリスク)
情報だけなら、他からもたくさん出てくる。独自の価値が付与できるか?
対して「自分の体験」「自分の感想/感情」は「それはそう」なので正誤の対象にはならない。
「正直に書く」ことが大前提。
こちらのルートで「共感」「学び」を意識すると、ウケる記事を狙える。
「記事の自分ごと化」のテクニックで、共感を誘う。
タイトルに「パワーワード」と「主観」を入れることで掴みを強くする。
記事を書くことで記事がひとり歩きし、自分の分身を世に放つことになる。
同じ時間量の中で、活動量が掛け算的にアップする。